春休み目前!発達障害・グレーゾーンの子どもがポジティブに新学年を迎えるためのお母さんの対応~通知表への声かけ術~

もうすぐ春休みですね。春休み前には、通知表や保護者面談など気になるイベントもあります。ポジティブな気持ちで新学年を迎えるには、春休み前の過ごし方にポイントがあります。ネガティブな記憶になりやすい「通知表への声かけ術」もご紹介します。
 
 

【目次】

1 今から春休みが始まるまでの過ごし方を大切に!発達障害の子どもたちにポジティブに過ごしてほしいワケ
2 子どもが通知表を見せたときにどう対応する?お母さんの声かけ術

 
 

1 今から春休みが始まるまでの過ごし方を大切に!発達障害の子どもたちにポジティブに過ごしてほしいワケ

 
 
早いものでもう3月!今年度も残りわずかになりました。
 
 
この1年、子どもがぐんぐん成長して安心した!というお母さんもいらっしゃれば、お友だちや先生とのトラブルが続いて心配ごとが絶えなかった…というお母さんもいらっしゃるでしょう。
 
 
ただ、どちらの場合だったとしても、発達障害やグレーゾーンの子どもたちにとって、これから春休みが始まるまでのわずかな期間の過ごし方がとても大切なのです。
 
 
「終わりよければすべてよし!」という言葉がありますよね。
 
 
将来、子どもがこの1年を振り返って「楽しかった!」と思うのも「最悪だった…」と思うのも、今から終業式までの毎日を、ポジティブに過ごせるかネガティブに過ごしてしまうかにかかっている、といっても過言ではないのです。
 
 
それは、脳の記憶のシステムに理由があります。
 
 
人の記憶は、最初と最後が強く記憶されるという特性があります。
 
 
つまり、学校でいうと学年のスタートである4月と、学年のラストである3月の記憶が鮮明に残るのです。もちろん、2学期に多い運動会や、文化祭も鮮明な記憶として残ります。
 
 
ただ、1年間を総評していい1年だったか、つらい1年だったかを決定づけるのは、4月3月にかかっているといえるのです。
 
 
 
 
4月はもう終わってしまいました。お母さんの対応で変えられるのは、今しかありません!
 
 
子どもが将来、この1年のことを思い出したときに
 
 
「最悪の1年だった…」
「あれもこれもできなかった!」
「先生が本当に嫌だった!」
 
 
とつらい思い出ばかりがよみがえるのは、お母さんも悲しいですよね。
 
 
「いろいろあったけど楽しかった!」
「○○はうまくできるようになった!」
「△△は頑張れた!」
 
 
ポジティブな思い出として残してあげてください。
 
 
特に、発達障害やグレーゾーンの子どもたちは、ポジティブな思い出よりもネガティブの思い出を強く記憶してしまう特性もあります。
 
 
定型発達の子どもと同じような体験をしていたとしても、記憶に残るのはつらい思い出ばかり…ということもありえるのです。
 
 
だからこそ3月のこの時期、この1年をポジティブな気持ちで締めくくるためにも、お母さんの対応が大切になってくるのです。
 
 
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2.子どもが通知表を見せたときにどう対応する?お母さんの声かけ術

 
 
3月のこの時期、今年度をポジティブに終わるために、お母さんができる対応はたくさんあります。
 
 
今回は、春休み前にネガティブな思い出として記憶に残りやすい「通知表」への対応をご紹介したいと思います。
 
 
さて、1学期、2学期のことを思い出してみてください。お母さんは通知表をもらったとき、子どもにどんな風に声をかけましたか?
 
 
通知表へのリアクションって難しいですよね。相対評価・絶対評価と形式はいろいろありますが、子どもの勉強を数字で評価されます。
 
 
例えば、通知表が1や2ばかりだったり、前学期よりも大きく下がっていたりしたら、お母さんもショックで声をかけるどころではないかもしれません。
 
 
子どもの反応も
・お母さんが心配するほど落ち込むタイプ、
・ケロッとしているタイプ
・言い訳して開き直るタイプ…
いろいろあります。
 
 
お母さんもどんな風に声をかけたらいいか悩むこと、ありますよね。
 
 
落ち込んでいるのなら、 「次は頑張れば大丈夫だよ!」「お母さんも勉強をみてあげるから」と励ましたり慰めたりするかもしれません。
 
 
ケロッとしているなら、「自分のことでしょ!もっと真剣に考えなさい!」と叱ってしまうかもしれません。
 
 
通知表の結果が良くないと、お母さんも心配のあまりついガミガミ言ってしまったり、落ち込んでしまった子どもと一緒にお母さんまで落ち込んでしまったり…ということになりがちです。
 
 
これではポジティブな思い出にはできませんよね。
 
 
1学期、2学期にこんな声かけをしていたお母さん。3学期は少し内容を変えてみませんか?
 
 
ます最初に、子どもが通知表を渡してくれたら、必ず言ってあげてほしいことがあります。それは、
 
 
「1年間、お疲れさま」
「見せてくれてありがとう!」
 
 
です。
 
 
この1年間、楽しいことばかりではありませんでしたよね。先生やお友だちとうまくいかなくてトラブルになってしまったことや、疲れてしまって学校をお休みしてしまったことがあったかもしれません。
 
 
まずは1年間を乗り切ったことを「お疲れさま」とねぎらってあげて ください。
 
 
 
 
また子どもは、自分の通知表の内容を分かったうえで、お母さんに渡しています。結果があまり良くなかった場合、お母さんに見せることをためらうのも当たり前です。
 
 
「どうしよう、全然ダメだった…」
「どうしてこんなに下がってるの?って怒るかな…」
「勉強しなさい!って言われるかな…」
 
 
子ども自身も、評価を受け止めきれていないこともあると思いますし、通知表を見せたくない気持ちもあると思います。
 
 
特にネガティブな気持ちを持ちやすい、発達障害やグレーゾーンの子どもたちは「この世の終わり…」というレベルで受けとめている可能性があります。そんな気持ちを抑えてお母さんに通知表を渡してくれるのです。
 
 
「見せてくれてありがとう」
 
 
とお礼を言ってあげれば、子どものネガティブな気持ちもきっと和らぎます。
 
 
子どもの気持ちを和らげておくと、通知表の内容についてお母さんが声をかける段階でも、子どもが素直に聞き入れることができるでしょう。
 
 
お父さんがお給料を持って帰ってこられたときのリアクションをイメージすると、分かりやすいかもしれません。
 
 
お給料の額面がどうあれ、「ありがとう、お疲れさまでした」と伝えますよね。子どもの通知表も同じ対応でOKなんです!
 
 
まずは、1年間も元気に過ごせたことをねぎらい、通知表を渡してくれたことにお礼を言ってあげてください。
 
 
子どもがポジティブな気持ちで新学年をスタートさせるためにも、3月はネガティブな思い出を作らないことが大切です。
 
 
「お疲れさま」
「ありがとう!」
 
 
という一言があれば、お互いの気持ちが和らぎますよ!ぜひ試してみてくださいね。
 
執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)
 
 
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