不登校中の小学生のお子さんがいると、学年が変わったり、中学校進学が背中を押すタイミングかと、期待が高まりますよね。親としては焦りがちですが、ここは少し冷静になった方がよさそうです。プレッシャーを与えない対応をするようにしましょう。
【目次】
1.中学校に行っても不登校?その前に対応したい
2.娘のキモチ 不登校の自分を変えたいけど怖い!
3.不登校の子どものホンネって知ってる?
4.不登校の子どもが動き出すときの親の対応とは?
1.中学校に行っても不登校?その前に対応したい
不登校中の小学生がいつから学校に通えるようになるのか、心配や不安がつきないですよね。
新学年への進級や中学への進学のタイミングで、がらりと環境を変えたら通えるようになるのではないか、そんな期待が高まりますよね。
不登校が長くなればなるほど、
勉強が遅れる
家にいることが当たり前になってくる
社会から取り残されていく
人間関係が希薄になる
こんなことが心配ではないでしょうか?
お母さんの心配はよくわかります。
家でゲームやスマホばかり。
そんな子どもを見ていると、「だったら学校に行けるんじゃないの?」と思いますよね。
お母さんの意見も尊重しつつ、子どもの本音も考えてみたいと思います。
2.娘のキモチ 不登校の自分を変えたいけど怖い!
私の娘は、小学校6年生。
繊細さや自閉症の傾向がある子どもです。
5年生の運動会が終ったあとにパッタリと朝起きれなくなり、学校に行かなくなりました。
夜はなかなか眠れない、朝は起きられなくなるという自律神経のバランスが崩れる症状でした。娘のこの症状は、過度なストレスを我慢し続けて、体に反応がでてきた状況です。
不登校の原因は、5年生になって友達とのトラブルが続き、いじめを受けたのが引き金になりましたが、元々友達関係がうまくいっていなかったり、集団が合わない様子がありました。
学校の配慮があり、6年生のクラスはトラブルのあったお友達とは一緒にならないよう配慮をしていただきましたので、週に1、2回の登校をしています。
今も、集団への苦手さは残っているので、通える時だけ登校するというスタイルを継続しています。
そして、心が元気になってきた娘は、残りの小学校生活よりも、中学のことを考えているようです。
娘が話してくることは、中学への不安と期待です。
「中学になると部活に絶対入らないといけないの?」
「勉強がすごく大変になるんだよねぇ?試験もたくさんあるんでしょ?」
こんなことを何度も繰り返し聞いてきます。
そして
「中学になったら陽キャ(明るいキャラ)になる」
「中学って部活に入ることがやっぱり青春なのかなぁ」
とも言っていて、自分が中学に行くことのシュミレーションをしているようです。
3.不登校の子どものホンネって知ってる?
では、不登校中の子どもってどんなことを考えているんでしょう。
その子の状況や背景により違いますが、子どもの頃に不登校を経験した大人から聞いた話だと、こんな気持ちになっているようです。
・孤立感や孤独感: 「誰も自分の気持ちをわかってくれない」「一人ぼっちだ」
・不安や恐怖: 「学校に行くのが怖い」「またいじめられるかもしれない」「先生に怒られるのが怖い」
・自己評価の低下: 「自分はダメな人間だ」「何をやっても上手くいかない」
・将来への不安: 「このままでは将来がどうなるのか心配だ」「何もできない大人になってしまうかもしれない」
・親や周囲への罪悪感: 「親に迷惑をかけている」「みんなを心配させてしまっている」
・他の興味への集中: 「学校よりもゲームや趣味の方が楽しい」「自分の世界に没頭したい」
家で寝てばかりだったり、ゲームやスマホを触っている姿を見ると、なかなかホンネが見えないですよね。
ですが、親が思っている以上に罪悪感を抱えていたりするのです。
4.不登校の子どもが動き出すときの親の対応とは?
では、不登校中の子どもが一歩踏み出してみようとした時の親の対応はどうしたらいいのでしょうか?
それは、親としてではなく我が子専属のカウンセラーになるということです。
つまりどういうことかと言うと、お母さんは黙って話をただ聞く、ということです。
目的は、子どもが何を感じているかを言葉にして、どんどん吐き出させるということです。
大人であれば、中学がどんな所か、部活や勉強がどうかは、経験してきていることから答えることはできます。
「勉強は試験が増えるよ」
「部活は部によって活動の状況は違うよ」
などと、自分が経験したことは伝えられます。
ですが、
「部活は青春だよ。やった方がいいよ」
「勉強はもちろん難しくなるよ。だから今からやっておかないと」
という親の意見はしないようにしましょう。
そして、子どもの吐き出した思いには、肯定も否定もしない返事をします。
例えば、こんな風に返します。
・「そっか~」「そうなんだ~」「なるほどね~」「そう思うんだね」
・「へ~!どうしてそう思うの?」
・「他には?」
・「おやつタイムにしようか!」
娘は部活に憧れがありつつも、人間関係が大変そうなイメージがあるようで、「やっぱり大変そうだから部活はやらない!」と吐き出すようにも言っていました。
そんな時はカウンセラーになって「そうなんだね~」と返していました。
そうかと思えば、別の日には「もし部活やるんだったらバスケットだなぁ」と言うこともあり、不登校の状況を自分でも変えていきたいんだなぁっていう気持ちが伝わりました。
娘の気持ちや言葉にジャッジはしないで、引き続きカウンセラーになっていこうと思っています。
不登校のお子さんがいると何かと心配はありますが、子どもも動き出したい、このままじゃいけない、という気持ちがあります。
動き出せるタイミングはその子によって違うので、周りと比較せずに会話を大切にしていきましょう。
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執筆者:北川明希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)