小学校1年の娘がいます。元々、楽しいことをたっぷりと楽しんだ後でも、嫌なことがあると、この世の終わりのような嘆き方をするところがありました。宿題でも、少しでもうまくいかないところがあると「全然できてない!」と癇癪を起こします。これって発達障害なのでしょうか?とても生きづらそうで心配です。
小学1年生・女の子のママ
いろいろな出来事をネガティブに捉えやすかったり、完璧を求めすぎたりする脳の特性をもっているのかもしれません。我が家の7歳になったばかりの娘にも、似たようなところがあります。でも、家庭での声かけで少しずつ和らいできているので、その様子をご紹介しますね。
発達科学コミュニケーショントレーナー 原 しおり
【目次】
1.発達障害?ただ怒りっぽいだけ?気になる娘の特性は、ゼロ百思考!
私も、娘の極端な思考パターンに悩まされてきました。
普段は好奇心旺盛で、何事にも真面目に頑張る娘です。
でも、身体的な痛みの経験や、できたかできないかで評価されることが起きると、とてもネガティブになり、癇癪を起こし涙することが多くありました。
美味しいものを食べに行っても、舌を噛んだら、台無し。
縄跳び練習をしていて、20 回の新記録の後に3回で引っかかったら、自信喪失。
楽しい1日も、頑張ったひとときも、全てを帳消しにしてしまう娘の思考回路を想像すると、とても苦しく、切なく、悔しい思いをしてきました。
発達科学コミュニケーションに出会い、発達や脳科学の勉強をするうちに、それが「白黒思考」「ゼロ百思考」「二分割思考」などと言われることを知りました。
ただ怒りっぽい子だというわけではなく、自分でコントロールすることが難しい、脳の特性の一つだったのです。
2.このまま放っておくとどうなるのか?
では、娘はこのまま育っていくとどうなるのでしょうか。
大人でもこのような特性を持っている人がいますよね。「完璧主義」と言われるものです。
なんでも本当に完璧にできるのであれば、人生うまくいくと思いますが、実際にはそうはいきません。
挫折のたびに、うまくいかなかった部分だけに注目し、自己肯定感を失っていくかもしれない。
今は果敢にいろいろな挑戦をしていくけれども、自信が無くなったら、どうなってしまうのか。
とても苦しい生き方になることが想像できますよね。
でも、私はもっと幸せな生き方を見つけてほしい。
諦めないで挑戦し続けるその心持ちは大事にしながら、自分の良いところもうまくいかなかったことも受け止められる子に育ってほしい。
そう願って学びました。
ちょうど、幼児期(3歳〜8歳ぐらい)は脳の発達の黄金期。
私は、学んだことの実践をすぐに進めることにしました。
3.キーワードは成功体験!大事な自己肯定感を保とう。〜我が家の2つの実践事例〜
では、実際にどのようなことをしたのか、ご紹介しますね。
例えば、縄跳びや上り棒などに挑戦する場面。
まず、一番最初のビフォーの記録を動画や写真、数字の記録で取ります。
そして、うまくいった瞬間も、しっかりと視覚的にわかるように、写真や動画におさめます。
もちろん、右肩上がりで上手になっていくわけではありませんので、うまくいかずに気持ちが落ち込みかける時もあります。
そういうときは、ネガティブモードになる前に、さっといいときの写真などを見せて気持ちを切り替えさせることで、落ち込みすぎずに済むようにしました。
2つ目は宿題をうまく活用します。
スムーズに取り組み始めたときが、チャンスです。
自分でやり始めたことをたくさん褒めながら、さりげなく、書き方や見るべきところをアドバイス。
「ここは真っ直ぐじゃなくてちょっとカーブさせて書くといいよ」
「ここ、一緒に数えてみよう」などなど。
最初は、学校で提出したときに、とにかく花まるがもらえるように協力を惜しまず、手伝いました。
どちらも、小さな成功体験を目に見える形で積むことを意識しています。
すると、娘の様子も少しずつ変化してきました。
ひらがなの書き取りでは、「こっちはちょっと失敗したけれどこっちはうまくできたよ」とプリントを見せてくれたり。
一輪車の練習では、「今日はここまでできるようになった!」と自分の成長を実感して笑顔で抱きついてきたり。
少しの失敗や、できるようになるまでの道半ばにいる、できたりできなかったりする自分を、受け入れられることが増えてきました。
「やればできる」
「まあいっか!」
こんな風にもつぶやけるようになった娘の成長がとても嬉しいです。
これからも続けていこうと思っています。
ぜひ、お子さんに成功体験を積み重ねて、子どもが持つ自己肯定感を保ってあげてくださいね。
執筆者:原 しおり
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)