もし、発達障害の子どもがご飯を食べずにお菓子ばかり食べていたら…あなたは子どもに伝わるコミュニケーションをとれますか?親子のコミュニケーションを考えるヒントになる「食育ばあちゃん」の格言から、子どもに理解しやすい声かけを考えてみましょう。 |
【目次】
1.「食育ばあちゃん」とは何者か?
今日は少し話題を変えて、私が衝撃を受けたエピソードをご紹介します。
食べることが苦手な子どもっていますよね。
お菓子は食べるのに、ご飯は食べない。
「え~ご飯の時間~」とグズグズ食卓につく。
私の母は長年「食育一筋」で、保育園の子どもの健康な身体を作ることをライフワークにしています。私は心の中で「食育ばあちゃん」と呼んで、リスペクトしています。
今日はこの食育ばあちゃんと甥っ子とのやりとりで、食育の神髄を感じた言葉をご紹介します。子どもとのコミュニケーションにも置き換えることができますので、ぜひお読みくださいね!
2.実録!発達障害の子どもとのコミュニケーションの参考になる、食育ばあちゃんと甥っ子のやり取り
先日、家族で集まったときのこと。その食育ばあちゃんが、孫(私の甥)に食育指導をしている現場に遭遇しました!
この甥っ子は、知的好奇心が旺盛で、ご飯もきちんと食べる子です。しかし、食育ばあちゃんは、小学校に入学する孫に大切なことを伝えたいと思っていたに違いありません。
そこで、私は甥っ子と食育ばあちゃんのコミュニケーションを通じ、食育ばあちゃんの偉大さを見せつけられることになりました。
食育ばあちゃん(ばあば)は、甥っ子に説きます。
ばあば:「○○くんは、体重はどのくらい?」
甥っ子:「う~ん、20キロくらい?」
ばあば:「産まれたときは、3キロだったんだよ」
甥っ子:「え、そうなの!?」
ばあば: 「どうやってそんなに増えたか分かる?」
甥っ子:「…」
ばあば:「○○くんが、ご飯を食べてきたからだよ。食べたものから骨や筋肉ができて、こんなに大きくなったんだよ」
甥っ子:「何を食べたら大きくなるの?」
ばあば:「いい質問!!大きくなるにはね、『細胞を食べるといいんだよ』」
甥っ子:「細胞って、動物とかってこと?」
ばあば:「よく知ってるね。でも細胞は、動物だけじゃなくて植物にもあるんだよ。生きているものに、細胞があるんだよ。」
甥っ子:「じゃあさ、お米とか、野菜とか、肉とか魚を食べたらいいんだ!」
ばあば:「そうだね!植物や動物は、細胞が集まって生きてるから、その細胞をもらうと大きくなれるんだよ。じゃあ、お菓子には細胞はあるかな?」
甥っ子:「たぶん…ないね」
ばあば:「そうだね。お菓子みたいに細胞が入ってないと体は大きくなっても、病気もするんだよ。 生き物の細胞をもらって食べれば、人間は健康に大きくなれるんだよ。生き物に感謝して、『細胞を、細胞のまま食べなさいね』」
3.親子のコミュニケーションは、子どもの理解できるフレーズが大事!
「細胞を食べなさい」
私は、このたった一言にして、食育の真髄を言い当てたフレーズに、甥っ子以上にズキュン!ときて、自分の食生活を振り返りました。
「よし!細胞、食べよう!」そして食育ばあちゃんに感謝!
ちょっとマニアックな言い回しですが、加工食品の危うさを、小学校1年生の子どもにも端的に理解させることができた格言だと思いました。
親子のコミュニケーションは、子どもの理解できるフレーズを使うことが大切です。
発達障害であってもなくても、あなたの近くのお子さんが 細胞が分かるようになって、「いい食べ物とは何か?」を教えるチャンスが来たときに、そのコミュニケーションの参考になれば幸いです。
執筆者:吉野加容子
(発達科学コミュニケーショントレーナー、学術博士、臨床発達心理士)
(発達科学コミュニケーショントレーナー、学術博士、臨床発達心理士)