娘は現在、小学校1年生です。発達障害傾向があります。小学校では学習が始まりましたが、勉強嫌いの娘との親子バトルが多くなってしまいます。どうしたら良いでしょうか?
7歳・女の子のママ
勉強は一度嫌いになるとなかなか好きに戻すことが難しくなります。我が家の実例をあげて、親子バトルを早急に終わらせる方法をご紹介します。
発達科学コミュニケーションリサーチャー
みずおち梨絵
【目次】
1.発達障害傾向のある子どもの勉強嫌い
小学校から本格的に始まる勉強。自分の子どもの頃を思い返してみても、周りの子どもたちに聞いても、なかなか「勉強が好き!」という回答は聞けないものですよね。
正直、私は勉強が楽しいと感じるようになったのは大人になってからです。大人になり、やらされているのではなく、自分の知りたい!と思う気持ちが、楽しい!に直結しているからなのでしょうね。
皆さんのお子さんは勉強が好きですか?特に発達障害の傾向があると、特性の影響で勉強嫌いになってしまうことがあるのです。
その理由として、
・座ってお話しを聞くのが苦手
・読み書きが苦手
・一斉指示の理解が苦手
・集中が途切れてしまう
など。この状況が続くと、勉強についていけなくなってしまい、いつの間にか楽しくなくなってしまうのです。
特に、学校という場所は耳からの情報がほとんどです。視覚優位のお子さんにとってはとても不利になってしまうことも。
勉強が嫌いになるのは、わからないから!つまらないから!ということがほとんどです。そのように思いながら、授業の数十分を座っていなくてはならないって考えただけで苦痛ですよね。
勉強嫌いにさせないためには、早めに手を打つことも大切です。今回は、「勉強嫌いになってしまうかも!」と娘へ懸念を抱いた私がおこなっている方法をお伝えします。
2.娘のやる気が失せた親子バトル
勉強を進んでやるお子さんもいらっしゃるでしょうが、なかなかやらないお子さんの方が多かったりするのではないでしょうか?
となると、お母さんはやらせることに必死になり、お子さんはそれに反発するようになる…この行き着く先が親子バトルです。
一度親子バトルに発展してしまうと、どちらも意地になりどんどん状況は悪化してしまいますよね。
親子バトルをすることで、お母さんはお子さんへの不安が強くなるし、お子さんはどんどん勉強嫌いになってしまう。何も良いことはないのです!
ましてや、子どもが小さなうちはお母さんや、お父さんが教えてあげるご家庭も多いはず。しかし、我が子がつまづくとだんだんとイライラしてきませんか?
そして、投げかけなくても良い言葉を言ってしまいお互いが気分良くなく終わるんですよね。
しかし、どのようなお子さんも、勉強がわかるようになりたいのです。怠けているわけでも、ラクをしようとしているわけでもありません。
それを一番近くのお母さんやお父さんに責められたら悲しいですよね。
実は我が家も勉強の声がけをするたびに娘が反発していました。その度にバトルに発展してしまうのですが、娘が勉強になかなか取り組まない姿に私もだんだんとイライラするように。
娘も当たり前のことですが、声がけをするたびに私の口調が強くなっていくことに比例して、娘はどんどんやる気が失せていってしまいました。
最終的にはイライラする私の横で、涙をポロポロ流すようになり、とてもかわいそうなことをしました。
これでは本当に娘は私が懸念した通りに「勉強嫌い」になってしまう!と。
私のイライラは、封印です。まずは娘のやる気を取り戻す対応に変えました。次項で説明していきますね。
苦手な理由は「見る力」と関係していることも!こちらの記事でもあわせてチェックしてみてくださいね。
3.我が家ではこの2つで乗り切っています
我が家の娘は、学校で嫌いなものは?と聞くと、一番に「勉強!」と答えます。
しかし今の私はそれで良いと思っています。娘を観察すると、勉強は好きじゃないけれど、わかりたいと思っているからです。その意欲があることに伸びしろを感じています。
ではその伸びしろをどのように伸ばすのか?我が家ではこの2つです。
◆①わたしたちの子どもの頃は?
娘はまだ小学校1年生ですので、私たちが勉強を教えることも多くあります。その際、大切にしていることは、子どもの頃の記憶です。
・どのように声かけてほしかったかな?
・同じ内容も違う言葉や状況に言い換えたらスッと理解できたな。
などです。我が家でもこれを念頭に置いて娘に接しています。
例えば、同じ引き算であっても言葉はたくさんありますよね。消したら、取ったら、隠したら、いなくなったら、など。
発達障害傾向のあるお子さんは、思考に偏りがあることも多いので、ちょっとした工夫ですんなり理解ができることも多くあります。理解につながれば、学校で使われている言葉以外でも良いですよね。
実際、娘はここで?と思うところでつまづくこともあります。しかし、私の頭の中を子どもの頃に戻すことで、わかるまで一緒に向き合うことができます。
すぐに諦めがちな娘ですが、この対応によってしっかり理解につながるまで勉強に向き合うことができています。それにより、娘自身が何が苦手なのか?を伝えてくれるようになりました。
そして、「わからない」という言葉を発しやすい状況を作ることも大切です。そのときに、「大丈夫だよ。一緒に考えよう!」と声かけてもらうことで安心しませんか?
娘は、私と主人の子どもの頃のときの話をすると、とても興味を持って聞いてくれます。それと同時に、私と一緒だ!と言うことにとても安心感を持つそうです。
「ママもここ分からなかったときある?」と聞かれることもあるので、その際には自分の子どもの頃を隠すことなく話しています。そして、「こう言われたらすぐに理解できたんだよね。」などと、言い換えをさりげなく伝え娘に届けるようにしています。
今ではありがたいことにバトルをしていたのが嘘のようです。まだまだ勉強する前には声がけをしてはいますが、もうバトルになることなんてありません。すぐに取り組むことができるようになりました。
◆②お任せしたらダメですか?
どこにお任せ?と聞こえてきそうですが。世の中には子どもに勉強を教えるプロの方々がたくさんいます。
今ではコロナ禍でオンラインが進み、家の近くで教えてもらえる場所を探さないでも本当に習いたい先生と繋がることができる時代ですよね。
発達障害傾向のお子さんを専門としているプロの方も多くいらっしゃいます。その方に頼ってみるのも一つの方法です。
我が家では今、週に2回、オンラインで学習支援を受けています。とても穏やかな先生で、娘の様子をみながら授業を進めてくれます。
娘は疲れやすいこともあり、オンラインで教えてもらえることで嫌がることなく続けていけています。親の方も送迎がないぶん楽です。
継続的に見ていただいているので、できるようになったところをしっかり褒めてくださいます。わかることが増えるたびに、勉強ってわかると楽しい!と言うようになりました。私の子ども時代には発したことも、思ったこともない言葉です。
勉強は各自、理解度も異なりますし、学校生活の中ではどうしても自信を失う原因の一つです。しかし、娘は学校の宿題もスムーズに進められ、授業も落ち着いて受けられるようになりました。
もちろん外部の先生に丸投げするつもりはありませんが、ありがたいことに娘の課題も共有できます。
外部のプロの先生に頼ることで、親では見えない部分がわかり、担任の先生へ伝える際にも適切にお子さんの状況や課題を伝えることができます。
娘は学校の授業の復習になるようで、学校でも自信を持って課題に取り組むことができていると担任の先生から言われました。
以前は、「できないから」「苦手だから」「わかんないんだもん」という否定語プラス「やりたくない」と発していましたが、どうしてそう思っていたのか?に自分自身で向き合い、今はしんどいと思わなくなったと話してくれるようになりました。
宿題をする姿も、学校での様子を話してくれる姿も以前とは違う自信を持っているのがわかります。
いかがでしょうか?発達障害の傾向があると、親が全てをみるというのは大変なことも多いですよね。
お互いイライラして、親子バトルで1日が終わるなんて寂しいですよね。
勉強が苦手であっても、嫌いではなければ歩みは止まりません。たとえゆっくりであってもその歩みを確実に良い方向に伸ばしてあげたいですよね。
勉強嫌いにさせない方法を紹介!
執筆者:みずおち梨絵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)