勉強してほしいのにゲームやYouTubeばかりしている子どもにイライラ。どうすれば勉強にやる気を出すことができるのだろう?と考えているお母さんは多いと思います。思春期の発達障害・グレーゾーンの中学生の勉強スイッチを入れる方法をご紹介します。 |
【目次】
1. 思春期真っ只中の中学2年生は中だるみでダラダラ
2.発達障害があってもなくても中学2年生は中だるみ
3.中学生が勉強をやるようになる2ステップ
①お母さんがガミガミをやめること
②子どもに勉強での成功体験を積ませる
1. 思春期真っ只中の中学2年生は中だるみでダラダラ
うちには中学3年受験生の息子がいます。中学入学当時は、勉強も部活も頑張っていました。
ところが、思春期が本格化する中学1年生の後半から勉強は必要最低限の課題や宿題をやる程度。それ以外はほとんどやらなくなってきました。
本人の希望により小学校の頃から塾には行かずに自宅で通信教育を続けています。
長年続けていた通信教育も、なかなか進まなくなってきたのが中学2年生のときです。
部活から帰って来ればしばらくはスマホです。宿題のある日は宿題はやりますが終わったらまたスマホ。
宿題のない日は、ずーっとスマホを見続けソファーでゴロゴロ。スマホが終わったら次は大好きな野球ゲーム。
一体いつ勉強するの?と私は内心イライラソワソワの日々を送っていました。
2. 発達障害があってもなくても中学2年生は「中だるみ」
中学2年生になって忙しくなるのが部活ですね。練習が厳しくなり、試合やコンクールに出場する機会も増えます。
体の疲れはもちろんレギュラー争いや先輩としての活躍が期待されるので、精神的な負担やプレッシャーも大きくなります。
必要最低限の宿題をなんとかこなすことで、精一杯になってしまう子も多くなりますね。
また、中学1年生のときには緊張感があった子も学校生活に慣れ、気が緩んでくるのがこの時期です。
中学入学当初に比べて、そんなに一生懸命に勉強しなくてもなんとかなるという「余裕や慣れ」が出てきます。
他にもいろいろと要因があると思いますが、「中だるみ」が起きやすくなるのが中学2年生です。
・部活の身体的疲れ、精神的プレッシャー
・塾や習い事(スポーツクラブ)の疲れ
・学校生活への慣れ
このように「中だるみ」になってしまった子どもは、やる気が起きないためにやるべきことがなかなかできず、自分の好きなことや楽なことに流れてしまいます。
特に発達障害・グレーゾーンの子の場合、脳の特性により自分の好きなことや興味のあることに集中してしまう傾向にあります。
やりたい気持ちを抑えられず、やりたいことを優先してしまいます。
自分のやりたいYouTubeやゲームを「やめる」ことができないのです。「やめる」ことができないので、「やるべきこと」に時間が取れないことが多くなってしまいますね。
・ゲームをダラダラしてしまう
・YouTubeを見続けてしまう
・暇つぶしについつい友達とラインをしてしまう
また、発達障害・グレーゾーンの子は見通しを立てることが苦手です。見通しを立てることが苦手なために計画を立てること自体が苦手です。たとえ計画を立ててもそれをきちんと守ることができないことが多いですね。
思春期の中学生は「なんとかやめなくては」と感じていても、ダラダラを「やめる」ということが難しいのです。
3. 中学生が勉強をやるようになる2ステップ
ここでは中学生が勉強をやるために必要な2つのステップを紹介します。
◆①お母さんがガミガミをやめること
お母さんは、ダラダラがやめられない子どもを見るとついガミガミ言いたくなってしまいますね。
お母さんがまずするべきことは、ガミガミをやめること!
「勉強しなさい!宿題しないさい!」と言った命令や指示はかえって逆効果!人は「〇〇しなさい」と言われることほどやりたくなくなるものです。(心理的リアクタンス)
また、「スマホ見るのをやめなさい!YouTubeは禁止!ゲームは取り上げるわよ!」などと言った「〇〇はしちゃダメ!」と言った禁止されたことほど子どもはあえてそれをしたくなるものです。(カリギュラ効果)
子育て中のお母さんはどうしても指示・命令・禁止が多くなってしまいます。まずは1週間ガミガミを封印してみましょう。
◆②子どもに勉強での成功体験を積ませる
勉強をしない子の多くは「勉強が楽しくないから」と思っているのではないでしょうか?ゲームに集中できるのは楽しいからです。
子どもが行動するには「楽しい」が重要になります。「勉強が楽しい」と思えるには、「できた」という成功体験が必要になります。
まずお子さんが「得意な教科」もしくは「好きな教科」を見つけ、その1教科に集中させることです。
中学校では中間テストや期末テスト以外でも、小テストや単元の確認テストがあります。
少しの努力で点数が狙えそうな、得意な教科に集中して勉強させましょう。
苦手な教科を頑張らせたいと思うお母さんは多いと思います。けれど、苦手な教科をいくら頑張らせてもなかなか成果は出ません。
それどころか、成果の上がらないことで子どのやる気が失われてしまいます。
好きな教科や得意な教科を伸ばす方が、子どもにとってもハードルが低くなり成功体験につながりやすくなります。
勉強の習慣がない子は、初めは10分という短い時間でも構いません。特に発達障害の子の場合には集中力が長く続かないことが多いですね。
自分の好きな教科のワークを毎日10分やる。まずはそれだけで十分です。何もやらなかった子が10分できるようになっただけでもすごいことです。「10分集中できたね!」と必ず褒めてあげてくださいね。
たった10分でもその積み重ねが、1ヶ月後のノートを見返したときにはものすごい量になっています。
「こんなに頑張ったんだね」とお母さんが子どもの努力している部分を認めてあげると、お子さんはもっと頑張ろうと思ってくれるはずです。
くれぐれも「もっと頑張りなさい!」なんて余計な一言は言わないようにしてくださいね。
私は息子の中学への入学当初から、発達科学コミュニケーションで学んでいましたので、子どもへの指示・命令・禁止が子どもには全く響かないことをよくわかっていました。
息子も中学2年生の「中だるみ」の時期は、テストの順位がかなり下がりました。それでも、私は一切「勉強しないさい」とは言いませんでした。
中学3年生になり部活も引退し、まわりが自然と受験モードに入り、息子も勉強モードに切り替わりました。
先日のテストでは、1学期末の3者面談で目標とした点数よりも上回った点数を取ることができました。
2年生のときに「勉強しなさい」「スマホ禁止」なんて、ガミガミ言わなくて本当に良かったと思っています。
思春期の子どもはお母さんからの指示や命令は大嫌いです。子どもが得意な教科で成功体験をつめるように見守ってあげましょう。
また、思春期のお子さんへの悩みはこちらの記事でも解説しています。合わせてチェックしてくださいね。
思春期の子のやる気を引き出す方法をご紹介しています。
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執筆者:深井淳子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)