5歳の息子が発達障害と診断されてもうすぐ1年になります。息子なりに成長が見えますが、できないところにどうしても目が行ってしまい、将来自立できるか心配でたまりません。息子の将来、どうなるんでしょうか。
5才・男の子のママ
発達障害・グレーゾーンのお子さんの将来が心配、と言うお気持ちはあたりまえ。でも、ただ心配して過ごすだけでは何も起こりません。お母さんに考えてほしいポイントについてお話しします。
発達科学コミュニケーション
リサーチャー 丸山香緒里
【目次】
1.超ネガティブ!子どもの将来を心配しすぎていた私の日課
2.機械化される仕事、新たに生まれる仕事
3.発達障害の息子を持つ私が、息子の将来のために考えていること
①会社に入る
②専門性のある仕事に就く
③パフォーマーやアスリートに育てる
④家族で会社を立ち上げる
1.超ネガティブ!子どもの将来を心配し過ぎていた私の日課
発達障害・グレーゾーンの子どもを育てていると、集団についていけない様子を目の当たりにしたり、できないことが目についたりして、「この子、大丈夫?」と不安になりますよね。
「将来、自立できるんだろうか?」
「私がいなくなったら、どうなるんだろう?」
など、どうしても将来に対してネガティブに考えてしまいます。
私には発達障害・自閉症スペクトラムと診断された息子がいます。3歳で診断がおりたとき、息子は発語はあるものの、コミュニケーションが苦手。それなのに誰にでも距離ナシでグイグイ行く状態でした。
「この子、将来仕事できるだろうか…営業なら人懐っこいから何とかやっていけるかも…」なんて思っていました。
職業を思い浮かべては、「これなら息子にもできるかも?」とか、「この職業になるにはこういうチカラ必要か…ちょっと無理かも」と一喜一憂するのが私の寝る前の日課。「やっぱり厳しいかも…」と考えて暗い気持ちで眠りにつく、という日々でした。
ネガティブ過ぎですよね。いま思うと自分でも突っ込みどころ満載ですが、相談者さんのお気持ちはよく分かります。
将来が不安なのは当たり前。不安でたまらないお母さんに、考えてほしいポイントがあります。
2.機械化される仕事、新たに生まれる仕事
過去の私は、今ある職業を息子に当てはめて「できそうか、できなさそうか」と考えていました。
もしお子さんの将来が不安で私と同じことをしているなら、実は全く意味がありません!
2013年に発表されたオックスフォード大学の論文、「THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION?」をご存じでしょうか?
この論文では、取り上げた702の仕事のうち47%が機械化により自動化される可能性が高いと結論付けて、世界中で話題になりました。
47%、約半分の仕事が人の手を不要とする。確かに衝撃的です!
私たちの子どもが社会に出る10年~15年後には、既になくなっている仕事もありそうです。反対に、新しい仕事もどんどん生まれてきています。「ユーチューバー」はここ数年で一気に「仕事」として認識されました。
このように、私たちの子どもが生きていく時代は、これまでの仕事がどんどん消え、新しい仕事が生まれる時代なんです!
ここで大切なのが、お母さんが「自立」をどのようにとらえているか、ということ。
過去の私は、
・大学生になったら一人暮らしをして
・大学を卒業したらそこそこ安定している会社に入って
・そのうち結婚して、子どもを育てる
というようなことを「自立」と考えていました。
これってまさに私が選んできた人生です。そんな私が「そこそこ安定している」と思って入った銀行、担当していた融資の仕事は機械化によって消える仕事なんだそうです。
私たちの時代の「安定」が子どもたちにとっての「安定」ではないこともあるのです。
子どもがどうなれば「自立」したことになるのか?
会社に入ることが自立なのか?
会社に入れなければ自立したことにならないのか?
会社に入らなければ自立したことにならない、と考えていると、どんなに会社が合わなくても頑張って働くしかありません。
でも、今はそういう時代ではありませんよね。新しい仕事がどんどん生み出されているのであれば、お子さんも、お母さんも自らの手で仕事を創り出すことだってできるはずです!
もちろん「会社」のなかで力を発揮できる人もいます。でも、お子さんの将来が不安なお母さんは、ぜひ「新しい仕事を生み出す側になれないか?」という視点を持ってください。
将来の仕事に対して、複数の選択肢を持っていること。これが将来の不安をやわらげる1つのポイントです。
3.発達障害の息子を持つ私が、息子の将来のために考えていること
発達障害の子どもの将来が不安なら、複数の選択肢を持つことが大切だとお伝えしました。実際、私は複数のイメージを持つようにしてから、「不安」だと感じなくなりました。
複数の選択肢を持っていると、子どもの将来がどんどん広がっていくように感じます。選択肢が多いと、「このなかのどれかには落ち着くだろう」とも思えます。
私が発達障害の息子のために考えているイメージをご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
◆①会社に入る
過去の私のように会社に入社する、という選択肢です。スムーズに入社するためには、今のところ高校や大学には行っておいた方がよさそうです。勉強はそこそこ頑張ってもらわないといけないので、勉強を嫌いにさせないように気を付けています。
「勉強する子はスバラシイ!天才だ!」と伝えているせいか、今のところ勉強に対する抵抗はなさそうです。この4月から小学校に入学するので、勉強は丁寧にやっていきたいです。
◆②専門性のある仕事に就く
看護師さん、薬剤師さん、美容師さんなど、資格や技術を武器に働けるのは魅力的だなと感じています。
私の友人はネイリストですが、シンガポールや台湾などで腕一本で活躍中です(言葉は片言でもインスタグラムでお客さんが来るそうです)。彼女のように独立もできるので将来の選択が広がると思います。
息子の今年の夢が「目の看護師さん」(視力を計測してくださる方)なので、応援したいです!
◆③パフォーマーやアスリートに育てる
今息子はスケート、和太鼓、乗馬の習い事をしています。とても熱心に習っているので、このまま続けて、和太鼓のパフォーマーになったり、アイスホッケーや馬術のアスリートになるのもいいかなと思います。
◆④家族で会社を立ち上げる
私と主人で起業して、息子が社会に出るころまでには軌道に乗せるという選択肢です。私たちが起業して息子が継げば、当面くいっぱぐれることはないので安心ですし、私たちも定年なしに一生好きなことで働けます。
去年から言い出した息子の夢が「お寿司屋さん」なので、家族でお店を持つのもいいなと思ったり、私の実家が農家なのでおいしいお米を育てるのもいいなと思ったりしています。
また、私がこんな風にウェブライティングの仕事をしていますので、オンラインを活用したら、場所も問わずにやりがいのある仕事をすることもできるよ、ということも伝えたいです。
いかがでしょうか?こんな風に私でもたくさんの選択肢が思い浮かびます。
もちろん選択肢は不安にならないための勝手な想定ですが、相談者さんもきっとお子さんの将来にワクワクしてくると思います。まだまだ小さいので、この先たくさんの体験をしてお子さんの好きなことを見つけていきましょう。
お子さんの将来を大いに期待してくださいね!
「夢を語る」は親子のコミュニケーションがスムーズになってこそ成立します。こちらで詳しく解説しましたので、ぜひお読みくださいね。
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執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)