子育てに疲れたママが「一人になりたい」と願うのは自然なこと。しかし一人時間だけでは根本解決にならず、気持ちは楽になりません。わが子への声かけを変えたことで、ワンオペ育児でも子どもと過ごす時間が楽しいと思えるようになった秘訣を紹介します。
【目次】
1.子育てに疲れた私が「一人になりたい」と願っていた過去
2.やっと一人時間をもらっても、疲れやイライラがなくならないワケ
3.子育てに疲れたママがわが子と笑顔で過ごせるようになる秘訣
1.子育てに疲れた私が「一人になりたい」と願っていた過去
毎日の育児に追われて「子育てに疲れた」「一人になりたい」と感じてしまうこと、ありますよね。
終わらない家事、誰にも頼れないワンオペ育児…。一人の時間さえあれば、と願うのは自然なことです。
けれど実は、一人時間だけでは子育ての疲れは根本から解消されません。
本当にラクになるのは、わが子を理解して『ブレない子育ての軸』を手に入れたとき。
その軸があるだけで、子育てはぐっとラクになり、心から楽しめるようになるのです。
私自身も、夫は仕事でほとんど家におらず、実家も遠方で頼れない。毎日ワンオペで、娘と2人きりの生活でした。
娘はとても繊細で不安が強く、幼稚園に行く前は「お友達と遊ぶ」よりも私のそばにいることを好む子でした。
もちろん愛おしかったのですが、片時も離れられない状況は、私の心と体にじわじわと負担をかけていきました。
幼稚園に入園してからも、集団が苦手な娘は先生から度々指摘を受けました。
そのたびに「私の育て方が悪いのか」「発達の問題があるのでは」と悩み、自分を責めて胸が苦しくなることがありました。
長期休暇は朝から晩まで一緒に過ごす時間が増え、嬉しい反面、「自分の時間も欲しい」と感じてしまう瞬間があり、そんな自分に罪悪感を抱くこともありました。

そこで月に数回だけ一人時間をもらって外で過ごしたり、娘が寝た後に自分時間を作ったりしていました。
「一人になれたら解決する」と思い込んでいたのです。
しかし、その一瞬はホッとできても、すぐに疲れやイライラは戻ってきました。
「もっと一人になりたい」「私は弱くてダメだ」と悩んでいましたが、今振り返ればそれは弱さではなく、頑張りすぎて心が悲鳴を上げていたサインだったのです。
2.やっと一人時間をもらっても、疲れやイライラがなくならないワケ
一人時間をもらって、その時間は息抜きできたとしても、しばらくするとまた疲れやイライラがぶり返してしまう…。
それはママの頑張りが足りないからではなく、子どもの行動の背景や発達段階を理解できていないからです。
「なんでできないの?」
「もう◯歳なんだからできるでしょ」
「お友達みたいにできれば安心できるのに」

そんなふうに『できていないこと』ばかりに目を向けても、子どもの困りごとは解決しません。
困りごとが解決していない状態で、また同じ行動を見てしまうから、ママの疲れもイライラも繰り返されてしまいます。
さらに、子どもにとってはまだ難しいことを求めてしまうと、当然うまくいきません。
すると子どもは「できない自分」に自信をなくし、お互いにどんどん苦しくなってしまうのです。
本当に必要なのは、子どもの発達段階に合った声かけです。
ママが『ブレない子育ての軸』を持ち、こうした関わりを積み重ねることで、子どもは「できた!」を重ねて自信を育みます。
その姿を見て「うちの子はちゃんと成長している」と実感できるようになり、ママ自身も安心して向き合えるようになるのです。
次では、私が実際に試して効果のあった3つの関わり方をご紹介します。
3.子育てに疲れたママがわが子と笑顔で過ごせるようになる秘訣
一人時間では解決できなかった私が変われたのは、わが子を理解し、声かけを工夫できるようになったからです。
そこで実際に役立った3つのポイントをご紹介します。
◆① 子どもに求めるハードルを下げる
子どもはまだ難しいことを求められると、思うようにいかず、自信をなくしやすいです。
大切なのは「少し頑張ればできそうなこと」を選んであげること。
たとえば三角を描くのがまだ難しいときは、点を描いて「今日はこの点と点を結んでみよう」と声をかけてあげると、「できた!」を実感できます。
この「できた!」の積み重ねが、子どもの自信を育てる力になります。
◆② 子どもがすでに終えていることを言葉にする
ママは「まだできていないこと」に目が向きがちですが、子どもの行動の中には「もう終えていること」もたくさんあります。
・靴をきちんと揃えていた
・ドアをそっと閉めていた
・パジャマをもう脱いでいた
こうした「終えていること」に気づいて声をかけると、子どもは「自分はできてる」と実感でき、「もっとやってみよう」という気持ちを引き出せます。
そして、ママも良いところを自然に見つけられるようになるので、「できない」と感じる不安が減り、気持ちがぐっとラクになります。
◆③ 子どもの「好き・興味」に注目する
一人になりたいと思っていた頃の私は、子どもがテレビを見ている時間を「唯一の自分時間」にしていました。
その間に家事を一気に片づけたり、スマホを触ったりしていて、子どもが見ている番組よりも自分の休息や家事に気持ちが向いてしまっていました。
そのため、子どもが楽しそうに話しかけてきても「へぇ〜そうなんだね」と軽く返すだけ。今思えば、それはとてももったいない関わり方でした。
なぜなら、子どもの「好き」や「楽しい」にママが興味を示してあげること自体が、大きな肯定の関わりになるからです。
大人でも、自分の趣味や好きなことを楽しそうに話して、それを「もっと教えて!」と聞いてもらえたら嬉しいですよね。子どもも同じです。
「何を見てるの?」
「この子は何ていうキャラクター?強いの?」
「へぇ〜!知らなかった!ママにも教えて」
と声をかけるだけで、子どもにとっては「自分の好きなことをママが一緒に楽しんでくれている!」という大きな安心と自己肯定感につながります。

あれほど「子育てに疲れた、一人になりたい」と願っていた私でしたが、この3つのポイントを意識するようになってから、子どもと過ごす時間が心から楽しいと思えるようになりました。
もちろん今でも夫婦で一人時間を持つことはありますが、それだけで十分に満たされています。
何より大きな変化は、娘を「心から可愛い」と思えるようになったこと。
声かけを変えただけで、不安が強かった娘が少しずつ挑戦するようになり、成長していく姿を嬉しく見守れるようになりました。
子育ての軸を持ち、わが子に合った声かけを見つけていけば、「子育てに疲れた」「一人になりたい」と悩む気持ちから必ず解放されます。
もし今、「もう限界」「私って母親向いてないかも」と悩んでいたとしても大丈夫です。
子どもを見る目、そして声かけを変えるだけで、子育ては想像以上に楽しく、そしてわが子が愛おしく思える毎日に変わっていきますよ。
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執筆者:藤井ハナ
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)