娘は現在、年長組の6歳になります。発達障害傾向がありますが、幼児期から始まったセリフ口調の会話にとても違和感を感じています。年齢が上がるにつれ、他人との対話も増えてくるので自然な話し方ができるようにさせてあげたいと思っています。何か良い方法はありませんか?
6歳・女の子のママ
幼児期においては、セリフ口調でもさほど困ることはないかと思われます。しかし、相談者さんの年齢を考えるとそろそろ自然な話し方ができるようにしてあげたいですよね。今回は我が家で実践して効果が出た方法をお伝えします。ぜひこの冬休みに試してみてくださいね。
発達科学コミュニケーションリサーチャー みずおち梨絵
【目次】
1.発達障害傾向の幼児に多いセリフ口調とは
2.違和感しかない娘とのやりとり
3.年齢に関係なく絶大な効果を発揮した読み聞かせの方法
①絵本の中のやりとりを最大限に利用
②振り返りをしながら想像力を掻き立てる
1.発達障害傾向の幼児に多いセリフ口調とは
お子さんのセリフ口調のやりとりに困っていらっしゃいませんか?
テレビで聞いた口調をそのまま使ってしまったり、本人の気持ちがこもっていない話し方をしたり。対人関係が苦手なことや、空気を読み取ることが苦手なことが理由の一つとして考えられています。
発達障害傾向のある幼児のお子さんの中には、お母さんが子どもの話し方に違和感を持っていらっしゃる方が多くいます。
幼児期ならまだ子ども同士のやりとりもそう多くはなく支障は少ないかも知れません。しかし、年齢が上がってくるにつれ、だんだんと周りとのやりとりも多くなり困ることが増えてしまうかも知れませんね。
だからと言って会話の中で、子どもの話し方に都度注意していたら話すこと自体が楽しくなくなってしまいます。それだけは絶対に避けていただきたいです。
今回はお母さんと楽しく、かつ自然な話し方に導ける方法をお伝えします。ぜひ、この冬休みを最大限に利用して試してみてくださいね。
2.違和感しかない娘とのやりとり
ここで我が家の話しをさせていただきます。
我が家にも幼稚園に通園する子どもがいます。今は年長になりましたが、年少の頃に娘の度々現れる「セリフ口調」に悩んでいました。
テレビで覚えた言葉はもちろん、自分の気持ちを伝えてくるときでさえ、棒読みされたセリフのような口調…
話し方に抑揚もなく、感情もなく、話しをしている私はとても違和感を感じていました。私が強い違和感を感じているほどなので、他の人はもっと違和感を覚えていたかも知れませんね。
私は、娘が話した内容よりも口調の方が気になってしまい、そこを指摘するようになっていきました。
「なんか、話し方が変だよ!何か読んでいるみたい!」と…
一生懸命話しをしている娘にはとてもかわいそうなことをしたなと思っています。聞いてほしい内容ではなく、口調をずっと注意されている娘はどんな気持ちだったでしょう。
しかし、この話し方は違和感が強すぎるし、年齢が上がってきたら困るのは娘だと危機感を次第に覚えるようになりました。
そこで、指摘するのではなく、教えるのでもなく、楽しく自然な話し方に導くことができないか?と。
そこで絶大なる効果を発揮したのが、次項でご紹介する「絵本の読み聞かせ」だったのです。
3.年齢に関係なく絶大な効果を発揮した読み聞かせの方法
今年の冬休みはご家庭で過ごされる方も多いのではないでしょうか?ぜひ、この時間を最大限に利用して絵本の読み聞かせを通しお子さんの気になる口調を緩和させてあげましょう。
我が家では次にご紹介する2つの方法を読み聞かせの際に行いました。幼児期などの読み聞かせをするような年齢であれば有効かと思います。
◆①絵本の中のやりとりを最大限に利用
絵本は内容にもよりますが、物語になっていて会話形式で進んでいくものが多くないですか?どうぶつのやりとりだったり、人間同士のやりとりだったりと。
この会話形式のやりとりを最大限に利用します。やり方としては、会話の部分を読むときにはお母さんは気持ちを込めて読むようにお子さんに読み聞かせをしてください。
よく、読み聞かせのときには抑揚をつけたりせず、感情を込めずに淡々と読む方が絵本の内容が入ってきやすいため良いと言われることもあります。しかし、内容の理解よりも、まずは楽しさを教えてあげてくださいね。
慣れてきて物語の情景が理解してきたら、特に抑揚とかつけず淡々と読むときがあってもいいかと思います。
◆②振り返りをしながら想像力を掻き立てる
絵本の中の会話のやりとりだけを理解しても実際の場面には置き換えられないので、情景を想像できるようにしてあげてください。
絵本をよみ終えたあとに振り返りをすることをお勧めします。
例えば、
・くまさん、どんな気持ちだったかな?
・女の子はなんで泣いていたんだろう?
・〇〇くん、とても驚いていたよね。
など。そうすることで、絵本の中の情景が想像でき、内容も入ってきやすくなります。お子さんと振り返るときに顔で心情を表現してもいいかも知れませんね。
発達障害傾向のあるお子さんは、相手の表情が読み取れないということをよく言われたりします。しかし、お母さんとおこなう毎日の読み聞かせの中で、様々な場面に触れることで感情を学ぶ機会もでき、いつの間にかセリフ口調から卒業できます。
我が家の読み聞かせも、ここでご紹介した通り、最大限に絵本を利用しています。初めは抑揚を強くつけ、だんだんと子どもの様子を見ながら調整しています。
年長になった今でも、ずっとこの方法で読み聞かせを行なっていますが、気がついたときには娘のセリフ口調はなくなっていました。
そして、最近では表情も口調も自分の気持ちを表しながら話してきます。お友達の表情も読み取れるようになっており、帰宅すると幼稚園でのお友達の様子を教えてくれることも多くなりました。
この冬休みはコロナの影響もあり、ご家族で過ごす時間も多くあると思います。ぜひ、お子さんとたくさんの絵本に触れ、お子さんの心を育ててあげてくださいね。
私も冬休みは図書館へいき、たくさん絵本を借りてこようと思います。
読み聞かせの効果的なやり方については、こちらの記事でも紹介しています。あわせてチェックしてみてくださいね。
執筆者:みずおち梨絵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)