発達障害の子や幼児の言葉の発達が遅いと感じたら、言葉の学習を高める「1UPルール」がオススメです!

発達障害の子や幼児の言葉の発達が遅いと気になっていませんか?そんなときにオススメな話し方のルールが「1UPルール」です。ぜひ家族で実践して、子どもの言葉の数が増えやすい言語環境を整えてあげてくださいね。
 

【目次】

 

1.発達障害の子や幼児の言葉の遅さが気になったら、実践してほしい「話し方のルール」

 
 
子どもの発達の相談の中で、ダントツに多いテーマが「言葉」です。
 
 
幼児期のお子さんの言葉の力を高めるために実践してほしい、「言葉の力がアップする親の話し方の基本ルール」をご紹介します。
 
 
「同じ年齢の子どものように、なかなか言葉が増えなくて心配」と、お子さんの言葉の発達に悩む保護者の方はたくさんいらっしゃいます。
 
 
特に、男の子は、女の子よりも言葉の発達がゆっくりです。
 
 
「長女はもっと喋っていたのに、この子は言葉が少なくて…」という相談も多いです。
 
 
 
 
そこで、幼児期のお子さんや、自閉症などの発達障害の傾向があるお子さんなどに実践してほしいことがあります。
 
 
子どもの言葉の力を高めるために、必ず実践してほしい「話し方のルール」です。
 
 
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2.話し方のルール、その1ー子どもの発話を数えるー

 
 
子どもの言葉の力を引き上げるために何より大切なことは、「子どもが一度に話す単語の数」を把握することです。
 
 
例えば、「ブーブー」や「まんま」など、1つの単語で話をしている段階は「一語文」と言います。
 
 
単語1つで、発話文が構成されているという意味です。
 
 
もし、「赤いブーブー」とか、「ニャンニャン、いた」など、2つの単語で話をしているなら、「二語文」の段階です。
 
 
「赤いブーブー、いた」なら、3つの単語で話をしているので、「三語文」です。
 
 
もし、まだ一言も言葉が出ないなら「前言語期」と言います。
 
 
前言語期から三語文あたりのお喋りをしているお子さんに、今日のルールは特に有効です。
 
 
もし、お子さんの言語発達の段階がはっきりしないのであれば、お子さんが発した言葉を1〜2日書き出してみてください。
 
 
 
 
「うちの子は、二語文」とか、「一語文〜二語文くらいかな」という見当がつくと思います。
 
 
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3. 話し方のルール、その2ー子どもの発話数+1語で話すー

 
 
お子さんの発語数がわかったら、あとはシンプル。
 
 
お子さんの「発語数+1語」で話すことをご家族でルール化しましょう。
 
 
例えば、1語文のお子さんには、2語文で話しかけます。
 
 
お子さん「ブーブー」
 
あなた 「ブーブー、いたね〜!」
 
 
2語文のお子さんには、3語文で話しかけます。
 
 
お子さんが「赤いブーブー」と言えば、あなたは「赤いブーブー、かっこいいね~!」という感じです。
 
 
つまり、お子さんの次の発達段階を、見本として聞かせてあげるのです。
 
 
これが「1UPルール」です。
 
 
 
 

4.言葉の遅い子に「1UPルール」をするとき、気をつけたい3つのポイント!

 
 
1UPルールで気をつけたい3つのポイントを押さえましょう!
 
 

◆①幼児が「マネできる見本」を見せる

 
 
お子さんはあなたのマネをして色々なことを学びます。発達は、1段1段、階段を上がるように進んでいきます。
 
 
1語文のお子さんが、いきなり4語文を話し始めるような、2段飛ばしや3段飛ばしで発達が進むことはまずありません。保護者の方や、先生方は、発達の階段の1段上のステップから、「おいで、おいで !」と引き上げる役目です。
 
 
だからこそ、「+2」ではなく、「+1」で見本を示すことが大事なのです。
 
 

◆②言葉を聞き取れなければ、覚えない

 
 
子どもが話しているレベルは、子どもが難なく聞き取れるレベルと考えてください。
 
 
つまり、二語文しか話せない子どもにだらだら話しても子どもは理解できません。
 
 
理解できないどころか、耳にも残らないでしょう。耳に残らなければ、新しい言葉を覚えることはできません。
 
 
言葉を増やしたいときこそ、1UPルールが有効です。
 
 

◆③叱るときこそ、1UPルールを!

 
 
親や先生の「話し言葉の数が急増する場面」をご存知ですか?
 
 
ほとんどの人が、子どもを怒っているときに話し言葉の数が激増します。
 
 
例えば、幼児期のお子さんや小学校低学年のお子さんを叱るとき、伝えたい気持ちが高まって、ついつい長々と話をしがちです。
 
 
子どもの成長を思えばこその行動なので、気持ちの面ではきっと伝わっているでしょう。
 
 
しかし、残念ながら、9歳に満たない子どもに長々と説教をしても、肝心の言葉の中身は大人が思っているほど記憶されません。
 
 
それは、言葉が長過ぎるからです。
 
 
記憶能力には人それぞれに限界があります。大人であっても子どもであっても、その人の「1文に含まれる単語数」は、一度に記憶できる情報量に近しいと考えていいでしょう。
 
 
 
 
言語能力が十分に発達していない子どもにあれこれ一気にまくし立てても、とっても残念なことですが徒労で終わる場合が多いのです。
 
 
長説教をしたときほど、子どもは案外ケロッとしています。
 
 
叱るときこそ、1UPルール!
 
 
2語文程度の子どもには、
 
「ネジネジ、しません。」
「お箸、危ないよ」
 
と2語文程度で注意しましょう。
 
 
今回は、子どもの言葉の力をアップさせるための超基本ルールについてお話ししました。子どもの耳に言葉が残るようになり、言葉の数が増えやすい言語環境を整えていきましょう!
 
 
ぜひやってみてくださいね。
 
 
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執筆者:吉野加容子
(発達科学コミュニケーショントレーナー 学術博士,臨床発達心理士)
 
 
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