ショート動画は脳に悪い!と聞いた事がありませんか?子どもが動画を見続ける理由と、YouTubeをやめさせたいときに叱らずにすむ方法をお伝えしています。
【目次】
1.ショート動画は脳に悪い!って本当?
2.YouTubeをやめさせるときのNGな叱り方
3.叱らずにYouTubeをやめさせる方法
4.脳に悪影響を与えない!ショート動画との付き合い方
1.ショート動画は脳に悪い!って本当?
YouTubeのショート動画は脳に悪い!と聞いた事がありませんか?
これには理由があり、ただボーッと流れてくる動画を見ているばかりで、情報が全く記憶に残っていない場合は、良い脳の使い方をしている!とはあまり言えません。
なぜかというと、私たちの脳は、目や耳からの情報を理解するというステップを踏んではじめて、その出来事が記憶に残るしくみになっているからです。
ぼんやりと動画を見ているだけの子どもの脳は、新幹線の窓から景色をぼんやり眺めているようなもの。
とても速いスピードで流れていく窓の外に、いったいどんな景色が広がっていたのか、ぼんやり見ているだけでは、人に伝えるほど覚えておくのは難しいですよね。
これでは、見たり聞いたりしたことを理解するステップが抜けているので、理解を伴わない視聴では、記憶に残りにくく、学びにつながりにくいのです。

では、ショート動画を見続ける子どもにどんな対応をすれば良いのでしょうか。
この記事では、脳が育つ動画との付き合い方と、YouTubeをやめられない子どもが自分で時間を守れるようになるお母さんの対応をお伝えします。
2.YouTubeをやめさせるときのNGな叱り方
YouTubeは、それ自体が悪いものではないですよね。動画はたくさんの情報を伝えてくれ、子どもの世界を広げるツールでもあります。
けれど、YouTubeをやめさせたい!と思うのは、子どもがYouTubeをダラダラ見続けて、寝る時間が遅くなったり、決められた時間を守ってくれなかったり、生活に支障が出るからですよね。
動画視聴をめぐって、親子喧嘩がだんだん激しくなっていくのは避けたいです。
いつも厳しく叱っていると、親子関係が悪くなり、子どもがお母さんの伝えたいことを素直に受け取ってくれなくなる可能性があるからです。
厳しく叱ることで、お母さんの否定的な態度が、子どもの心を孤立させデジタルツールに対してますます執着が強くなる負のサイクルになっていませんか。
いつも叱られてばかりいると、やがて子どもは自信を失っていきます。
そして、自分はお母さんに嫌われている!独りぼっちなんだ…と本気で思うようになっていきます。
自信を失うと、どんどん自分の殻に閉じこもるようになり、外との関わりを避けるようになることもあります。
そして、お家の中で暇を持て余すので、ますますYouTubeばかりになるという悪循環が起こるのです。
動画を視聴している間は、誰からも傷つけられないので、逆に言えば子どもが自分の心を守っているとも考えられますね。

そうは言っても、やることをやらない子どもに困っているのが現状だと思います。
ひと言「そろそろ終わりだよ」と伝えてやめてくれるなら、次の行動に移ってくれるなら、どんなにラクになるでしょうか。
3.叱らずにYouTubeをやめさせる方法
子どもを厳しく叱りそうになったら、今何をしているのかな?と一呼吸おいて、子どもを観察してみてください。
そして、お母さんの気持ちが落ち着いたら、「YouTube見ているんだね」と見たままの状況をいつものフラットな声で実況中継するように伝えてみてください。
動画を見ている最中に、遠くから声をかけるとお母さんの声に気がついていない場合も多いものです。

隣に行ってトントンと肩を叩いたり、背中にそっと手をあてたりして、子どもの注意をこちらに向けてから、話しかけてくださいね。
この実況中継をするように子どもの行動を声に出して伝えることは、普段にも使いやすい、発達科学コミュニケーションの肯定のテクニックのひとつです。
他にも、学校の準備を始めようとしたんだね、お風呂に入ったんだね、歯磨きしているんだね、など、いつも当たり前にできていることをそのまま口にしてみてください。
子どもの脳にできていることを認識させてあげる効果があります。
また、「お母さんはいつも見てくれているんだ」という安心感で、子どもの心が満たされていきます。
そんなふうに、子どもが自分のできたことをたくさん認識して自信をつけ、親子関係も整ってくると、「そろそろ終わりの時間だよ」とひと言伝えるだけで、自分で終わりにできる日は必ず来ます。
叱らずにYouTubeをやめさせるのは、お母さんが期待するよりも少し時間がかかるかもしれません。
次の章では、今日からできる!スワイプしやすいショート動画でも、脳に悪影響を与えない、デジタルツールを上手に活用していく方法をご紹介します。
4.脳に悪影響を与えない!YouTubeとの付き合い方
先ほどお話した娘のように、ただぼんやり見ているだけではなくて、子どもの脳を育てる方法があるんです。
まずは、YouTubeを見ているときに、どんなチャンネルが好きなのか、推しのYouTuberは誰なのかなど教えてもらって、楽しくお話をしてみてください。
最初は「どんなチャンネルが好きなの?」と聞くと、覚えていないので答えることが難しいかもしれません。
そんなときは、YouTubeの履歴管理などから、お母さんがある程度子どもが見ているものを把握して
「〇〇って、動画の中に出てきた?」
「美味しそうなチョコケーキのレシピはあった?」
など、具体的にYESかNOかで答えられる質問から始めると、会話が広がりやすくなりますよ。
ゲーム実況、クイズ、お料理、ダンス、アニメなど様々なジャンルの動画があるので、そんな楽しそうなもの見てるんだ!と新たな発見があるかもしれません。
わが子は時々、都市伝説やホラー動画を見ていてヒヤッとしましたが、問い詰めたりはせずに会話をすると、自分から「見てみて!」と話してくれるようになりました。

そうして、動画視聴について和やかに会話ができるようになったら、わが家では、1日ひとつ「今日見た中で覚えている動画」を教えてもらうことにしました。
お料理レシピなら「一緒に作りたいから美味しそうだったものを教えてね」と体験につながるような声かけもしていきました。
歌を一緒に歌ってみたり、ダンスをしてみたりすることもあります。
「一つだけ覚えておいて、教えてね」というミッションを与えておくことで、脳が見たものや聞いたものを理解しようと働きます。
言葉にして伝えたり、見たものを体験したりすることで、思考力や表現力が育ちやすくなります。
ショート動画ばかり見る子に困った!と思ったら、やめなさい!と厳しく叱るのではなくて、あえて興味を持ってみる。
北風と太陽のように、子どもとぽかぽかした会話ができるようになれば、時間制限がなくても、自分で動画を切り上げて、次の行動に移れるようになりますよ。
ぜひ、試してみてくださいね。
▼こちらもおススメ!ゲームに没頭する経験が自信を育てた子どもの実話▼
▼YouTubeをやめるときに癇癪がひどいなら、今すぐに対応を始めましょう▼

【無料登録】1日たったひとつの行動を変えるだけで、子育ての未来が変わる!
執筆者:作倉 帆香
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)