不注意が目立つ発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの子どもたち。テストはケアレスミスで散々な結果。「見直しなさい!」と言い聞かせても全然改善されなくて困っているお母さんは実は多いです。ケアレスミスを減らすお家でできる対応をお伝えします! |
【目次】
1.発達障害ADHDの子どものテストのケアレスミスに悩んでいませんか?
不注意が目立つ注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの子どもたち。授業の内容はわかっているのに、テストのときは、ケアレスミスだらけで散々な結果。
「ちゃんと見直しなさい!」
と子どもにいくら言っても全然改善されない…こんなお悩みをお持ちのお母さんは多いのではないでしょうか。
発達障害ADHDと診断がなくても、注意がそれやすい子どもはテストでケアレスミスをしがちです。
「ケアレスミスはするものだから」「見直しは大事だから」
と言い聞かせると「わかった!」と言うのに、テストや練習問題でもケアレスミスは減らない。
本人は「見直した」とケロッというけど、「こんなの見直したとは言えない!」と怒りたくなることもあると思います。
実は、発達障害・ADHDタイプの注意がそれやすい不注意傾向のある子どもには、「見直しなさい」と言い聞かせるだけでは、効果があまりないのです。
そこで今回は、発達障害・ADHDタイプの子どものテストのケアレスミスを減らすためのテクニックを紹介します。
2.「見直しなさい!」と言ってもうまくいかなかった訳
発達障害・ADHDタイプの不注意傾向のある子どもが、計算問題や漢字書き取りの見直しをしても、間違いを見つけられないことって多いですよね。
それは、発達障害・ADHDタイプの不注意傾向のある子どもは、パパっと見ることができても、ジーっと何かをみることが苦手なことが多いからです。
脳の中の見るエリアには、大きくわけて2つの役割があって、
①目に入ってくるものを受け身の状態で眺めたり見る働き
②自分から見る、注意深く見る、ジーっと観察する働き
②自分から見る、注意深く見る、ジーっと観察する働き
があります。
テストのケアレスミスをチェックするときは、この2つ目のジーっと見る働きを使う必要があります。
ジーっと見るためには、注意力が必要です。
不注意傾向のあるお子さんは、このジーっと注意をして見る力が未熟なのです。
いくらお母さんが「見直しなさい!」といってもなかなかケアレスミスが減らなかったのは、本人が怠けていたり、努力不足のせいではないのです。
では、どう対応したらよいのでしょうか。次に注意して見る力を育て、テストのケアレスミスを減らす対応をお伝えしますね。
3.発達障害・ADHDの子のテストのケアレスミスを防ぐ対応はコレ!
それは、目と手を一緒に使うこと!
テストや課題の問題を読むとき・見直すときは、指差しながら目で追うようにします。指を動かすことで見る場所がはっきりして、目を注意して向けて見続けることができます。
駅のホームで車掌さんが、「前よし!後ろよし!出発シンコー!」と大げさなぐらいに指さしながらやっていますね。そうすることで、きちんと注意を向けて、安全確認ができるようにしているんです。
お子さんにも「電車の車掌さんがやってみるみたいに、この問題!と指をさしながら読んでみよう!」と誘うと喜んでやってくれるかもしれません。
また、学習場面以外の普段の生活の中でもじーっと見る練習をすることができます。
手と目を一緒に使う活動でおススメなのが、スポーツです。例えば、ボールをキャッチするときは、飛んでくるボールを目で見て、それに合わせて手を出してつかみしますね。このとき目と手を一緒に使っているので、ジーっと見る力が育っているんです!
家の中でおススメなのは、掃除です!掃除は、目で汚れを見つけてそこを手を使って掃除する作業です。このときにも目と手を使うのでジーっと見る力がジワーッと育ちます。
まずは、難易度の比較的低い、机の上など平面2Dを拭くことからスタート。最初は難しいようなら、「ここに汚れがあるから何回かゴシゴシしてね」などお母さんが見て汚れの場所を教えてあげましょう。
やろうとしているだけでも「拭こうとしてるんだね!」「拭いているんだね。」上手にふけなくても「ありがとう!」とポジティブな注目をしてあげてくださいね。
お母さんが見てくれているとわかるだけで、子どもは嬉しくなってもっとやってくれます。
自分で汚れを見つけて、きれいに拭けるようになったら三次元の空間、お風呂やトイレ掃除にレベルアップ!
見る角度によって汚れが見えたり見えなかったりする3Dの掃除は、目を色々な位置に動かして注意を払い汚れを探すことになります。そして、手を使ってゴシゴシと磨くので、注意して見る力が育ちます。
このように手と目を一緒に使う活動をすることでADHDタイプの子どもの注視する力を育て、ケアレスミスを改善していけるのです!ぜひ一緒に取り組んでいきましょう!
発達障害・ADHDタイプの子どものテストのケアレスミスの対応策がわかる!!
執筆者:山田ちあき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)