不登校の小学生を持つお母さん、子どもをどうやって勉強させていけばいいか頭を抱えていませんか。実は不登校の小学生に大切なのは「勉強」ではなく「運動」だったのです。家にいる時間が長い不登校の小学生に運動習慣をつける方法についてお届けします。
【目次】
1.小学3年生の冬、息子が急に不登校になりました
2.学校に行かない最大のデメリット
3.トイレと食事以外動かない生活
4.少しずつ体を動かしていくようにした
1.小学3年生の冬、息子が急に不登校になりました
現在小学5年生の息子。
2年前、忘れもしない1月下旬の朝でした。戦争のニュースが大きな話題となっているなか、家族のなにげない言葉に過敏に反応した息子は「なんで大人はみんなそうなんだ!学校に行かない!」と泣き出しました。
そして学校に行かない生活がはじまりました。息子は好きなゲームや動画視聴で過ごすようになりました。私自身も、息子のパワーが充電されるなら、と思い見守ることにしていました。
ただ、やっぱり勉強してほしくて、通信教育に申し込んだり塾を探してみたり、オンラインでできる学習を検索したりしていました。
しかし、そんな生活が1ヶ月ほど続くと、息子の顔色が悪くなってきました。体も以前にも増して痩せて見えてきたのです。息子を観察すると、毎日同じ行動しかしていませんでしたし、話すこともゲームのことだけ。
好きなことをやっているのに、不健康になっている!今だけじゃなくて、将来にも影響が出てくるかも…と感じました。
2.学校に行かない最大のデメリット
お子さんは同じ学年の子どもと比べて活動量はいかがでしょうか。学校に行かないことの最大のデメリットは勉強ではなく「活動量が少ないこと」です。
活動量が少ない人の脳は、使われないエリアから眠ってしまいます。脳は、働きによって8つのエリアに分かれていますが、どこかのエリアが眠りについてしまえば、できることが減り、動けなくなります。
同じことしかやらなくなったり偏った考え、言動になったりするのです。
体を動かすと、心拍数や血液の流れが増え、脳に酸素や栄養が効率的に供給されます。すると、脳の働きが活発になり、学びや記憶、問題解決などの能力が向上するのです。
脳を眠らせないためにも体を動かして活動することが大切です。
学校に通えている子どもは、登下校、体育の授業、休み時間、教室の移動などで体を動かす場面があります。しかし、不登校のお子さんの場合はそうはいきませんよね。
しかし、子どもの頃の運動習慣が大人になってから影響を及ぼす研究もあります。体をたくさん動かす機会がある小学生が不登校になることで、体を動かさない生活を続ければ、将来の健康に影響が出る可能性があるのです。
まずは、勉強よりも健康を第一に考えたいですね。
3.トイレと食事以外動かない生活
息子は日に日に顔色が悪くなり、体も一段と痩せて見えました。
私や家族と息子との関係は落ち着いていましたが、学校にはほとんど行かず、トイレと食事以外は座ってゲームをしたり動画を見たりする生活スタイルでした。ダラダラして動かない生活だったのです。
息子に歩数計を持たせてみたところ、家で過ごす日は4,000歩程度でした。
東京都教育委員会(2012)が実施した平成 23 年度東京都児童・生徒の日常生活活動に 関する調査によると、東京都の児童・生徒の 1日の平均歩数は、小学生で約 11,000 歩/ 日だそうです。
これでも、年々子どもの歩数が少ないくなっていることが問題視されているのです。
歩くという行為は体力だけでなく、小学生の不登校の子が健康な日常生活を送るためにも欠かせないものです。息子の4,000歩は、とても大きな問題だと感じました。
4.少しずつ体を動かしていくようにした
息子のように動く習慣がない子に、急に激しい運動をさせても逆効果です。体を動かすことが嫌いになってしまう可能性が高くなります。大切なのは「楽しさ」なのです!
私はまず、息子に10秒の日光浴をすすめました。ゲームや動画から離れようとしない息子でしたが、10秒という時間には耐えてくれました。
最初の数日は玄関から出て、10秒数えて家の中に入るという形でしたが、次第に「今日はキックボードやろうかな」と自ら外で過ごす時間をつくるようになったのです。
そして息子から聞かれた言葉は「気持ちよかったな~」でした。
休日は、体を動かせるよう自然のある場所へ家族で積極的に出かけました。散策できるような公園へ行ったり軽い山登りをして滝を見に行ったり、ハイキングイベントに参加したり…。
こちらも最初は嫌々な部分もありますが、だんだんと夢中になり、楽しくなると自分のペースでどんどん前へ進み始めたのです。私が追いつけないほど、驚くほどの軽い身のこなしでした。
積極的に体を動かすようにした2ヶ月後、給食の献立を見ながら「この日学校行こうと思う!」と自分で決めて動き出したのです。本当に、その言葉どおり、給食に登校しました。
1年たった今でも給食からの登校を継続し、行事にはすべて参加できています。自分のペースで学校との関りを作れるようになったのです。
このように、気持ちへのアプローチではなく、体へのアプローチをしたことで、小学生で不登校になっていた息子は一歩前へ進むことができました。ポイントは、子どもだけではなく私や家族も一緒に楽しんで取り組んだことです。
お母さんのなかには「面倒くさい」「体動かすことが嫌いだから」という気持ちがある方もいると思いますが、お子さんと一緒に成長できるチャンスだと思ってぜひ一緒に体を動かしましょう!
親子で運動習慣を身につける方法をお伝えしています!
執筆者:小玉美春
(発達科学コミュニケーションクリエイター)