漢字を書けないことで子どもの将来に悪い影響があるのではないかと不安なお母さん、ギフテッド(2E)の賢いけど困りごとが多い子には、漢字が書けない以外にもできないことがたくさんあります。そこに注目し続けるとどうなるのか?できないことに注目しないためにはどうしたらいいのかをお伝えします。 |
【目次】
1.ギフテッド(2E)の息子は、漢字が書けない!?
2.発達に凸凹がある子のできないことに注目するのはNG!
3.得意なことに注目するとどうなるの?
4.苦手なことへの対処法
①好きなことを使って、伸ばす
②苦手を手放して、機械に任せる
1.ギフテッド(2E)の息子は、漢字が書けない!?
たくさんの漢字は読めるのに、実は漢字が書けない!そんなうちの息子は実はギフテッド(2E)でした。
ギフテッドとは、IQが130以上と高く、学習スピードが早かったり、特定の分野で才能を発揮したりする子のことを言います。このギフテッドと呼ばれる子達の中には、ギフテッド(2E)と呼ばれる発達障害の子がいるんです。
詳しくはこちらをご覧くださいね。
我が家の長男が、学校の先生から最初に発達を指摘されたきっかけは、漢字が書けないことでした。
1年生の頃から、買い物の時に4桁の計算でおつりの計算ができるのに、みんなが合格する漢字テストに合格できない。再テストを繰り返していました。
2年生になると再テストでも合格することが難しくなり、担任の先生から「発達に凸凹があるのではないか?」と指摘を受け、知能検査をすることになりました。
知能検査を受けたところ、IQは高いが項目によりばらつきがある。つまり、発達に凸凹がある、発達障害であると診断されました。
当時、私の中に発達障害の知識はなく、ギフテッドという単語も知らず、私の中の発達障害のイメージと息子の印象の違いに混乱しました。
そして、私が息子が漢字が書けないという事実を知って対応は、時間をとって漢字練習をすること。できないのなら練習すればいいと考え、苦手な漢字練習を強要しました。
しかし、長男にとって、漢字を書くということは、どんなに頑張ってもできるようになるものではなかったのです。
そのことに、私は、気が付いてなかったんです!
できないならできるようにしなければ!知能が高いのだから、やればできるはずだ!と、息子を責め続けました。
その結果…
息子は、本の世界に逃避し、目も合わせなくなりました。
目も合わせなくなった息子は、周りともトラブルが増えました。
私がトラブルの対応に追われる日々に疲れきっていたときに出会ったのが、発達科学コミュニケーション(発コミュ)でした。
発コミュで習った、「あること」を実践したら、息子がみるみる変身していったのです。
今回は、漢字が書けなかった息子がどんな対応で変身したのか、その秘訣をお伝えします!
2.発達に凸凹がある子のできないことに注目するのはNG!
まず私は、息子の苦手なことに注目することを止めました。
なぜ、発達凸凹の子の苦手なことに注目してはいけないのでしょうか?
もし、あなたが泳げないとしたら、泳げないあなたを海に投げ入れて、「とにかく泳ぎなさい!」と命令する人を信じられますか?
発達障害の子にとって、できないことをやらせられるということは、泳げない人を海に投げ入れる行為と一緒です。
やりたくてもできないことなのです。
苦手な作業を常に強いられ、しかも、それが「できてない!」と言われ続けたら、自信は育ちませんよね。
自分なりに努力してるのにできない。
周りのお友だちは、自分のできないことをいとも簡単にやっている。
大好きなお母さんまで、できないことをやらせようとする。
そんな状況では、間違えたらどうしようと緊張して、失敗してしまったり、やる気が起きなかったり、いいことなんてひとつも起きないのです。
3.得意なことに注目するとどうなるの?
そして、私は得意なことに注目しました!
うちの息子は、科学が大好きです。博物館や科学館が大好き!
そこで、漢字の練習などのできないことを練習することをやめて、科学館や博物館に通い、どんどん知識を増やして行けるように環境を用意しました。
すると、科学館や博物館でほめられることが増えていきました。
すると、ギフテッドとして、能力を発揮し始めました。ドンドン知識を広げていき、たくさんのセミナーに行きたがりました。
4.苦手なことへの対処法
では、苦手なことはどうしたらいいのでしょう?
◆①好きなことを使って、伸ばす
実は、うちの息子、あるところに行くと文字を書くことが分かったのです!
それは、セミナーです。しかも大人用のものです。大人用のセミナーに行くと大量の情報を得ることができます。
ギフテッドと言えど、大人のセミナーの内容を一度で全て暗記することはできません。
そこで、メモを書く必要性が出てきます。好きなことを使うと少々本人が苦手にしていることでもできてしまうのです。
だからと言って、セミナーにばかり行ってられませんよね。
そこで、本人がワクワクすることを使って、苦手を練習することにしました。
<我が家の場合>
長期休みの計画を利用して、楽しいことのために文字を書く練習しました。
まず、
①図書館でガイドブックを借りてきます。
②ガイドブックの行きたい場所に付箋を貼ります。
③行きたい場所のリストを作るために紙に書き出します。
というルールを息子に伝えました。
すると、ゆっくりですが文字を書き始めました。もちろん書き間違えているところもありますが、苦手な文字を書いたということをほめました。
待っていると、少しずつですがリストをドンドン増やしていきました。
脳は使うことにより、それを行う回路ができていきます。繰り返し使うことにより回路ができればドンドンできるようになります。
苦手なことでもワクワクすることを使うと、脳を発達させられますよ♪
◆②苦手を手放して、機械に任せる
そして、苦手なことをするのは、大人でも大変なこと。苦手なことをたくさん練習してストレスを溜めるより、時には機械に任せることもポイントです。
現代では、たくさんの機械が活躍しています。一人一台コンピューターを持つ時代。プログラミングの授業も始まりますね。
そんな時代だからこそ、苦手なことは機械にやってもらいましょう。
<我が家の場合>
得意を伸ばすために書くことを手放しました。
スマートフォンの音声入力アプリをダウンロードして、子どもに使い方を教えます。しばらく遊んで使い方を覚えてもらいます。
使い方がわかったら、息子の好きな読書の記録を作る方法を教えました。
すると、少しずつ読書記録が増えるのと同時に、息子が苦手としていたアウトプット能力がアップしました。絵を書いたり、粘土で船をつくったり、自分を表現し始めました。
思考力が高いギフテッド(2E)は、苦手を手放して、機械に任せることで思考スピードがさらに育ちますよ。
ぜひ、試してみてくださいね。
賢いけど、困りごとがたくさんあるギフテッド(2E)の子の才能を伸ばすには、
・できないことに注目しないこと
・できないことは機械に任せて、できることに注目すること
この2つが必要になります。今日から、ぜひ、お子さんの才能に注目してみてくださいね。
できないことにこだわらない子育て情報配信中です。
執筆者:神山彰子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)