学校で出される宿題、やらなきゃいけないと分かっているはずなのにできないこと、ありますよね?特に発達障害の子どもは勉強が苦手な子も多く取りかかるのに時間がかかります。今回はやる気を引き出し宿題に取り組める3ステップ対応法をお伝えします。
【目次】
1.学校の宿題、やらなきゃいけないのにできないのはなぜ?
2.発達障害の子どもが苦手な宿題に取り組めないのには理由があります!
3.子どもが宿題をやる気になるための3つのステップ
ステップ① 子どもの脳に届く声かけをする
ステップ② 最初の1歩のための準備をする
ステップ③ ご褒美を用意する
1. 学校の宿題、やらなきゃいけないのにできないのはなぜ?
2学期も中盤!勉強もますます難しくなってくる時期ですが、皆さんのお子さんは毎日の宿題、きちんと取り組めていますか?
発達障害の子は、宿題はやらなきゃいけないと分かっているのにできない、やる気がでなくて取りかかれないという子は多いかもしれませんね。
宿題しないといけないのに、つい動画を見てしまったり、ゲームに手をのばしたりで気持ちが向かないまま、気がついたら夜寝る時間!
そうなると、ママも「まだ宿題できてないの!」「早くしなさいって言ったでしょ!」と叱ってしまうことはよくある話です。
宿題ができないと、次の日に気まずい思いをするのは子ども自身。
「宿題が終わってないから学校に行きたくない」なんて言われると、いい加減にして!という気分になってしまいますよね。
やらなきゃいけないのにできない!これって、どうしてなんでしょう?
2.発達障害の子どもが苦手な宿題にとり組めないのには理由があります!
宿題ができないのは、やる気の問題でしょ?と思うかもしれません。
けれども、発達障害の子どもが宿題をやらなきゃいけないのにできない、というのには理由があるのです。
そもそも大人だって、やらなきゃいけないことを棚上げしていることはないでしょうか?
後片付けしなきゃとか、あの書類いつまでだったっけ?と面倒なことや苦手なことは、誰でもつい先延ばしにしがちです。
これは、もともと私たちの脳が省エネで働くようにできていることが原因です。
面倒でイヤなこと、難しいと感じること…”やらないで済む”なら、なるべくやらないでいたい!というスイッチが自然と入ってしまうのです。
子どもの脳は大人よりも未熟ですから、やりたくないことを思い切ってエイっと行動するには、大人よりもたくさんの力が必要なのです。
ですから、宿題なんて難しいから嫌い、めんどうだ!と思っている子どもにとって、宿題にとりかかることは大人よりもずっとハードルが高いのです。
さらに発達障害の子どもの中には、落ち着いて集中することが苦手な子がいます。
やらなきゃいけないけど、気分がソワソワして集中できない。
そんなとき、すぐ近くにゲームやスマホがあると誘惑に負けてそちらに気持ちが向いてしまうこともあるでしょう。
すると、宿題はそっちのけになってしまって、気がつくと寝る時間が近づいている・・・ということが起きてしまうのです。
そんな様子についガミガミ言ってしまう、というママの気持ちもよく分かりますが、これはやってはいけないNG対応です!
元々やりたくない、気がすすまない子どもに、「宿題やりなさい!」と叱っていては、余計にやる気は起きてこないのです。
それどころか、もうイヤだ!と逆ギレして癇癪につながってしまうかもしれません。
目先の誘惑に負けて見通しが立てられない子どもは、なぜ宿題をしないといけないのか、宿題をしたらどんないいことがあるのかが分かっていないのです。
ですから、宿題をするメリットが見当たらない中では、気が付くと好きなこと、楽なことだけやってしまうという訳なのです。
3.子どもが宿題をやる気になるための3つのステップ
では、どうすれば子どもが宿題にスムーズに取りかかれるようになるでしょう。
3つのステップに分けてお伝えしますね。
◆ステップ① 子どもの脳に届く声かけをする
まず、子どもに声をかけるときには、一呼吸おいてママがまず、気持ちを落ち着かせて声をかけることが重要です。
これは、話す内容よりも態度や雰囲気の方が伝わりやすいためなんです!
ママがイライラしているとすぐに子どもも「なにか注意される!」と拒否反応がでてしまい、ママの言葉は伝わりません。
なので、必ず上から目線で言うのではなく、子どもが座っているなら、同じように座り、調子を合わせて語りかけてみましょう。
「ねーねーママもさー、やらなきゃいけないことがあるんだよね~。 〇〇くんも宿題あるんだったらさー、一緒にやっちゃわない? 」
などとゆったりした口調で誘ってみてください。
頭ごなしに言われると、意固地になってしまう子どもも、ママが同じ立ち位置から柔らかい雰囲気で話しかけることで、聞く耳を持ちやすくなります。
そして、難しいことも一緒にやるのなら・・・と行動への抵抗感が下がってきます。
◆ステップ② 最初の1歩のための準備をする
皆さんは面倒なことに手をつけるとき、いやいやながらやってみたら意外とスムーズにできたという経験はないでしょうか?
そうなんです!
最初のちょっとした1歩を踏むことがきっかけになると、振りがついて思わずすすめてしまうものなのです。
ですから、子どもが宿題をやるための1歩が進みやすいよう、ノートを出したり鉛筆を削ったりという準備はママがやってしまいましょう。
さらに、ゲームやスマホなどは見えないところに置くといった、気が散らない環境を準備することも大切です。
そして、問題を考えるときに子どもにとって負担が少ない1番簡単な問題からやるようにと誘ってみてください。
ここで簡単な問題が解けたら、勢いがついて次をやってみてもいいかなと思えるはずです。
この時には 「もう1問解いちゃったの!やるわね~」 「やっぱり、ママの子。さすがだわ!」 と褒め言葉をかけてあげると、もっと気持ちものって宿題に取り組む意欲につながります。
◆ステップ③ ご褒美を用意する
たくさん宿題があると、途中で気持ちも途切れてしまうかもしれません。
そうならないために、宿題をやったらこんないいことが待っている!というご褒美を用意しておくことをおすすめします。
「ここまでできたら、ママとアイスを食べよう!」とか
「これやったら、一緒にゲームしよう」 など、子どもの気分が上がるご褒美がいいですね。
子ども自身もあと少し頑張ったら楽しいことが待っている!と宿題をやりきる力がわいてきますよ。
こうして、だらだらせずに宿題にとりくむ経験を繰り返していくうちに、自然と宿題への抵抗感は低くなってきます。
まずは、最初の1歩をどれだけ簡単にするかがポイントです。
ママの関わりで宿題がスムーズに取り組めるよう促してあげてくださいね。
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執筆者:井上喜美子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)