子どもを「褒めなきゃ!」ってプレッシャーに感じている人はいませんか?発達障害・自閉症スペクトラムのアスペルガー傾向の家族がいる場合、心理的ストレスを感じカサンドラ症候群になる方がいます。カサンドラでも取り組みやすい方法をお伝えします。
【目次】
1.発達障害・自閉症スペクトラムの家族を褒められない
2.褒めなきゃってプレッシャーに感じる要因とは?
3.アスペルガー傾向の夫を持つカサンドラ妻が褒め言葉が苦手な理由
4.カサンドラ妻が発達障害家族にまずやるといい大事な〇〇期間とは?
1.発達障害・自閉症スペクトラムの家族を褒められない
子育てや家庭生活で「褒めることが大事」とよく言われますよね。
特に発達障害を持つ家族にとっては、褒めることが効果的だと言われます。
でも、実際に褒めるのは難しいと感じていませんか?
子どもだけじゃなく夫も、発達障害の場合、その難しさは一層増すかもしれません。
いくら褒めることが良いと知っていても、
「褒めるところが見つからない」
「褒めるのがどうしてもできない」
「私が頑張らないと…」
と悩むママは多いのです。
私もかつては、できていることがあっても素直に褒められず、どこかで
「当たり前でしょ」とか「やっとできたか」
と、せっかくできていることなのに、否定的にとらえてしまうことがあり、その結果、褒め言葉が伝わらないという負のループになっていました。
2.褒めなきゃってプレッシャーに感じる要因とは?
「褒めなきゃ!」と気合を入れて頑張ろうとすると、かえってプレッシャーになってしまうこともあります。
褒められないと悩む要因に、ママ自身の心の状態が関係しているかもしれません。
それは、カサンドラ症候群と呼ばれるものです。
カサンドラ症候群は正式な医学的・精神医学的診断名ではなく、主に自閉スペクトラム症(ASD)のパートナーや家族と関わる際に生じる心理的なストレスや孤独感を指す言葉です。
夫がASDの場合には、その特性によって夫婦関係がうまくいかず、妻が孤独感や精神的苦痛を感じる状況があります。
そして、このカサンドラ症候群の妻(カサンドラ妻)の人は、褒めることをプレッシャーに感じやすいと言えるでしょう。
無理に褒めようとすると、それが逆にストレスになってしまうことがあります。
「褒めなきゃ」という思い込みが強すぎると、心の負担が大きくなり、結果的に家庭内の雰囲気が悪化してしまうこともあるのです。
3. アスペルガー傾向の夫を持つカサンドラ妻が褒め言葉が苦手な理由
カサンドラ妻が他者を褒めることが苦手であるかどうかは、個々の状況によりますが、いくつかの心理的および環境的要因が考えられます。
褒め言葉が苦手な理由を4つに分けて説明します。
◆① 自分も褒められていないから
ASDの夫との関係において、自分が認められない、理解されないと感じることで、自己評価が低くなり、自分も人を褒めるのが難しくなります。
自分が大切にされていないと感じると、他の人を大切にするのが難しくなってしまいます。
◆②褒める練習が足りていないから
長い間、褒められることが少ないと、どうやって褒めたらいいのかわからなくなります。
褒めるのも一種の「スキル」なので、練習しないとうまくできないのです。
◆③ ストレスと疲労がある
家の中でいろいろなことがうまくいかないと、それだけでストレスがたまります。
ストレスが多いと、他の人の良いところに気づいて褒める余裕がなくなります。
◆④ 自分が無力に感じているから
何をしてもうまくいかないと感じると、自分が無力だと感じてしまいます。
そうすると、人を褒めることも「どうせ意味がない」と思ってしまうことがあります。
私もかつて、精神科を受診した時に「カサンドラの状況ですね」と言われたことがあります。
その時、だからどうしたらいいのかまでは教えてもらえませんでしたが、「やっぱりそうか」とすんなりと受け入れ、開き直ったのを覚えています。
「じゃあ、色々できなくたって仕方がないね。この状況ならそうなるわ」と深く考えずに、客観的に自分を見ていました。
無理に頑張る必要も、自分を責める必要もないのです。
これ以上のストレスは排除しましょう。
それでも、お子さんを褒めてあげたい、夫とも関係を少しでも良くしたいと思われているママに、過ごし方のヒントをお伝えしますね。
4. カサンドラ妻が発達障害家族にまずやるといい大事な〇〇期間とは?
そこでオススメしたいのが 「否定しない期間」を設けることです。
この期間は、褒めることにこだわらず、否定的な言葉や批判を控えることに焦点を当てます。
いわば「ストレス0期間」です。 この期間中は、ママ自身もストレスを減らし、家庭内の雰囲気を改善することに集中します。
例えば、子どもや夫が何か小さなミスをしても、そのことについて否定的な言葉をかけるのではなく、「今は何も言わない」と決めるのです。
この「決めておく」ことが大切で、行動に移せるカギとなります。
否定しない事により、家庭内の緊張感が和らぎます。
最初は大変かもしれませんが、次第にお互いのストレスが減っていき、ママ自身も楽になっていきます。
この「否定しない期間」を設けることで、自然と家族のポジティブな面にも目を向けやすくなります。
褒めることが難しい場合でも、否定をしないことで家庭内の雰囲気を良くすることができるのです。
発達障害を持つ家族との生活は、大変なことも多いですが、無理に褒めようとしなくても大丈夫です。
まずは「否定しない期間にしよう!」って決めてみてください。
1、2週間くらいで、家庭内の緊張感が和らいできて、ママ自身もストレスを減らすことができます。
そうすると、「褒めなきゃ」というプレッシャーからも解放されます。
褒めることが難しいと感じるママも、まずは否定を控えることから始めてみてください。
それだけでも、家庭の雰囲気が大きく変わるはずです。
旦那さんと穏やかに会話するための秘策を知りたい方はこちらもご覧ください。
「すごいね!」だけじゃない、褒める方法がたくさん身につきます!
執筆者:林 花寿美
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)