「笑っているのに、何を考えているのかわからない。」そんな気持ちが伝わりにくい繊細な子との関わりに悩んでいませんか?小さなスキンシップが、気持ちを伝えられるきっかけになります。ハイタッチで親子が笑顔でつながるヒントをお伝えします。
【目次】
1.繊細な子の「気持ちが伝わらない」困りごと
「子どもに話しかけても反応が薄い」
「何を考えているのか分からなくて困る」
そんなふうに感じて、どう関わればいいのか悩むことはありませんか?
感情がわかりにくいと、ママも不安になりますよね。

私の息子もまさにそんなタイプでした。
私の息子は、ひといちばい敏感で繊細な子(HSC=Highly Sensitive Child)の傾向があります。
3歳頃、ニコニコ笑ったりわがままを言ったり、元気に自己主張することもありました。
でも、ぼんやりしていたり反応が薄かったり、表情の変化が少なくて「何を考えているんだろう」と思うことも多くありました。
そのくせ急に泣いたり怒ったりすることもあり、気持ちのギャップが大きく、戸惑うことがたくさんありました。
言葉が出るのが少し遅めでしたが、「男の子は言葉がゆっくりだから大丈夫」と言われ、しばらく様子を見ていました。
しかし、少しずつ話せるようになっても、何を考えているのかわかりにくい「気持ちが伝わらない」状況は変わりませんでした。
「楽しいのかな?」
「嫌なのかな?」
本人の気持ちが分からず、毎日どう関わればいいのか迷っていました。
2.繊細な子の気持ちが伝わらないのはなぜ?
繊細な子は、他の人の気持ちには敏感だけど、自分の気持ちには気づきにくい傾向があります。
脳の中では、「他人の気持ちを感じる部分」と「自分の気持ちを感じる部分」は別々に発達します。
そのため、自分の気持ちを理解するのが少し苦手で、表情やしぐさで伝えるのも控えめになりがちです。

また、言葉がまだ少ない幼い子どもだと、表情やしぐさで気持ちを伝えるしかありません。
でも繊細な子は、敏感で受け取る情報が多いため、脳の処理に時間がかかることがあります。
そのため、考えていることや感じていることがすぐに表情やしぐさに出ないことがあります。
だからママから見ると「何を考えているのか分からない」と感じやすくなるのです。
さらに、いつも控えめでも、感情のスイッチが敏感なので、強い刺激があると急に泣いたり怒ったりすることがあります。
こうした繊細な子は、ママから見ると「気持ちが分かりにくいのに、時々急に感情が激しく出る」と感じられ、そのギャップに戸惑ってしまうのです。
3.ハイタッチで変わった繊細な子との関わり
そんなときに取り入れたのが「非言語コミュニケーション」です。
実は、脳が気持ちを表す方法は「話す」と「動く」の2つだけです。
言葉以外の動きで気持ちをやり取りすることで、子どもが「今の気持ちってこういうことなんだ」と少しずつ意識できるようになります。
特にわが家で効果があったのが「ハイタッチ」です。
「やったね!」
「できたね!」
「楽しいね!」
と声をかけながら、笑顔で手のひらを合わせるだけ。
シンプルですが、子どもにとって分かりやすく、すぐに取り入れられる方法でした。
最初は私が手を差し出すと、息子はとまどいながらちょこんと手を合わせてくれるだけでした。
でも続けていくうちに、自分から手を差し出すようになり、少し離れていても笑顔で駆け寄ってハイタッチをしてくれるようになりました。
気持ちを言葉で説明できなくても、ハイタッチで「うれしい」「できた」という感情を表現できるようになったのです。
表情も柔らかくなり、少しずつ気持ちを出せるようになりました。

今では会話ができるようになった息子ですが、ハイタッチは今も大切な親子の合図。
「気持ちを分かち合える方法」として、私たちの親子のコミュニケーションの一部になっています。
ハイタッチは、ママも子どもも笑顔にし、親子の信頼関係を深めるふれあいの時間にもなります。
気持ちを伝える第一歩として、今日からお子さんと「いえーい!」とハイタッチをしてみてくださいね!
お子さんの繊細さに困っているママへ対応策をご紹介しています!
執筆者:くぼ あかり
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)




