学校に「行きたいのに行きたくない!」と愚図るのは、学校には行くべきだと思い込んでいるからなんです。気持ちに寄り添い、子どもの決断を応援することで登校渋りは解決します。
【目次】
1.「学校に行きたいのに行きたくない!」と泣く娘…
2.学校に行きたいけど行きたくない心理とは?
3.学校に「行きたいけど行きたくない」小学生への対処法
①行きたい気持ちも、行きたくない気持ちも受け止める
②子どもに決断させる
③子どもの決断を肯定する
1.「学校に行きたいのに行きたくない!」と泣く娘…
「学校に行きたいのに行きたくない!」
「行きたくないけど、行きたい!」
朝からグズグズする子どもにイライラしてはいませんか?
昨日の夜は行くと言っていたのに、朝になってやっぱり行きたくないという子どもに振りまわされていませんか?
私には小学6年生の娘がいます。
「明日は行くね!」と機嫌よく寝たにも関わらず、朝になると不機嫌になることが多々ありました。
・行きたいけど行きたくない!
・行った方がいいから行きたいけど、どうしても行きたくない…
・行こうとするけど体が動かない!
・もうー!ママ、どうしたらいいの?
行きたい気持ちと行きたくない気持ちで揺れ動き、グズグズ言い出し用意が進みません。
不登校、行き渋り経験のある娘に
・今日は行くって言ってたじゃん!
・行くって言ってんだから行けば?
・どうしても行きたくないなら休めばいいじゃん!
・こうしたら?ああしたら?
なんて言うのは禁句なのは知っていました。
しかしいつまでも愚図る娘に、
「いい加減に決めたら?」
「行きたくないなら行かなければいいじゃん!」
とついイライラしてしまう日もありました。
2.学校に行きたいけど行きたくない心理とは?
このように、「学校に行きたいけど行きたくない!」 というのは、どういう心理なのでしょうか?
本当は行きたい!だけどどうしても行きたくない! というのは、実は行った方がいいと思い込んでいるからなんです。
行った方がいいと思い込む理由は様々ですが、やはり子ども自身も
・学校には行くもの
・学校に行くことが正解
・行ったら親にも先生にも褒められる
だから行った方が良いと思い込んでいることが多いのです。
この行くことが正解という思い込みが「行った方がいい!」から「行きたい!」という想いに繋がるのです。
一方で「行きたくない!」という思いは本心です。
学校に行っても楽しくない、疲れるだけ、行く意味を持てない、友達と喧嘩した、宿題やってなくて怒られた…
など様々な理由で学校に行きたくないのが本音です。
特に学校に対してネガティブな記憶が残っていると、楽しくなかった学校になんて二度と行きたくないと感じてしまいます。
特に発達障害のお子さんは、このネガティブな記憶が残りやすいと言われています。
ですので一度行きたくないと思い始めると、なかなか気持ちを切り替えることが難しくなります。
いくら行った方がいいから「行きたい!」と言っていたとしても、本心では「行きたくない!」のです。
「行きたい!」「行きたくない!」という2つの思いで葛藤し、動けなくなってしまうのも分かる気がしますね。
子どもにとってはどっちも嫌なのにどちらかを選ばないといけないという、「究極の選択」なのです。
ですからグズグズしているように見えるかも知れませんが、子ども自身は本当に苦しんでいるということを忘れないでおきたいですね。
それではいったい、「学校に行きたいけど行きたくない!」という子どもに、どのような対応をすればいいのでしょうか?
3.学校に「行きたいけど行きたくない」小学生への対応法
学校に「行きたいけど行きたくない」子どもへの対応ポイントは3つです。
◆①行きたい気持ちも、行きたくない気持ちも受け止める
まず一番大事なことは、子どもの気持ちを否定せずに優しく受け止めることです。
たとえ不機嫌になっていたとしても、優しく気持ちを受け止めてあげて下さいね。
行きたい気持ちも、行きたくない気持ちも、どちらの気持ちも嘘ではありません。
ですから気持ちを否定したり、決断を急かせるようなことだけはしないように気を付けましょうね。
行きたい気持ちにも、行きたくない気持ちにも、本人が落ち着くまで、何度も共感して受け止めてあげてくださいね。
すると子どもが安心して、じゃあ今日はどうする?ということを考えられるようになりますよ。
◆②子どもに決断させる
次に大事なポイントは、たとえ「どうしたらいいの?」と聞かれた場合でも、決して「この方がいいよ!こうしなさい!」と指示をしないことです。
提案をしたとしても、必ず最後は子どもに決めさせてあげることです。
そして思考の整理をサポートします。例えば、
・行ったら、今日の給食はカレーだね!
・行かなかったら、体が休まるね!
・行ったら(好きな)図工があるね!
・行かなかったら、前の続きの工作をするのもありだね!
このようにポジティブな内容を伝えてあげてくださいね。
子どもが頭の中の思考を整理しやすくなります。
その結果、子どもがどうしたいのか、行くのか行かないのか、自分で決断しやすくなりますよ。
もっと子どもが話せそうであれば、今日はどうして迷っているの?などと気持ちを引き出す質問をしてみてくださいね。
○○があるから行きたいけど、△△が嫌なの。などと、自分で気持ちをアウトプットできるようになると、じゃあ今日はどうする?の決断がサッとできるようになりますよ。
決して、「行かなかったらこうなっちゃうよ…」と脅しはしないように気を付けて下さいね。
◆③子どもの決断を肯定する
最後3つ目は、子どもが自分で決めた決断を肯定してあげることです。これもとても重要です。
行くと決めても、行かないと決めても、決断までに時間がかかったとしても、自分で決められたことを褒めてあげてくださいね。
行くと言って学校の前まで行ったのにやっぱり帰ることになったとしても、直前でやっぱりいかないと決断しても、自分で決められたことを認めてあげてくださいね。
自分で決めたことを実行したときに、自信が育まれます。
・行けば、無理して行かせない方が良かったのかな…
・行かなければ、行った方が良かったんじゃない?
とお母さんが漠然とした不安を感じてしまうと、その想いが子どもにも伝わり、子どもを不安にさせて、子どもの自信を奪ってしまいます。
自分で自信を持って休んだら、家で有意義に過ごせます。
ママに決められて不安を感じつつ休むと、休んでも不機嫌になったり活動量も低下してしまいます。
ですから子どもが決めたことを笑顔で肯定してあげてくださいね!
いかがでしたか?
私は、行きたいけど行きたくない!究極の選択だと愚図っていた娘の気持ちに寄り添い、自分で決めるサポートをし、またその決断を肯定するようにしました。
すると、娘はたとえ休むことを選んだとしてもサッと気持ちを切り替え、家で機嫌よく勉強したり趣味の活動をしたりと、有意義に過ごせるようになりました。
行きたいけど行きたくないと葛藤する子どもさんへの対応に悩まれているママ、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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執筆者:優木はるこ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)