お子さんの癇癪への対応に疲れ切っていませんか?でも発達障害・グレーゾーンの子どもの手に負えない怒りや癇癪は、実はお母さんへのSOSです。みんなやってしまいがちな、けどやっちゃいけないNG対応とは? |
【目次】
1.お子さんの癇癪への対応に疲れ切っていませんか?
2.発達障害・グレーゾーンの子どもは、なぜそんなに感情が爆発しやすいの?
①不安になりやすい
②自分の気持ちを表現できない
③怒りをコントロールできない
3.子どもからのSOSに対して、お母さんがやってしまいがちなNG対応とは?
①怒りに反応すること
②笑う(苦笑する)こと
③声・表情が暗い、イライラ・怒っているオーラ
1.お子さんの癇癪への対応に疲れ切っていませんか?
こんにちは!この中で、お子さんの癇癪への対応に疲れ切っているお母さんはいらっしゃいませんか?
発達障害・グレーゾーンの子どもは、日常生活のさまざまなシーンで、怒りの感情が爆発することがあります。
・気に入らないことがあると、すぐに怒る。
・「バカ!」「アホ!」と大声を出す。
かつての息子がそうでした。まるで瞬間湯沸かし器のようですよね。保育園の先生から報告をもらうたびに
・「何度言ったらわかるの?悪い子ね!」
・「なんなの、その口のききかたは!」
毎日毎日、自宅でお説教。そして子どもの寝顔に謝る日々…。のちほど詳しくお話ししますが、これ、ぜーんぶNG対応なんです。
確かに幼稚園、保育園のときには、担任の先生に限らず「園全体」で一人一人を見て下さっていますよね。
でも小学校に入ると、生徒35人に対して先生はたったの1人だけ。しかも時間割通りに学校生活は進むので、ひとりひとりの困りごとになかなか対処できないのが現状です。
そこに癇癪持ちの子どもがいると、どうなるかわかりますよね?
授業どころではなくなるので、どうしても怒られる機会が多くなります。クラスメイトからも「怒りんぼう」「乱暴する子」と誤解されてしまいます。
そして先生から報告を受ければ、今度はお母さんから家で怒られます。
こんなふうに家でも学校でも怒られることが続くと、どうなるかわかりますか?
癇癪がひどくなるばかりか、「どうせ僕(私)は」と自信がなくなって、何事にも無気力・無関心になってしまいます。
せっかくの小学校生活、そんなことになるのは絶対に避けたいですよね。
2.発達障害・グレーゾーンの子どもは、なぜそんなに感情が爆発しやすいの?
では発達障害・グレーゾーンの子どもは、なぜそんなに感情が爆発しやすいのでしょうか?それにはいくつか理由があります。
◆①不安になりやすい
発達障害・グレーゾーンの子どもは、見通しが立たないと、気持ちを抑えきれないくらい不安だったり、恐怖を感じたりすることがあります。
例えば急な予定の変更や、初めて行く場所、初めて会う人、未経験なことに不安を感じやすく、気持ちの切り替えが難しいのです。
◆②自分の気持ちを表現できない
発達障害・グレーゾーンの子どもは言葉の発達がゆっくりなお子さんが多く、充分な表現力がありません。
自分の気持ちにぴったりあった言葉を見つけられないので「バカ!」「嫌い」などといった言葉を発してしまうこともあります。
相手にわかってもらえないもどかしさが、怒りとなってあらわれることもあります。
◆③怒りをコントロールできない
自分の意思が通らなかったり、急な予定の変更があったり、好きなことをしているときにストップをかけられたりすると、感情をそのままストレートに言葉や態度、行動に出してしまうことがあります。
とくに、注意欠陥多動性障害(ADHD)の子どもは、その衝動性からカッとなって大声を出す、暴言を吐く、手が出る、といったトラブルが起きてきます。
そして、これらの理由に共通するのが「子どもの怒りはSOS」だということです。
大人から見ると誤解されるような行動ばかりですよね。でもこれらはすべて脳の発達のアンバランスさから起こっていること。
子ども自身にもコントロールできないのです。ですから、お母さんが怒って注意しても、また同じことを繰り返します。
まずはここをしっかり理解してあげたいですよね!
では、SOSを出している子どもに「してはいけないNG対応」って、具体的にどんなことだと思いますか?
3.子どもからのSOSに対して、お母さんがやってしまいがちなNG対応とは?
そんなこと言われたって、毎日毎日トラブルばっかり。こっちがSOS出したい!というお母さん。わかります。でも、うっかりこんな対応していませんか?
◆①怒りに反応すること
子どもが怒りをぶつけてきたことにイラッとして「生意気なこと言ってるんじゃないの!」などと、言いかえしていませんか?そうなると、お子さんはさらに冷静さを失い、猛反発してきます。叱ったところで、子どもの怒りはおさまりません。
◆②笑う(苦笑する)こと
発達障害・グレーゾーンの子どもは、嫌な記憶をため込みがちだと言われています。
それでなくても日々褒められることより、叱られる場面が多いですから、常に劣等感や反発心を抱えています。そして、「僕(私)はできる」という自信を奪われています。
こちらはそんなつもりがなくても、叱られ続けて自信をなくしている子どもは悲観的になりやすいです。笑われることで、バカにされていると思うことがあります。
◆③声・表情が暗い、イライラ・怒っているオーラ
叱っているつもりはなくても、お母さんの声や表情が暗いと、子どもは叱られているように感じます。
子どもの脳は、お母さんの言葉よりも、その表情や雰囲気から、怒っている、怒っていないを判断します。ですから「ママが怒っている」と感じてしまうと、お子さんは戦闘モードから抜け出せません!
いかがでしたか?お母さんが無意識にやっていることがお子さんの癇癪をさらにヒートアップさせてしまうことがあります。
まずはこの3つのNG行動に気をつけて、日々接してみてくださいね。
次の記事『年長の冬からはじめる!発達障害・グレーゾーンの新一年生就学準備 思いをキャッチするママの対応編②』では、お子さんの思いに寄り添う具体的な方法についてお伝えします!
執筆者:須藤ゆかり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)