学校に行かない事は受け入れられても勉強をしない事を受け入れられず焦っていませんか?無理矢理やらせるのでは子どもがやる気をなくしてしまいます。苦手な事や嫌いな事はさせずに、子どもにあった段階を知って楽しくできる事から始めてみませんか?
【目次】
1.完璧主義で読み書き大嫌い!ドリルの答えを書くのが苦痛な息子
2.なぜ計算は好きなのにドリルはやってくれないのか?
3.嫌いな事、できない事はスルーしてOK。課題を分解してできる事からはじめてみよう
①得意な活動の中の苦手はスルー
②課題を分解して子どもにあったレベルを見極める
4.たくさんのはなまるがモチベーション。惜しみなくはなまるつけよう
1.完璧主義で読み書き大嫌い!ドリルの答えを書くのが苦痛な息子
学校に行かない事は受け入れられても、勉強をしない事を受け入れられないママは多いと思います。
学校に行かずYouTubeやゲーム三昧、始めの頃は何とか頑張っていたドリルやプリントも取り組まなくなってくるとどうやって勉強させよう、このままずっと勉強しなかったらどうなってしまうんだろうと焦ってきてしまいますよね。
我が家にはYouTube大好きな小学1年生の男の子がいます。
給食が始まり、学校の滞在時間が長くなった頃から学校へ足が向かなくなり6月から不登校となりました。
始めの頃は家で宿題のプリントや通信学習教材に取り組んでいたのですが、それをやるのも苦痛になり、YouTubeにどんどん逃げていきました。
興味を示していた絵本も私が絵本を広げようとするだけで、絵本を取り上げ投げつけるほど勉強を嫌うようになったのです。
完璧主義な息子は
・下書きどおりになぞれないのが嫌
・枠からはみ出すのが嫌
・間違っているのが嫌だから音読をしない
と読み書きに対して大きな苦手意識を持っていました。
ドリルを広げたり絵本を広げるとひどく拒否をするけれど、数字に関することには積極的でした。
「〇+〇は何?」と私に問題を出してきたり、私が出す問題に回答をしたり、車のナンバー当てをしたり数に関する遊びも好きでした。
ドリルはやってくれないのに、口頭で出した問題は喜んで応えてくれるというところに疑問を感じていました。
2.どうして計算は好きなのにドリルはやってくれないのか?
数を数えたり計算をすることは楽しい!だけど問題を読むこと、答えを書くことが高いハードルとなってドリルをやる事が苦痛だったのです。
脳には行動を起こすときに一番負荷がかかると言われています。
苦手なこと、やりたくないことを始めることはまだ発達が未熟な脳を持つ子どもにとっては苦痛でしかありません。
苦手な事に取り組むときにかかる脳への負担を減らすには、苦手な事は敢えてスルーして好きな事、得意な事を利用すると楽しく取り組むことができます。
そして、楽しいことを通して成功体験を積ませ抵抗感をなくすと苦手を克服していくことが出来ます。
成功体験を積ませるには子どものできることを見つけて、その子にあったハードルの高さを見極めることが大切です。
次項では苦手を得意で克服する方法、子どもに合ったハードルの見極め方について詳しく解説していきます。
3.嫌いな事、できない事はスルーしてOK。課題を分解してできる事からはじめてみよう
得意を使って苦手を克服するには次の2つのポイントを押さえておくと負担なく始められます。
◆①得意な活動の中の苦手はスルー
苦手な事、やりたくない事はやる前から脳にブレーキがかかってしまいます。
ですが、楽しい事、得意な活動には積極的に取り組んでくれますよね?
発達科学コミュニケーションでは苦手な事、嫌いな事はスルーして得意な事、好きな事を利用して楽しく苦手を克服しようという考え方があります。
例えば、
・歯医者に行こうと言って誘っても外出してくれないけど、ドーナツ食べに行こうと誘うと喜んで外出してくれる
・不器用さんではさみが上手に使えなくて工作は嫌がるけど、おやつを食べたいからはさみを使ってお菓子の袋を開ける
といった具合です。
今回、子どもがドリルをやるという課題に対して苦手な「読み書き」はスルー、子どもの「算数が好き」という点にだけ注目をしました。
◆②課題を分解して子どもにあったレベルを見極める
好きな事でも難しいと感じたり失敗をするのでは取り組みたくないし、やっていてもやりたくなくなってしまいます。
「できた!」という成功体験を積ませることでまたその行動をするのが楽しいと思うことが大切です。
成功体験を積ませるには子どもの目線に立ってハードルの高さを調整してあげる事が必要です。
子どもにあったハードルの高さを見極めるために、取り組む課題の分解をします。
そこで子どもがじっと座っていてくれるおやつの時間と読み書きが苦手という点に着目をして、ドリルをするという課題を3つの段階に分解してみました。
ダイニングテーブルでおやつを食べながら、
レベル1.ママが問題を読んでママが答えを書く
レベル2.ママが問題を読んで自分で答えを書く
レベル3.自分で問題を読んで自分で答えを書く
分解することでママが子どもにできる事がハッキリと見えてきます。
息子の場合、勉強習慣が全くなく読み書きを嫌うので「レベル1」から始める事にしました。
4.たくさんのはなまるがモチベーション。惜しみなくはなまるつけよう
ゲームの最中に自分で計算問題を作って答えを出していた日を狙って「計算好きだね」と声を掛けました。
ゲーム終了後、ルーティンのおやつタイムに「問題出すから答えを言ってね。答えはママが書くね」と事前にドリルを見て息子ならできると思う内容のドリルを出してみました。
すると何の抵抗もなくおやつを食べながら答えを言い出しました。
「お!正解」「計算できたね」「指を使ってできたね」「計算早いね」と答えを言うたびに声を掛けをし、1ページ終わるごとに1問ずつはなまるを付けていきました。
あっという間に2ページ分の問題を解いてしまいました。
あるページで数と絵を線で結ぶ問題が出たところで、息子が自分で鉛筆を持って線を描き始めました。
それに続いて数を数え、数字を書き込む問題では自分で答えを書き始めたのです!
「大きくかけたね」「枠の中に書けたね」「真ん中に書けたね」と出来たことを声掛けし1つ1つはなまるを付けました。
子どもが「やめる」と言うまでその日は5ページ一気に進みました。気をよくした息子はその後、数日続けてドリルをしました。
日によって進み具合は異なります。やる日もあるしやらない日もあります。
でも勉強をしたくないわけではなく、苦手な事をしたくないだけで子どもにあった内容にすれば取り組めることが分かりました。
いかがでしたか?
ママが子どもに取り組ませたい課題は子どもが飛び越えられるハードルの高さになっていますか?
嫌がったり続かない場合はハードルの高さが子どもに合っていない場合があります。 課題を分解して子どもにあったところから始めてみてください。
得意を伸ばして苦手を克服した子どもたちの記録まだまだあります。
執筆者:福原かおり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)