夏休み突入直前!友達関係で不登校になってしまった子どもは外に出るのも少し勇気がいりますね。そんな時は、どうしても家の中にこもりがち…。そんな状況を逆手にとって、子どもの発達をゲームで加速させてみませんか?
【目次】
1.夏休みは気が重い…不登校の子どもの嫌いな季節到来
2.安易に依存症扱いしない!わが子は本当にゲームに依存しているのか?
3.ゲームから得られる可能性を理解しよう
①思考系の脳のエリアへの刺激
②記憶系エリアへの刺激
4.「〇〇で!」ゲームを楽しむ、ただそれだけ!
1.夏休みは気が重い…不登校の子どもの嫌いな季節到来
世間は夏休み目前です。不登校のお子さんはこの時期外出する機会が減るのではないでしょうか?
平日の昼間はそこまで気にすることがなかったのに、外に出ると学校のお友達に会うかもしれない…という確率が高くなります。
学校が夏休みなので、お友達の行動が読めず予期していない時にバッタリ!ということもありますよね。
そのような状況を避けるために、これから8月末まではいつもより引きこもってしまうかもしれません。
そうなると、家でどのように過ごすか?ということが課題になってきます。
お手伝いをしたり、勉強をしてくれたらいいけど、家で大好きなゲームに没頭する時間がいつも以上に増える予感しかしません…。
外に出たくても出られないなら大目にみてあげようと思う親心から、ついついゲーム三昧になってしまい、
うちの子依存症になってしまうかも…。
いや、もう依存症なのかもしれない…。
と心配になってしまいますよね。
ただゲームに没頭しているのか?はたまた依存症となっているのか?その違いについて次で述べていきますね。
2.安易に依存症扱いしない!わが子は本当にゲームに依存しているのか?
世界保健機関(WHO)が2019年に「ICD‐11」という国際疾病分類に「ゲーム障害」を正式認定したことで、ゲーム依存症という言葉をよく聞くようになりました。
わが子がゲーム依存症ではないかと心配している親御さんはいるかと思います。
「ゲーム障害」というのは、ゲームの開始・終了など時間のコントロールができなくなっている状態のことを言います。
そして、ゲームが生活の中心になっており、家庭や職場または学校などで問題が生じている状態が、中長期的に(基準は12カ月)続いている、それを「ゲーム障害」と診断することになっています。
うちの子はゲーム障害かもと心配しいるかもしれませんが、どこかふつうとはちがう異常な感じがする状態のこととして理解しましょう。
そう考えると
寝る間を惜しんでゲームをして、朝は起きれず日中にずっと寝ている。
食事やお風呂もままならない。
起きている間はとにかくゲームのことしか考えていない。
とにかく他のことは何もしない。
目つきも表情もおかしい…。
と、極端な生活や様子をしていない限りゲーム障害、依存症には当てはまらないのではないでしょうか?
少なくとも午前中に起きて、フリースクールに行ったり、塾などの習い事に出掛けている子どもはその対象にはなりません。
ゲーム以外のことをちゃんとしようという気持ちがあるので安心していいのです。
それでも親の目から見ると、ちょっとゲームに夢中になりすぎて心配…と思われた場合、それはそうなってしまう理由があるということを理解してあげましょう。
学校に行けない後ろめたさを感じていたり、ゲーム内のコミュニティに居心地よさを感じていたり、子どものなりの理由があるはずです。
親が心配し過ぎて、子どもが抱えている気持ちに気付けず、とにかくゲームから切り離す時間を作った方がいい!と考えてしまい、間違った行動をとることがあります。
絶対に、これだけはやってはいけない!ということがありますので参考にしてくださいね。
それは、
1つ目は、ゲームのルールを親主体で決めること。
2つ目は、学習成績の低迷をゲームのせいにすること。
3つ目は、ゲーム機本体やコントローラーなどを隠すこと。
いずれのことをしても親子関係を悪化させるだけです。
子どもの気持ちを受け止めない親への不信感が強くなり、ゲームを悪!と扱えば扱うほど、子どもの勉強嫌いを加速させることになります。
では、親はどのように子どもに歩み寄っていったらいいのでしょうか?
3.ゲームから得られる可能性を理解しよう
◆①思考系の脳のエリアへの刺激
毎日マンネリ化した生活を送っていると、脳に刺激が入ることが少ないですよね。
お年寄りなどの生活を想像してみると分かりやすいのですが、毎日同じことの繰り返しだと認知が衰えていきます。
新しい知識が入ってくると、 私達の脳は自分で考える能力である思考系の脳のエリアが刺激されることが分かっています。
例えば、ゲームの中ではステージが上がっていくに連れて新しい敵が出現したりしますが、クリアするためには新たなワザや他の方法を生み出すために探求心が必要になることもあります。
また、動画では優れている情報がすぐに手に入りますよね。
珍しいものを見たり触れたりすることで好奇心が広がるきっかけにもなります。
知識の幅を広げるための価値のあるツールにもなります。
このように、使い方によってはメリットのあるゲームや動画なのですが、こういった情報から切り離された状態になってしまうと脳へ入っていく情報が減るので、残念ながら脳の成長の伸びは減速してしまうのです。
ゲームや動画は、実は脳の思考系のエリアを刺激し、脳を成長させる手助けをしてくれているのです。
それを全面禁止にした場合、お母さんやお父さんが動画やゲームの内容に代わるくらいの価値のある情報をお子さんへ与える必要があるかもしれません。
◆②記憶系エリアへの刺激
不登校のお子さんがいると学業への遅れについて心配が尽きませんよね。
それに関わってくるのが記憶です。
記憶系のエリアでは「覚えること」と「思い出すこと」を基本に脳が働いているので、この両方を鍛えることによって記憶力は伸びていきます。
記憶系の脳のエリアを鍛えておくと、一度聞いた情報がすーっと頭に入るようになるので知識をどんどん吸収することが可能になります。
また、不登校のお子さんは学校の時間割のように時間管理を求められる生活をしている子は少ないかもしれません。
だからこそ、社会に出るために不可欠な時間管理能力を身に付けておく必要性があるのではないでしょうか。
脳の記憶系のエリアの働きである「覚えること」と「思い出すこと」を鍛えていくことで、脳の中で覚える回路(木の枝のようなもの)と思い出す回路がぐんぐん伸びていきます。
ですので、そこの部分の枝を伸ばしておくことができれば、勉強やスケジュール管理をする能力は自然に身に付いていきます。
覚える働きと思い出す働きの両面が鍛えられると、知識が豊富になり、スケジュールの記憶も頭に入れることができるので、計画的に動いたり、見通しを立てることもできるようになっていきます。
このような心配ごとを安心へと変えることが可能な脳の働きが、記憶力なのです!
生きていく上で身に付けておきたいこの記憶力を、お子さんが喜ぶゲーム・動画によって鍛えることが可能だとしたら、これらのツールを味方にして使わない手はないのでは?と私は思っています。
以上のことから、脳の成長面で考えるとゲームや動画、テレビは否定的なモノではないということが分かりましたよね。
では、実際にはどうやって脳を鍛えていったらいいのでしょう?
4.「〇〇で!」ゲームを楽しむ、ただそれだけ!
それは「親子で!」(お母さんまたはお父さんと)ゲームを楽しむことなんです!
ただし、親は子どもをサポートする意識を少しだけ持って、ゲームと関わってみてください。
子どもは、自分が好きなものを嫌っている人と会話をしたり、ましては約束をするなどしたくありません。
子どもが好きなものに興味を持って近づく、これがとても大切です。
それでは、ワンランク上のゲーム・動画の活用法をご紹介させていただきます!
ゲームでは、コントローラーで指を使うので運動のエリアも鍛えられているのですが、特にテレビや動画は一方的に見るという受け取る情報が多いと思います。
そこで、INPUTした情報の記憶をOUTPUTできるように、お子さんから動画の内容を引き出すことで脳の記憶する力を高めることができるんです。
例えば、
・このステージのどんなところが難しかった?
・このキャラクターのどんなところが好き?
・動画の〇〇は、今日はどんなことをしていたの?印象に残っているシーンを教えて!
など、お子さんに合わせた質問をすることで、脳の記憶力をさらに鍛えることができます!
わが家の不登校の娘は、気づけばスケジュールを自ら立てるようになっていました。
時にはゲームにハマリ過ぎて勉強には全く手をつけない時期や、私から言われて仕方なく勉強をしていた時もありました。
ですが、朝の1、2時間は勉強の時間、昼食後は絵を描く時間、15時から16時までゲームの時間…のようにスケジュール管理を進んでするようになったのです。
娘は二次障害にまで陥っていた時期もあり、私に言われたことでなければ何もできなかった程に判断力も無かったのですが、このように計画を立てる事ができるようになったのは何でだろう?
と、不思議なほどの成長ぶりへの変化の過程の中で私の思いつくことは、どう考えてもゲームや動画のお陰でした!
不登校のお子さんの心配事はつきませんが、親子でゲームを楽しむ時間をこの夏に作ってみてはいかがでしょうか?
ゲームを発達を加速させる材料にする方法をお届けします!
執筆者:おおむらさえ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)