小学校入学が近づいてくると、発達がゆっくりだけど支援級の方が良いの?普通級で大丈夫?と悩むことがあると思います。私の失敗から、お子さんにとって最適な環境を考えることが重要だということをお伝えします。
【目次】
1.発達の遅れに不安があっても支援級ではなく普通級を選択しました
2.支援級を検討せず普通級に行った結果
3.ADHDタイプで学習が苦手な子は学校との相性は最悪です
4.支援級か普通級か迷ったら考えて欲しいこと
1.発達の遅れに不安があっても支援級ではなく普通級を選択しました
私の息子は、小学校入学の時点で、少し発達がゆっくりだなと思っていました。
ですが、幼稚園の先生から指摘されたことはなかったので、いつか追いつくだろうと思っていました。
幼稚園では、集団行動も問題なく、お友達とも楽しく過ごしていました。
私が息子の発達で気になっていたことは、次の2点です。
・小学校入学の時点で、ひらがなを読んだり、書いたりできないこと
・言葉の発音が明瞭でないこと
幼稚園時代に発達支援センターの言語聴覚士さんに相談しましたが、特に支援の必要がないと言われ、支援を受けたりすることはありませんでした。
少し不安を抱えたまま、入学前検診がありましたが、指摘されることはありませんでした。
念の為、不安がある方の相談で相談をしましたが、ひらがなは入学してから習うから名前さえ書けて、読めれば大丈夫と言われました。
発音に関しては、1年生でこれぐらいなら問題ないですと言われ相談は終了しました。
この時点でこれ以上行動しなかったのは、支援級に対して、私自身に抵抗があったからです。
支援級に入るとクラスのお友達と遊べなかったり、息子だけ浮いてしまうのではないか?
今よりもっと勉強が遅れてしまうのではないか?
私は、支援級について調べたり、見学したりしなかったため、ネガティブな感情を持っていました。
2.支援級を検討せず普通級に行った結果
小学校に入学して2年間は、トラブルもなく、順調な小学校生活を送っていました。
ただ、勉強面に関しては、わからないことが多かったり、ついていけていないのは、気づいていました。
ですが、勉強は、やればできるものだし、なんとかなると楽観的に考えていました。
息子の学校生活が一変したのは、小学校3年生の時です。
担任の先生から授業をきちんと受けられていない。立ち歩いたり、授業中に友達と話をしたりしていると報告されました。
私は、びっくりしました。今までは、できていなくても、きちんと席についていたはずです。
それからは、学校から頻繁に電話がかかってきては、学校でのトラブルを報告されました。
担任の先生に勧められ、発達検査を受けたところIQが76の境界知能であり、注意欠如多動症(ADHD)であることがわかりました。
IQは平均が100で85以上あると問題なく学校の授業についていけると言われています。
息子は、あらゆる項目でIQが85以下でした。
小学校3年生になり、勉強が難しくなったことで、余計に授業についていけなくなったのです。
自分でも勉強ができないと自覚し、自分に自信が持てなくなった息子は、先生に反抗するという手段で、かろうじて自分を保っていました。
「俺バカだから」
という言葉を初めて息子から聞いた時、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
何で今まで、息子の気持ちを考えてあげなかったのだろう?
遅れているのは、気づいていたなら、支援級を検討することもできたはずなのに。
問題が起きてはじめて、自分の考えではなく、息子が安心して楽しく学校に通える環境を考えるべきだと気づきました。
3.ADHDタイプで学習が苦手な子は学校との相性は最悪です
ADHDタイプの子は次のことから学校で注意されることが多くなり、自信の低下に繋がります。
・椅子にじっと座っていられない
・興味や好奇心が別に移ってしまう
・衝動的な発言をする
・衝動的な行動をする
そして、境界知能の子や学習や書字や計算などに苦手なある子は、授業で劣等感を抱くことが多く、頑張ってもできない現状が自信の低下に繋がります。
ADHDで学習にも苦手がある子は、ダブルで自信の低下に繋がる可能性があるのが学校です。
自信を低下させずに学校生活を楽しく送れるように配慮することは、とても重要なことなのです。
4.支援級か普通級か迷ったら考えて欲しいこと
支援級か普通級か迷った時は、お子さんにとって一番良い環境を選択してください。
自信を低下させずに子ども自身が自分らしくいられる環境が重要です。
息子が境界知能・ADHDとわかって、私の考えも変わっていきました。
今までは、私自身が抵抗があるからと検討していなかった支援級を検討してみようと思いました。
一番重要なことは、息子が息子でいられる場所だ。
もう2度と「俺バカだから」なんて言わせたくない。
地の底に落ちた自信も取り戻して、楽しい学校生活を送って欲しい。
担任の先生、教頭先生、支援級の先生と何度も話をしました。
私がではなく、息子が良いと思える環境が一番と考え、先生たちにも協力してもらいました。
そして、お試しという形で支援級で学習する時間を作ってもらいました。
息子も「先生にすぐ聞けるから支援級の方が良い」言うようになりました。
支援級の先生も自信をなくしてしまった息子に配慮しながら、無理せずに授業をしてくれました。
普通級ですっかり自信をなくし、勉強をすること自体しなくなっていた息子が、徐々に勉強を自分からするようになりました。
私が、発達の遅れに不安を抱えつつも、行動に踏み切れなかったのは、支援級について知ろうとしなかったのが原因です。
見学に行ったり、支援級の先生と話し合ったりしていたら、入学前から息子に適切な環境を用意できていたかもしれません。
息子につらい思いをさせてしまったことは、とても残念です。
地域や自治体によっても、支援級のあり方はさまざまです。見学に行ったり、担当者と話し合ったりしながら、環境を整えることは重要です。
支援級?普通級?で迷っている方がいたら、まずは、支援級について知ることからはじめ、子ども自身にとって一番良い環境を選択してくださいね。
お子さんの学校生活を楽しくするヒントはこちら!
執筆者:高井智代
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)