発達障害のわが子が周りとうまくコミュニケーションがとれない、子どもに集団への苦手意識を持たせたくないけれど、どうしてあげたらいいんだろう、というお母さん必見!家庭でできるコミュニケーションを身につける方法をお伝えします。 |
【目次】
1.新しいクラスに対する発達障害のお子さんの不安、少しでも減らしてあげませんか?
2.タイプ別!発達障害の子が集団でのコミュニケーションが苦手な原因
①できれば一人で過ごしたいタイプ
②集団に入りたくて一生懸命空気を読むけれど、それに疲れてヘトヘトになるタイプ
③友達大好き!アクティブでポジティブな空気を読まない突撃タイプ
3.家庭でできる!どのタイプにも万能なコミュニケーションを身につける方法
1.新しいクラスに対する発達障害のお子さんの不安、少しでも減らしてあげませんか?
春は進学・進級とどんなお子さんにとってもワクワク、ドキドキする時季ですね。発達障害のお子さんにとっては期待よりも不安が高まってしまうことも多いのではないでしょうか。
また、お母さんも「今度のクラスはどうかしら」とヤキモキしている頃かもしれません。
発達障害のお子さんは、新しい環境に対する不安から友達の輪に入っていくのが苦手だったり、ワクワクしすぎてハメを外しトラブルを起こしてしまったりすることも。
友達関係のトラブルや不安は少しでも減らしてあげたいものですよね。でもそのトラブルや不安は、人それぞれ。まずはお子さんがどんなところに苦手さがあるのか見てみましょう。
2.タイプ別!発達障害の子が集団でのコミュニケーションが苦手な原因
発達障害の子は集団の中でコミュニケーションをとることが苦手…と言われやすいです。しかしその苦手さは発達障害と言っても一括りでは語れません。わかりやすく3つのタイプで集団に関わることへの苦手さについてお伝えします。
①できれば一人で過ごしたいタイプ
1つ目のタイプはマイワールド大好き!できれば一人で過ごしたいタイプ。
独特な感性を持っている、と言え換えてもいいかもしれません。自分の世界観に強いこだわりがある分それ以外のことには興味が沸かない。集団におかまいなしで一人を好むタイプです。
できれば誘わないでほしいし、誘われても断り方もわからないし、人とガヤガヤと騒ぎたいわけでもないので、「なんで声をかけるんだよ!」いうのが本音です。
周りの大人が良かれと思って集団に入らせようとしても人と交わることのストレスを強く感じる子もいます。ただし、注意して欲しい点として、自閉傾向の強さに応じてどう対応していくかの判断が必要になります。
②集団に入りたくて一生懸命空気を読むけれど、それに疲れてヘトヘトになるタイプ
2つ目のタイプは集団に入りたくて一生懸命空気を読むけれど、それに疲れてヘトヘトになる子。
友達とは仲良くしたいから会話に入っていくけど、うっかり空気を読み誤ってしまい場を乱してしまう。次こそは!と思ってチャレンジを重ねるけどうまく空気が読めないので失敗を重ねてしまい、次第に集団に入りづらくなってしまう。
「友達に嫌われたらどうしよう」「また失敗しちゃった…」コミュニケーションへの苦手意識ばかりが強くなり、学校に行きづらくなってしまうお子さんもいます。
③友達大好き!アクティブでポジティブな空気を読まない突撃タイプ
3つ目のタイプは友達大好き!アクティブでポジティブな空気を読まない突撃タイプ!
発達障害の中でも注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプのお子さんに多いのですが、楽しそうなことにすぐ興味を示すので空気を読まずに「なに?なに?楽しそう!」「僕にも聞かせて!」と言ってガンガン突っ込んでいく。
友達が嫌そうな顔をしてもあまり響かない。行動が派手な分あちこちでひんしゅくを買ってしまい、最終的には先生にも友達にもちょっと距離を置かれてしまう。
こんな具合に「集団の中でコミュニケーションをとることの苦手さ」と言ってもタイプによって困りごとの現れ方が全く違うのです。ではそんな子どもたちに、どのようにコミュニケーションを身につけさせてあげればいいのでしょう。
3.家庭でできる!どのタイプにも万能なコミュニケーションを身につける方法
「集団の中でコミュニケーションをとることの苦手さが3種類ある」といっても、あれもこれもお母さんたちがマスターするのは大変ですよね。でもどのタイプにも共通して対応してほしい基本の対応があるのです!
それは一番身近で一番安心できる存在のお母さんとの会話で会話の成功体験をつませてあげることです。
コミュニケーションが苦手だからと言って、集団へ入れればコミュニケーションが上手になるなんてことはありません。そもそもコミュニケーションのとり方がわからないのですから何回やっても「成功」しない!
失敗を繰り返せば繰り返すほど誰とも関わりたくない、失敗した…何が悪いんだろう…自分の殻に閉じこもったり自信を失ったりしてしまいます。だからこそお家での「会話の成功体験」が必要なのです。
自分の興味のない話を少しでも聞いてくれたら
「お母さんの話を聞いてくれてありがとう」
空気を読めたときは
「そうだよ!よくわかったね!」
自分の興味本位でガツガツ入ってきたら
「今、お母さんが 話していいかな?」
「待ってくれてありがとう」
自分の気持ちをうまく伝えられない子には
「今の、すごくわかりやすかったよ」
「教えてくれてありがとう」
こんな感じで「いいよ!できているよ!」という体験をたくさんさせてあげてください!
発達障害の子の集団の中でコミュニケーションをとることの苦手さは小学校高学年以降、学校への行きしぶりや不登校の原因にもなりやすいです。
だからこそしっかりお家でトレーニングしてあげられるといいですね。
執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)