ゲーム好きな発達障害ADHDタイプの息子は、ゲームをやめる約束の時間になってもやめません。時間を守らせたい私は、何度も終わる時間だと告げるのですが、それでもやめないのでゲームを取り上げる強行手段に出ざるを得ません。でも、それが原因で親子バトルになってしまいます。ゲームと上手に付き合う方法はあるのでしょうか?
10歳・男の子のママ
我が家の発達障害ADHDタイプの息子も、大のゲーム好き。ゲーム時間を守れず、親子バトルは日常茶飯事。しかし、このバトルの根本的な原因を解決したことで、親子バトルはなくなりました。我が家のゲームと上手に付き合えるようになった方法をご紹介します。
発達科学コミュニケーション
トレーナー 依川晴美
【目次】
1.どうしてゲーム時間が守れないの?
我が家の息子は、ご相談者さんのお子さんと同じで、発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプ。
この発達障害ADHDタイプには
・注意力のコントロールが苦手なため、楽しいことに過集中
・精神的に努力負荷が高いことを避ける
・時間感覚が希薄
・精神的に努力負荷が高いことを避ける
・時間感覚が希薄
などの特徴があります。
まさに、ゲームは楽しい仕掛けがいっぱい!
少し難しい局面でも、楽しさが勝って、努力負荷なくミッションクリアができ、達成感を感じられる。
だから、あっという間に時間がたってしまうため、約束の時間になっても
「あとちょっと」
「これだけ終わったら」
「これだけ終わったら」
こんな風に、ゲーム時間を守れず、ズルズルと時間を引き延ばしてしまうのです。
2.ゲームで親子バトルが勃発する原因
私(母親)は、時間通りに行動したいタイプ…というと聞こえがいいですが、自分の見通しを変えれないこだわりが強いタイプ。
そんな私が聞いた先輩ママからの助言は「ゲームを買う前に『約束の時間』を決めたほうがいいよ。」でした。
子どもがゲーム依存になっては困ると、ゲームの設定時間をネット検索し、私が一番見かけた時間。
『ゲームは1回30分、1日1時間まで』
これを約束時間にして、ゲームを購入しました。
発達障害ADHDタイプの息子も小さいころは、私が設定した時間どおりにゲームをしていました。
しかし、様々なゲームをやるようになり、設定した時間を超えることが増えてきました。
「ゲーム時間過ぎてるよ!」
「〇〇の時間になったんだから、いいかげんにやめなさい!」
「〇〇の時間になったんだから、いいかげんにやめなさい!」
時間通りに行動させたい私は、いつまでもゲームをやめない息子に苛立ち、ゲームを敵対視。
そして、カッとなった私がゲーム機を取り上げ、息子が癇癪を起こして部屋から出ていく…そんなやり取りが日常化。
そのうち、私にゲーム機を取り上げられないように、息子が先にゲーム機を隠すようになり、ゲーム以外でも反抗的な態度が増えていきました。
この親子バトルの原因は、お互いのこだわり(息子はゲーム、私は時間厳守)だったのです。
3.発達障害ADHDタイプの息子への対応策
私は、息子の反抗的な態度から非行などの二次障害へ発展することを恐れ、発達科学コミュニケーション(発コミュ)を受講することに決めました。
発達科学コミュニケーション(発コミュ)を学ぶと、息子の反抗的な態度は、私の「ガミガミ」によって、自分を否定されたと感じているからだと分かりました。
そこで、ゲームへの対策は、
① 信頼関係の修復
② ゲーム時間の見直し
② ゲーム時間の見直し
という2ステップで対応することにしました。
◆①信頼関係の修復
まず最初に「信頼関係の修復」です。
「起きたね」
「食べたね」
「食べたね」
などできていることだけに目を向けて、ありのままを褒める。もちろん、ゲーム時間を守れなくてもスルーです。
私は言いたいことをグッと抑え、この対応を徹底。
すると、2週間ほどで、私の言葉に耳を傾けるようになり、息子の素直さが戻ってきました。
◆②ゲーム時間の見直し
ゲームに関しては、お互いのこだわり(息子はゲーム、私は時間厳守)をすり合わせる必要があると感じました。
そのために、「ゲームの設定時間」を見直し、息子はゲームへの、私は時間へのこだわりを満たす調度いいところを探ります。
一方的に時間を伝えることはせずに、
「そろそろ約束の時間なんだけど、そのゲームはどれぐらいで切りがつくものなの?」
とゲームの切りの良い時間を探る声掛けに変更。
すると、ゲームによって切りが良い時間はまちまちで、約束の30分では終わらないゲームがあることも分かってきました。
私が切りのいい時間を何度も聞くので、最初は息子にウザそうにされました(笑)が、肯定の声掛けを続けると…
そのうち「このゲームはだいたい〇分が切りがいいかな」と教えてくれるように。
適正な時間が把握できれば、こちらもその時間を意識して声掛けができます。
たとえ、一度言って終われなかったとしても、最終的にゲームを終えたときに「ゲームやめれたね」と肯定の褒め。
すると、今では「よし、終わろう!」と息子が自分でゲームを切り上げることも。
また、1日1時間という決まりはなくし、
「その日にやるべきことを計画的にこなせばよい」
「ゲームは夜9時30分以降はやらない」
「ゲームは夜9時30分以降はやらない」
と我が家オリジナルの約束に変更。
こうして、我が家は、ゲームを巡る親子バトルを卒業しました。
4.ゲームと上手に付き合う方法
相談者さんも、まずは信頼関係の修復から始めてはいかがでしょうか?
そのためには、相談者さんの忍耐は必須です!
ただ、その先にある楽しい親子関係をイメージして、息子さんのできていることすべてに、笑顔で、
「いいね~」
「○○してるんだね」
「○○してるんだね」
とありのままを認める気持ちで褒めてください。
ゲームに関しても、否定的な言葉は言わず、「ゲームしてるんだね」と。
息子さんは、自分の好きなことに肯定的な態度を向けられると嬉しいと感じると思います。
その次に、息子さんがやっているゲームの切りのいい時間を把握しましょう。
最初はウザがられるかもしれませんが、笑顔で忍耐(笑)!
そのうち、我が発達障害ADHDタイプの息子のように、切りのいい時間を教えてくれるかもしれません。
このように、親子で共通の見通しを立てることが、ゲームと上手に付き合う方法だと思います。
また、ゲームは子どもの脳を発達させるツールだと感じています。子どもの脳は「楽しい」と感じるとき、グーンと成長します。
まさに、ゲームをしているときの脳。これを使わない手はないですよね!
お母さんが、お子さんのやっているゲームに興味をもって「これはどんなゲームなの?」と聞いてみてください。
きっとお子さんは、お母さんと「楽しい」を共有するために、一生懸命話しだすと思います。
そして、お母さんと笑顔で会話をすることで、会話の成功体験が積まれ、自信にもつながっていくのです。
そんなふうに、ゲームを上手に活用したコミュニケーションも意識してみてくださいね。
執筆者:依川晴美
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)