小学生になると自然と友達ができると思っていたのに、発達障害グレーゾーンの子どもに友達ができない!と心配な方はいませんか?発達障害グレーゾーンの子どもが社会性が乏しく人との関わりが苦手でありながら、仲間と遊べるようになった方法をお伝えします。
【目次】
1.子どもに「友達ができない」と心配していませんか?
2.発達障害グレーゾーンの子どもに友達ができにくい理由
①人との関わり方が苦手
②コミュニケーションが苦手
③想像力が乏しい
④友達の動きについていけない
3.発達障害グレーゾーンの子どもが友達を作るサポート方法
①学童の父兄参観日に、親が毎月参加して一緒に遊ぶ
②親が友達に関心を向け、コミュニケーションのきっかけを作る
1.子どもに「友達ができない」と心配していませんか?
我が家の息子は小学3年生。発達障害自閉症スペクトラム(ASD)グレーゾーンの傾向があります。
息子は保育園の頃からいつも一人で遊んでいました。
しかし成長と共に「誰も自分と遊んでくれない」と言うようになってきました。
先生に相談しましたが、「一人で遊んでいるけど、寂しいとか感じているとは思えません」と言われていました。
一人っ子のため一人遊びが上手で、また好きなことに没頭する特性もあることから、先生の目には友達関係で悩んでいる様ようには見えなかったようです。
小学校に入学してからも、休み時間も学童も、一人で読書をして過ごすことが多かったようです。
そんな息子でしたが、小学2年生の秋頃から仲間の輪に入って遊べるようになりました。
発達障害ASDグレーゾーンの子どもに友達ができにくい理由を紐解きながら、どうやって友達を作ることができたのかご紹介します。
2.発達障害グレーゾーンの子に友達ができない理由
発達障害・グレーゾーンの特性は様々です。
ひとつひとつ見ていきましょう。
◆①人との関わり方が苦手
相手の気持ちや状況を考えないで、マイペースに行動してしまうため、「社会性がない」と言われてしまうことがあります。
遊びの中でも、飽きたり、興味がなかったりすると、途中で勝手に遊びから抜けてしまったり、自分が決めたルールを友達に強要してしまうなど、「自分勝手」「わがまま」と思われることがあります。
◆②コミュニケーションが苦手
発達障害自閉症タイプの子どもの中には、言葉の発達が早い子と遅い子がいます。
言葉の発達が早い子は、自分の言いたいことだけを一方的に話してしまう、思いついたことをそのまますぐに口に出してしまう(空気がよめない)
こんな傾向があります。
また、難しい言葉や漢字表現や大人びた言い方をして場にそぐわない話し方をしてしまうこともあります。
さらに、皮肉がわかりにくく友達からの皮肉を受け止められず、傷ついてしまうこともあります。
言葉の発達が遅い子は、会話がコロコロ変わるのについていけず、1人困りながらもその場にいて、実は苦しんでいるということもあります。
◆③想像力が乏しい・こだわりがある
想像力が乏しいので、友達の表情から気持ちを読み取ることや、場の雰囲気を察することが苦手です。
また、言われたことを表面的に受け取りやすく、言葉の裏の意味を理解しにくい傾向もあります。
こだわりがある子は、自分のルールを友達にも押し付けてしまうので、遊びが成立しにくいこともあります。
◆④友達の動きについていけない
発達障害・グレーゾーンには、発達性協調運動障害(DCD)の傾向を併発していることが多くあります。
そのために素早い動きや滑らかな動き、右手と左手、上半身と下半身が違う動きをすることや、目と手足を協調させて動かすことが苦手なんです。
そのため体の動きが不器用になることが多く見られます。
これは生まれついての脳の特性なので、本人の努力が足りないとか、育て方が悪いとかいうことではありません。
息子の場合、どのタイプにも当てはまるところがあります。
きっと定型発達の子どもでも、社会性が未熟な小学生はみんな大なり小なり同じような困りごとがあるはずです。
発達障害、自閉症タイプの子どもの場合は特に、社会性や協調性を発揮する脳の発達が遅れることが多いので、子どもの頃は同年齢の子よりも、人間関係を築くのが少し出遅れてしまうかもしれません。
しかし、息子は人が好きで「一緒に遊びたい」という気持ちを抱いているのは確かです。
脳が発達し、きっかけがあれば、きっと一緒に遊べるようになるだろうと信じていました。
そこで、私は2つのことをしました。
3、発達障害グレーゾーンの子どもが友達を作るサポート方法
◆①親子で友達と遊ぶ
息子が利用している学童で、ある時から毎月1回父兄参観日が始まりました。
私はそれに毎月参加することにしました。
ある時は鬼ごっこ、かくれんぼなど、子供達と校庭を走り回りました。
普段は学童でも一人でマンガを読んでばかりいる息子が、「鬼ごっこしてるよ〜」「◯◯君どこにいるのかな〜」と私に声をかけられることで、外遊びに加わるようになってきました。
また私は、息子も大好きで、今子ども達に人気のポケモンカードゲーム(以下ポケカ)にも参加しました。
ルールを学童の子ども達が教えてくれたり、対戦したりすることで、私もポケカの面白さを知り、興味を持つことができました。
そしてポケカを通して、親子で他の子ども達と楽しむことができるようになりました。
◆②親が友達に関心を向け、肯定する
学童で時折りあるお出かけイベントにも積極的に参加し、動物園や海へ一緒に出かけました。
移動バスの中で、私は息子の同級生達に発コミュしたんです。
普段息子をからかうような子もいましたが、色んな子に関心を向けて声をかけました。
その中で、「一人っ子なんだね、息子と一緒だね。」「引っ越してきたんだね、息子も年中の時に引っ越してきたんだよ。」と息子との共通点を見付け、息子と共感することで心理的な距離を縮めるようにしました。
また共通点がなくても、「きょうだいのお世話して、エラいね~」「週3回も習い事してるの!頑張ってるね~」と褒めることで、息子も一緒に関心を示す声かけができました。
このことは、その後私がいない場面でも、息子がお友達に話しかけるきかっけを掴めるように、という想いもあってのことでした。
このようなきっかけ作りを手伝ったことで、本当は友達と遊びたい気持ちがあるのに、仲間の輪への入り方が分からなかった息子は、その後自分から入っていけるようになりました。
今では学童では友達とチャンバラ、バトル、かくれんぼ、ポケカ等で遊べるようになりました。
友達と遊ぶのが少し疲れたら、好きな本やマンガを読む、というペースがとても居心地が良いようです。
その学童の友達と、学校の休み時間にも楽しくおしゃべりできるようになっています。
本来なら、子ども同士のことにはあまり口出ししない方がいいのでしょうが、発達障害グレーゾーン傾向のある子どもの場合は、親の直接的な介入も時に必要なことがあります。
私が学童でよそのお子さんと遊ぶようになったのは、母親と仲良くなっていれば、その子をからかうような気持ちも起きにくくなる、と考えてのことでした。
今後も家では子どもの脳を伸ばしながら、外では必要に応じて、豊かな人間関係を築くサポートをしていきたいです。
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執筆者:長野愛
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)