娘は現在、幼稚園に通う3歳です。不安が強いのか、他の子が楽しく遊んでいるのに、娘はお友達と遊べないことが多く、悩んでいます。子ども同士で遊べるようにしてあげたいのですが、どう働きかけてあげたらよいでしょうか?
3歳・女の子のママ
お子さんがお友達と遊べないと心配になりますよね。お母さんが、子ども同士で遊んでほしいと思われるのも分かります。無理強いせずに、お母さんの声かけ一つで子どもに自信をつけてあげることができるんですよ。
発達科学コミュニケーションリサーチャー みずおち梨絵
【目次】
1.3歳になってもお友達と遊べないのはどうして?
子どもが1~2歳のときには、お友達との交流といってもお母さんが一緒にいるケースが多いと思います。
3歳くらいになるとお友達と遊ぶことが楽しくなり、だんだんと子ども同士で遊ぶようになってきます。いわゆる「ごっこ遊び」を始めるのも、このころです。
ところが、他の子どもが楽しそうに一緒に遊んでいるのに、お友達と遊べないというお子さんもいます。それには、主に2つの理由が考えられます。
◆ひとり遊びが好き
自分が興味を持ったことを自分のペースでやりたい子どももいます。
子どもになかなかお友達ができないと親は心配になりますが、本人が一人を気にせず楽しそうなら、気長に見守っていきましょう。お友達と遊びたくなったら、自分から動き出しますよ。
◆不安が強い慎重派
子どもが不安が強く、本当はお友達が欲しいけどできない、一緒に遊びたいけど言えないと、慎重に様子を見ていることがあります。
一緒に遊びたくても、お友達との関わり方を周りの様子を見ながら自然と学ぶことが難しく、どうしたらいいかも分からない子もいます。 このような子どもの場合は、お母さんの出番です。
今回は、私が娘へ実際におこなったことを交えながら、子どもが自信をつけてお友達と遊べるようになる対応をお伝えします。
2.不安が強い娘がなかなかお友達と関われなかった日々と私の失敗
私にも不安が強い小学校1年生の娘がいます。娘が子ども同士で遊べるようになったのはここ数ヶ月のこと。
幼稚園生活では、担任の先生から「娘ちゃんは自分からお友達に関われないんです」と、親としてはなんとも切なくなるようなお話しをされていました。
幼稚園の帰りにお友達と公園に行ったときや、幼稚園の送迎時に園庭にいるときには、ずっと私に張り付いているか、私に一緒に遊ぶよう要求するかのどちらかでした。
周りのお友達は子ども同士で遊んでいます。そこに私が加わることで、子どもたちの空気感も一気に変わってしまっていました。
子ども同士で遊ぶ際には、自然にまざって遊びが成立していくもの…そんなふうに思っていた私の目の前には、なかなか輪の中に入れず、ポツンと立ちすくむ娘の姿がありました。
そこで私は、「ほら!みんな遊んでいるじゃん。行ってきなよ」と背中を押すことが日常になっていました。嫌がる娘に対し、どうして?の想いが爆発して、イライラしたのを覚えています。
不安が強いことを頭では理解しながらも、この子はお友達と本当は遊びたい気持ちがあるんだから、大丈夫だろうと甘く考えていました。
明らかに間違えた対応を続けた結果、娘はお友達と関わること自体を拒否するようになってしまいました。嫌がっているにもかかわらず、適切な乗り越え方を教えなかったのですから、当たり前ですよね。
そこで、不安をこれ以上強めないために、そして今の状況を楽しいと思えるものにするために、無理強いしないことを前提に、不安に寄り添う声かけを続けるようにしました。
実際に我が家でおこなってみて、声かけのタイミングと子どもにかける言葉がいかに重要かを知ることになりました。
次項で説明していきますね。
3.自信をつける声かけはサンドイッチが鍵
我が家で効果のあった、自信をもって子ども同士で遊べるようになる声かけは、遊びの前後をサンドイッチすることが鍵でした。
遊ぶ前に「楽しめるといいね!」と一言。遊び終わって「△△ちゃんと一緒に鉄棒をやっていたね。とっても楽しそうだったよ!」と一言。
このやりとりを毎回繰り返すだけです。うまくお友達と関われるかな?と不安がピークになる時は遊ぶ前です。そのときに、子どもに軸を向けて「あなたが楽しめるといいね」の気持ちを伝えます。
この場合、多くのお母さんは「仲よく遊ぶんだよ」と声をかけがちですが、これはNGです。仲よくしなきゃいけないという気持ちが先行してしまい、不安が増してしまう可能性もあります。まずは我が子が楽しめる気持ちを優先してあげてくださいね。
そして、遊び終わって帰宅するときには、子どもに振り返りの声かけをします。お友達同士でいるあなたはとても楽しく遊んでいたよ!と本人に気がつかせてあげるためです。
我が家では遊びの前後にこちらの声かけを行った結果、娘は子ども同士で遊べるようになりました。
そして、幼稚園の担任の先生からも、「最近では自分からお友達の輪を広げる努力をしていますよ」と嬉しいお言葉をいただきました。
今では、降園後に幼稚園のお友達親子と一緒に寄る公園では、私の元には何時間も戻ってきません。
戻ってくるのは、おやつの時間と転んで泣いてしまったときくらいです。
あんなに私から離れずお友達同士では遊べなかったときが嘘のように変わりました。とはいえ、もともと不安が強い娘の気質もあり、新しいお友達と遊ぶときには困惑することもあります。
そんなときは、声かけのサンドイッチ対応をして、娘に自信がつくように、お手伝いをしています。
仲良く遊べるかは二の次。まずは、お友達と遊ぶことが楽しいものなんだということを教えてあげてくださいね。
皆さんのお子さんがこれからの人生でよいお友達に出会えますように!
執筆者:みずおち梨絵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)