思わずうんざりしてしまう兄弟喧嘩。しかも、外出先で手が出る兄弟喧嘩に発展したらママやパパも疲れ果ててしまいますよね。「やめなさい!」と言っても逆効果!親の対応をかえて怒らずに褒めるだけで、喧嘩ばかりの兄弟が仲良くなっていきますよ。
【目次】
1.なぜADHD小学生男子の兄弟喧嘩は手が出るのか?
2.外出先でも手が出る兄弟喧嘩にイライラしていました!
3.手が出る兄弟喧嘩が激減して仲良くなる親の対応
1.なぜADHD小学生男子の兄弟喧嘩は手が出るのか?
兄弟仲良く遊んでいたのに、ちょっとしたことから言い争いが始まりさらにエスカレートして 、蹴りやパンチなど手が出る兄弟喧嘩に発展していることはありませんか?
子どもを叱らずに過ごしたいと思っていても、1日に何度も兄弟喧嘩ばかりされたら、さすがにうんざりしてしまいますよね?
実は手が出る行為は衝動性が原因にあります。
衝動性が強い子どもは、感情コントロールが苦手で自制心が低いため、思いついたことをすぐに行動に移してしまうのです。
特に発達障害・注意欠陥多動障害(ADHD)の子どもは特性から衝動性が強く、すぐ叩いたり蹴ったりする行動を起こしやすいです。
また発達障害・ADHDの小学生は不安感が強く、過去のネガティブな出来事を嫌な感情としてずっと引きずっています。
そして、嫌なことをされないように自分の身を守ろうとし、とっさに手が出てしまうのです。
たとえば、一度喧嘩したお友達を見ると、そのときのネガティブ感情が蘇って、顔を合わせれば口論や喧嘩ばかりを繰り返してしまうケースもあります。
毎日顔を合わせる兄弟となれば、なおさら手が出る兄弟喧嘩が繰り返されるわけですね!
2.外出先でも手が出る兄弟喧嘩にイライラしていました!
私にはADHD傾向の長男と5歳年が離れた次男がいます。
次男が幼少のころは、自己主張が強いワガママな長男のいうことを素直に聞いてくれていたので、それほど兄弟喧嘩は目立ちませんでした。
しかし次男が小学生になると「お兄ちゃんばかりずるい!」と負けず嫌いになり、長男のワガママを受け入れることができず言い合いから手が出る兄弟喧嘩へ発展していました。
最初は仲良く遊んでいても、突然長男が「このキャラクターは俺のもの。お前のは(次男)ダサい!」とからかい半分に茶化すのです。
頭にきた次男は負けずに応戦し、最終的には体格差があるので、次男から「ママ助けて!」とSOSがかかり、私は長男に「やめなさい」と𠮟りつけていました。
長男は反省するどころか「うるせー」と反抗的な態度をとるようになり、次男だけでなく私にも手を出してくるようになってしまいました。
振り返ると兄弟喧嘩で叱られるのはいつも長男ばかりでした。長男自身も体格差があるのは知っていて、加減しながら対応していたのです。
しかし、私は次男の肩ばかり持っていたので、喧嘩がなくなるどころかヒートアップしていく一方なんですね。
さらに最悪なのは車内や旅先での兄弟喧嘩です。楽しいはずの旅行が後部座席に座っている子どもたちの兄弟喧嘩が始まり一気に最悪の雰囲気になってしまいます。
観光先でも手が出る喧嘩に発展したこともあります。「いいかげんにしなさい!」「もう連れてこないよ!」と大人はイライラして注意していました。
挙句の果てに長男本人も「俺がいると喧嘩になるから、もう旅行は行かなくていいよ。」と言い出すようになってしまいました。
子連れの旅行はいつまでもできるわけではありません。子どもは親離れてしまうので親子で一緒に旅行できる期間は短いのです。
せっかくの旅行ですから、兄弟喧嘩なくママやパパも楽しい旅行にしたいですよね⁉
では、手が出る兄弟喧嘩をなくすにはどうしたらいいのでしょうか?
3.手が出る兄弟喧嘩が激減して仲良くなる親の対応
発達科学コミュニケーションを学び始めた私は、兄弟喧嘩には予防が大切であるということを知りました。
兄弟喧嘩の最中に親がいくら「やめなさい!」と叱っても効果はないのです。
ではどうするかというと…なにもない仲良く遊んでいるときにこそ“褒める”ということが兄弟喧嘩の予防となります。
なぜならADHDの小学生は、発達の特性から怒られてばかりでネガティブ感情を抱えやすいので、肯定してポジティブ感情になるように成功体験を積むことが自己効力感につながるからです。
例えば兄弟仲良くYouTubeを一緒にみていたら、
「仲良く遊んでいて、お母さんうれしいな。」
「二人とも楽しそうだね!兄弟っていいね!」
「二人ともいい子だね。優しいね!」
と褒めて認めるのです。
兄弟喧嘩の対策としてこちらの記事もよかったら参考にしてみてくださいね。
そして褒められることがご褒美になっていき、次第に喧嘩は減り、喧嘩をしても、「俺も悪かったごめん。だけど、(弟)も謝ってよ。」とすぐに仲直りができるようになりました。
また、YouTubeやゲームなどで邪魔をされたくないときは、お互いに別室で過ごすようになりグッと兄弟喧嘩は減りました。
移動中の車内では、助手席に長男を座らせ次男との距離をとり、しりとりやクイズをして過ごすことで喧嘩がなくなりました。
それから観光する際も、雲行きが怪しくなりそうだと感じたら2チームに分かれて(長男と次男を離れさせて)行動するようにしました。
ついに、去年の夏休みは手が出る喧嘩に発展することなく家族で旅行を楽しむことができました!
さらに熱中症で歩けなくなってしまった次男を長男がホテルまでおんぶしてくれるほど優しい一面をみることもできたのです。
そして、「お兄ちゃんなんか大嫌い!」と言っていた次男が、ある日祖母が長男のことを悪くいうと「たった一人のぼくの大切なお兄ちゃんなんだから!」と長男の味方につく姿もありました。
兄弟喧嘩をしても、お互いに大切に思っているんですよね。
最後に手が出る兄弟喧嘩は悩ましいですが兄弟喧嘩そのものは、悪いことばかりではありません。
相手とのコミュニケーションを高め、相手の気持ちを考える経験を積める大切な成長の場でもあります。
兄弟喧嘩をすることで、痛かったことや嫌なことを体感することで、これ以上は危険だと予測する能力を養うことができるのです。
ケガに発展しない程度の喧嘩であれば、親は過度に反応せず様子をみることも必要です。
危険だなと判断したときは子どものどちらかを責めるのではなく、「ケガをしちゃうから、やめてね。」と冷静に注意することが必要ですね。
いつも手が出る兄弟喧嘩ばかりで諦めていた我が家でも、仲良く過ごせるようになってきました。
兄弟喧嘩でうんざりされている皆さんも 子どもを褒めて兄弟喧嘩の予防していきましょう!
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♡小冊子のご感想
子どもの行き渋りにどう対応するのが正解か分からず困っていました。こちらの本を読んで、行き渋りが悪化する対応をしていたことに気付き、はやめに知れて良かったと思いました。また、どう対応したらいいのか、具体的な対応と声かけが書かれていたので、ありがたいです。今日から取り組んでみます。
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執筆者:神田久美子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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