発達障害ADHDの年長の息子は、絵が苦手です。絵が下手ではないと思うのですが独特な絵を描きます。息子を傷つけずにどう褒めたら良いのでしょうか。
年長・男の子のママ
発達障害の子どもの中には、絵が上手に描けない子がいます。我が家の小5の長男も、発達障害ADHD傾向があり、絵が下手ではないのですが芸術的なのか何と言って褒めたらよいか分からないくらい独特な絵を描いていました。しかし、現在は絵が大好きで、だいぶ上手になりましたので褒めるコツをお伝えします。
発達科学コミュニケーション
リサーチャー 高嶋ともこ
【目次】
1.作品展で感じた不安と気づき。5歳で絵が描けない?
発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)の子どもが描いた絵が下手な時に、なんて声をかけていいか困ってしまうことはありませんか?
我が家にも、小学5年生の発達障害ADHD傾向の子どもがいます。幼少期は、絵が上手ではありませんでした。
例えば、人物の絵は、耳が内側についていたり、人の首がなかったり、肩から手が出ていたり、足がなかったり…このような絵を描いていました。

特に記憶に残っていることは、息子が幼稚園の時の作品展です。1年間、制作した絵や作品がたくさん飾ってあります。
比べてはいけないと頭では分かっていても、飾られている我が子の絵と他の子どもの絵を比べてしまっていました…。
特に、大きな絵だと独特な絵が余計に目立ち5歳になっても絵が描けないと毎年ショックを受けていました。
息子には、「何を描いたの?」と聞き、息子の答えに「そうなんだね。」と答えることくらいしかできず息子になんて声をかけてあげればいいか分からずにいたんです。
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2.ADHDで絵が下手に見えるのはなぜ?5歳でも描けない理由
「5歳で絵が描けない」「ADHDで絵が下手かもしれない」と感じる背景には、発達の流れと脳の特性が関係します。
できないのではなく、まだ育っている途中の力があるだけ。以下のポイントを知ると、見方がガラッと変わります。
◆ 眼と手のチームワークが弱い
見た情報を手の動きに結びつけるのが難しく、線を思い通りに引けなかったり、形をなぞるのが苦手に見えます。ADHDタイプでは注意が揺れやすく、同じ線を継続して描くこと自体が負担になることも。
◆ イメージがつかみにくい
「うさぎを描いて」と言われても、頭の中でうさぎの形を鮮明に思い浮かべにくい子がいます。イメージがぼやけると、絵に落とし込むことが難しくなります。
◆ 指示が抽象的だと迷う
「バナナを描こう」だけだと、一本?房?皮はむく?など条件が定まらず手が止まりがち。描く対象を具体化すると一歩踏み出せます。
◆ 見本を見ても“同じに”できない
形・色・立体の情報処理が追いつかず、見本と自分の手元のズレが大きくなります。ここでも「同じに描くこと」がゴールだと自信を失いやすいです。
◆ 5歳でも描けない?この時期の“つまずきポイント”
- ストーリーや背景を描きたいのに、人物や物の配置が難しい
- 全体と部分のバランスが取りにくく、誇張や省略が増える
- 枚数を重ねるより「短時間で次の遊びへ」になりやすい(ADHD)
結論:「絵が下手」ではなく、脳の育ち方と特性の表れ。具体化と成功体験の積み上げで、必ず前進します。
いずれにせよ、発達障害ADHDの子どもが絵が苦手で上手に描けないのは、脳の発達が未熟な部分があり、脳の発達がアンバランスであることが原因なのです。
弱い部分を少しずつ伸ばせば、絵が苦手で下手だとしても上手に描けるようになるので、安心してくださいね。
3.お母さんの声かけで上達する!絵を褒めるポイントはコレ!
まずは“嫌いにさせない”が最優先。「上手さ」より「楽しさ」と「できた実感」を積み重ねましょう。次の褒め方は、ADHD傾向や5歳のつまずきにも効きます。
勉強も同じですが、嫌いにさえならなければ、後からいくらでも上達させることができます。
今絵が苦手だとしても周りの大人が嫌いにならないような声かけを意識していくことを1番大事にしてください。嫌いにだけにはならないように、あたたかく見守ってあげましょう。
また、絵に限らず、どんなことに対しても言えることですが、褒めることは、完璧に上手にできたときだけではありません。
発達障害ADHDの子どもは、上手くいかないことが多いです。上手くいくまで待って、褒めようと思っていると、褒めるタイミングを逃してしまいます。
褒め逃すことないように途中でも褒めること・肯定することで子どもが発達するチャンスになると考えてくださいね。
自信がつくと、自分で創意工夫することができるようになり、より上手に描くにはどうしたらいいか自分で考えていくことができるようになります。
苦手なことでも、お母さんの声かけ次第で上達したり好きになったりプラスになっていきますよ。
それでは、お子さんが描いた絵を褒める・肯定するポイントをお伝えします。
◆部分的に褒める
「この色が素敵だね!」や「この線がまっすぐだね!」「このお花が綺麗に描けたね!」とお子さんが、描いた絵の中で上手だった部分を見つけて褒めます。
◆興味や関心を示す
「これは、何を描いたの?」「これはどうしてこの色にしたの?」とお母さんが興味や関心があることをお子さんに聞いてみます。お母さんに興味を持ってもらえると、子どもは認めてもらったと感じます。
◆絵から感じた感情を話す
「楽しそうだね!」「ユーモアがあって好きだよ!」「お母さん、この絵が好きだよ!」などお母さんが感じたことを伝えます。
◆完成までの過程を褒める
「最後まで一生懸命描いたね!」「姿勢良く描いているね!」など絵を描いた過程のことを褒めます。
いかがでしたか。今、絵が下手だったり、絵を描くことが苦手な発達障害ADHD傾向の子どもも大人の声かけの次第で、またやってみようとチャレンジする力がつき、その積み重ねが自信になります。
さて、現在の息子はと言うと、絵を描くことが大好きで、だいぶ上手に絵を描けるようになりました。人物の絵は、首や腕、足もある通常の人の絵が描けるようになりました。
好きなアニメのキャラクターを描くことが好きで、より上手く描くには、どうしたら良いか自分で創意工夫をして描いています。
図工の成績で「よくできている」という1番良い評価をもらってくることもありますし、私が思わず感動してしまうような素敵な絵を描いたりすることもあります。
苦手なものほど、お母さんがたくさん肯定的な声かけをしてあげてくださいね。嫌いにさえならなければ、後からいくらでも上達することができますよ。
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絵が描けない発達障害に関するよくある質問(FAQ)
Q1:3歳で絵が描けないのは発達障害?
A1:必ずしもそうではありません。発達の流れや特性によって個人差は大きいです。3歳はまだまだ未発達なところがあってもいたって問題ありませんが、そのことを周囲の大人が不安に思いすぎると逆に絵を毛嫌いしたり、かえって絵を描かなくなる可能性もあります。
Q2:顔しか描けないのは問題?
A2:4歳ごろに体や手足が出てくることが多いので、焦らず今できていることを大切にしてください。幼児期はまず人の顔を認識する力が大きいです。
Q3:家庭でやってはいけないことは?
A3:他の子と比べることや、「なんでできないの?」と責めることはやめましょう。挑戦を認める声かけが大切です。
Q4:好きな遊びを伸ばすと絵も上達しますか?
A4:はい。ブロックや粘土などで「形をつくる感覚」を育てると、絵にも変化が表れる場合があります。形をうまくとらえる力がつくことが絵にも影響してきますよ。
Q5:5歳になっても絵が描けないのは発達障害?
A5:必ずしもそうではありません。5歳でも発達のペースには個人差があります。対象を具体化し、短時間で描き切る練習を積むと、表現の幅が広がっていきます。
Q6:ADHDで絵が下手に見えるとき、家庭でできるコツは?
A6:「1分チャレンジ」で描き切る経験を増やす、テーマを具体化する、過程を褒める、作品を飾って自己効力感を育てる、の4点が効果的です。
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執筆者:高嶋ともこ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)