「家でだけ癇癪がひどい…」と悩むママへ。6歳の子の“泣き叫び”には理由があります。今日からできる共感の声かけと絵本の力で、癇癪を言葉で伝える力に変えていきましょう。
1.6歳の癇癪が家だけでひどいのはなぜ?外ではいい子なのに爆発する理由
2.6歳の子が癇癪を起こす原因3つ|気持ちをコントロールできない年齢
①思い通りにならずイライラして爆発してしまう
②不安や不快な気持ちを言葉にできない
③家は安心できる場所だから気持ちが出やすい
3.「癇癪」を「気持ちを伝える力」に変える!共感で落ち着ける対応法
①絵本をつかって感情を言葉にする練習ができる
②癇癪を起こしていない時間を楽しく過ごすことがポイント
監修者:吉野加容子
発達科学コミュニケーション創始者/パステル総研主宰/発達科学ラボ代表
脳科学をベースに、発達障害・発達グレーゾーンの子どもの発達支援を専門とする。広島大学教育学部卒業後、東京学芸大学大学院修士課程、慶應義塾大学大学院博士課程で学び、民間企業での脳科学研究、医療機関での発達支援、大学での教育に従事。
15年以上にわたり発達に悩む親子と向き合う中で、「子どもの発達を本当に伸ばすのは、家庭での365日の関わりである」という結論にたどり着く。
病院や学校だけでは支援が届きにくい発達グレーゾーンの子どもたちに対して、家庭で再現できる支援を確立するため、脳科学・教育学・心理学を融合した独自メソッド「発達科学コミュニケーション」を開発。
これまでに数多くの親子の変化を生み出し、“ママが変われば子どもが変わる”という発達支援の新しい当たり前を広げている。
著書に『発達障害とグレーゾーン 子どもの未来を変えるお母さんの教室』『脳を育てる親の話し方』『脳が喜ぶ子育て』など。
1.6歳の癇癪が家だけでひどいのはなぜ?外ではいい子なのに爆発する理由
子どもが家の中だけで癪癪を起こす原因は、ママの子育てのやり方ではなく、まだ言葉の力が発展途上であるということです。
外ではうまくやれているのに、家の中では些細なことでひどい癇癪を起こす6歳の子どもにどう対応していいのかわからなくて「私、子育て向いてないのかな…」と自信を失っているママはいませんか?
ですが、大丈夫!子どもに自分の気もちを言葉で伝える力がついてくれば癇癪は徐々に収まってきます。
この記事を書きながら、6歳だった頃の息子の姿を思い出しました。床に寝転がって、イカみたいに手足をバタバタさせながら泣き叫ぶ息子。
「もう6歳なのに、どうしてこんなに癇癪がひどいんだろう…」
「私の育て方が悪かったのかな」
「小学校に入っても大丈夫なのかな」
そんな不安でいっぱいでした。先生には「学校では頑張っていますよ」と言われ、周りからは「気にしすぎじゃない?」と言われることもありました。
でも、家で毎日向き合っている私には、この大変さをうまく言葉にできず、「この苦しさは私にしかわからない」と感じていたんです。
だからもし今、6歳のお子さんの癇癪に悩みながらこの記事を読んでいるなら、まず伝えたいことがあります。それは、「うちだけじゃない」ということ。そして、「このままではない」ということです。
息子は中学生になった今、自分の気持ちを以前より言葉で伝えられるようになりました。もちろん、一晩で変わったわけではありません。
私自身も、怒鳴ってしまったり、正論で何とかしようとしてうまくいかなかったり、たくさん遠回りをしました。
だけど、子どもの脳の発達を知り、関わり方を少しずつ変えていく中で、親子の毎日は少しずつ変わっていったのです。
「あのときの私が、もっと早く知っていたら…」そう思う関わり方があります。
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2.6歳の子どもが癇癪を起こす本当の原因とは?
6歳の子どもが癇癪を起こすのは、自分の内側で暴れる感情をうまく言葉にできないからです。
家の中でだけ癇癪を起こすのはお子さんにとってお母さんが甘えられる存在であり、お母さんから嫌われない自信があるからです。
つまりお母さんがお子さんの安心できる場所になれてる証拠でもあるので「私の子育てが悪い」とご自身を責めるのをまずやめましょう。
6歳の子どもが癇癪を起こしやすい3つの状況を詳しくご説明します。
◆①思い通りにならない苛立ちを言葉にできない
6歳という幼児期後半になると自己主張が強いお子さんも出てきます。
そのため思い通りにならない時に、もどかしい感情やイライラする気持ちをどうすればよいのか分からず、泣き叫んだり怒って叩いたりしてしまうのです。
例えば次のような場面です。
・まだ遊びたかったのに他の行動に切り替えなければいけない時
・一生懸命話しているのに自分の意図が伝わっていない時
・やり方が分かっているのにうまくできない時
自己主張が強いというのは自立心が育ち何でも自分でやりたがるようになってきている成長の証です。
まだきもちを言葉にする力が未熟なため癇癪になっているので、自分のきもちを言葉で伝えられるようになれば癇癪しなくてよくなります。
◆②不快な気もちを言葉にできない
子どもはなにか不快なきもちを感じているのに、その気持ちを言葉と結びつけることができない時も癇癪を起こしてしまいます。
例えば次ような場面です。
・眠いときや体調が悪い時
・トイレに行きたい時
・たくさん褒められて見つめられた時
上のような場面で癇癪を起こしている時、子どもは本当はこんなきもちがあるのです。
・なんだか体がだるくていつもと調子が違うのが不安
・もう我慢できないけどひとりでトイレに行くのが怖い
・褒められて恥ずかしくて困っている
こんな風に不快を感じる理由を言葉にできたら伝わるのですが、それがうまく言えないのですね。
実際に感じていることを伝えられなくて、お母さんも分かってくれなくて、もうどうしたらいいかわからなくて、癇癪になってしまうということです。
ちなみに、感情をコントロールしている脳の前頭前野という部分は10代以降に発達のピークを迎えます。
そのため幼児期に感情をコントロールできず、衝動的な感情の爆発=癇癪が起こってしまうのは発達の段階で自然なことです。
ですから「癇癪をやめさせなければ」と焦るのではなく、「気持ちを言葉にする力を伸ばそう」と前向きに取り組んでいきましょう。
◆③家は“安心できる場所”だからこそ気持ちが出やすい
外では頑張って我慢している子どもたち。園や学校では、まわりの目を気にしたり、ルールを守ろうとしたり、本人なりに気を張って過ごしています。
だからこそ、家に帰ると緊張の糸が切れ、その日の疲れや不満が一気にあふれ出してしまうのです。
癇癪が家だけで出るのは、「ここなら泣いても怒っても、ママは受け止めてくれる」という安心感の裏返し。
子どもは大好きなママになら、 ・弱いところ ・幼い部分 ・我慢してきた気持ち 全部見せてもいいと知っているのです。
「外では頑張っていたんだね」と受け止めてあげることが、子どもの自己肯定感を育て、少しずつ癇癪が言葉に変わっていく第一歩になります。
最後に具体的な方法をお伝えしますね!
3.「癇癪」を「気持ちを伝える力」に変える!共感で落ち着ける対応法
◆①絵本をつかって感情を言葉にする練習ができる
6歳の子どもにとって、自分のきもちを言葉で表現するのは簡単ではありません。だからこそ、親のサポートが必要です。
ここでは、わが家で効果のあった「絵本の読み聞かせ」を使った感情表現の方法をご紹介します。
◎やり方のポイント
絵本を読み聞かせた後、子どもと「登場人物の気持ち」について会話をします。
まずは、ママが感じたことを言葉にして伝えます。
「この子、ミッションが成功して嬉しそうな顔をしているね」
「なんでいじわるしちゃったんだろうね?恥ずかしかったのかな?お母さんそのきもち、ちょっとわかるなぁ」
そして、お子さんにも聞いてみます。
「お母さんは、あおむしが大きくなったところがびっくりだったな〜。○○くんはどうだった?」
最初は「わからない」「お母さんと同じ」ばかりでも大丈夫。
どんな答えでも「そっか〜、そう思ったんだね」「教えてくれて嬉しいよ」と共感して受け止めてあげましょう。
我が家の息子も最初はうまく話せませんでしたが、根気よく認め続けていくうちに…
「お母さん、なんでかえるくんとがまくんは悲しいきもちだったのかな?」
と、自分からきもちの会話を始めてくれるようになったのです!
子どもが自分の言葉をママに受け止めてもらうことで、「自分のきもちが伝わった!」という実感が生まれ、自信につながります。
そしてその自信が、実生活の中でも「きもちを言葉で伝える力」となって癇癪の回数が減っていったのです。
わが家では『ティラノサウルスシリーズ』や『がまん名人』が特に効果的でした。
ティラノサウルスシリーズでは、息子は恐竜が大好きだったこともあり、強くて怖い存在にも“悲しみや優しさ”があることが描かれていて、感情の幅を学ぶのにとてもよかったです。
『がまん名人』は、我慢したくないきもちや葛藤を描いていて、「ボクもこんなきもちになる」と息子が共感しやすかった一冊でした。
◆②癇癪を起こしていない時間を楽しく過ごすことがポイント
絵本の読み聞かせをするタイミングも大切です。癇癪を起こしているときには、絵本どころではありません。
大事なのは、落ち着いている時間にこそ「楽しい時間」「感情の会話の時間」を積み重ねることです。
ママとの楽しい会話の記憶は、子どもの脳にポジティブな記憶として蓄積されていきます。
そのポジティブな経験は、「またママと楽しく話したい」「ちゃんと聞いてくれるからきもちを言ってみようかな」という意欲や安心感に変わっていきます。
癇癪が起きていない時間に、絵本を使って楽しくきもちのやりとりをすることで、親子の関係はより安心できるものになり、癇癪も少しずつ減っていきますよ。
絵本+共感の声かけは、「きもちを伝える力」をゆっくり育てていく時間。
感情の会話が自然とできるようになれば、子どもは癇癪ではなく“ことば”で伝えるようになっていきます。
あなたも、子どもとの絵本時間から「きもちを伝える力」を育てて、少しずつ穏やかな日常を取り戻していきませんか?
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家だけ癇癪をおこす6歳の子どもによくある質問(FAQ)
Q1. 外ではいい子なのに、家だけで癇癪を起こすのはなぜですか?
A. 家は子どもにとって“安心できる場所”だからこそ、外で我慢してきた気持ちを出しやすくなります。園や学校では緊張して頑張っている分、家では「本当の気持ちを受け止めてほしい」というサインとして癇癪が出ることがあります。「家では安心して甘えられている証拠なんだな」と捉え、まずは気持ちを受け止めてあげることが大切です。
Q2. 絵本を使って感情を伝える力を育てるって、具体的にどうすればいいですか?
A. 読み聞かせをした後に、登場人物の気持ちを一緒に考える声かけが効果的です。
たとえば「この子はどうして泣いていると思う?」「○○ちゃんだったらどう感じる?」と問いかけ、子どもが自分の言葉で答えたら「そう思ったんだね」と受け止めます。絵本の世界をきっかけに、“気持ちを言葉にする練習”を遊び感覚で積み重ねていくことで、日常でも感情を表現しやすくなります。
Q3. 癇癪が落ち着いていない時間でも親としてできるサポートはありますか?
A. もちろんあります。癇癪が起きていない時こそ、心を満たすチャンスです。
「今日は楽しかったね」「○○ができたね」と肯定的な会話を増やしたり、
一緒に絵本を読む・スキンシップをとるなど、安心できる時間を積み重ねましょう。
落ち着いている時に“感情の言葉”を学ぶことで、少しずつ自分で気持ちを表現できるようになっていきます。
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執筆者:いぐち ゆか
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)