発達障害グレーゾーンでASDタイプの子どもは不安が強い傾向にあり、初めてのことが苦手ですよね。小学生になって初めての給食に戸惑い、なかなか食べられなかった子どもが自信を付けて「おかわり」までできるようになった方法をお伝えします。
【目次】
1.グレーゾーンの子どもの初めての給食の感想は「美味しくなかった…」
2.初めてが苦手すぎるASDタイプ
3.「おかわり!」に挑戦できるぐらい給食が好きになる3ステップ
◆ステップ①事前にメニューのお知らせ
◆ステップ②食べれなくてもOK!「減らしてほしい」と言える練習を
◆ステップ③食べれた!の成功体験をたくさん記憶させる
1.グレーゾーンの子どもの初めての給食の感想は「美味しくなかった…」
小学生になると給食が始まるお子さんをお持ちのお母さんは学校の給食は残さず食べられるだろうか?と心配になっていませんか?
偏食があるお子さんをお持ちのお母さんは特に心配ですよね。
私の育った時代は、残さず全て食べ終わるまで下げてもらえませんでした。
給食がイヤすぎて教室を飛び出し、逃げるために門をよじ登っているところを先生に捕まえられたお友達がいたことも強烈に記憶に残っています。
発達障害グレーゾーンの子どもは脳の特性から苦手な事がたくさんありますよね。
我が家の息子の幼稚園はお弁当だったため、本人の食べやすいものを毎日決まった量だけ入れて持たせていました。
食べる事にあまり執着がないタイプなので、好きなものばかりのハズなのに、残してくる日もよくありました。
そんな息子も小学校へ入学とともに給食が始まりました。
学校から配布される給食の献立を見ると、大人の私でもどんなものかわからないメニューがたくさんあります。
特に自閉症スペクトラム症(ASD)タイプの子どもは、自分の経験がない初めての事が苦手だったり、不安が強い傾向にあります。
給食の初日、「給食どうだった?」と聞くと「美味しくなかった…」と一言。
給食が苦痛になってしまっては困るな…と思いどうしたら良いか考えました。
対応をしてきた結果、今では「給食大好き!」「今日も増やして全部食べた!」と言うまでに成長しました。
どんな事をしたのか?その方法をお伝えします。
2.初めてが苦手すぎるASDタイプ
ASDタイプのお子さんは、特性によるさまざまな苦手さを持っている場合が多いですよね。
本人にとって経験のない初めてのこと・見通しの立たないことが苦手だったり、集団行動が苦手だったり、こだわりが強いなどです。
ASDタイプのお子さんの場合、脳の発達が未熟な為に、先の見えない状況に対して、必要以上に不安を感じてしまっているのです。
なぜかというと、これは危険だと感じて警戒したり防衛したりという生きていく上で大切な反応が人間に備わっているからです。
ASDタイプの特性として、脳の発達が未熟な為に不安がいっぱいの小学校生活は特別な何かきっかけがなくても、ただ行くだけで疲れてしまう…
それに加え、初めての体験がとても多いのです。
初めてのことはドキドキするもの。 大人でも新しいことに挑戦する時は勇気がいりますよね!
そこに、失敗したらどうしよう?など考えてしまうことで嫌な記憶として残りやすく更に不安を大きくしています。
そして一度そのように記憶されてしまったことは、なかなか変える事ができません。
一度根付いてしまった不安を子どもが自分で取り除くことはどんなにわかりやすく説明されてもとても難しいです。
そのため、毎日の給食の時間の度に、不安は溜まっていく一方で、ますます不安が強くなっていってしまうのです。
脳の特性を理解して正しくお母さんが対応することが不安を少なくする鍵になりますよ!
3.「おかわり!」に挑戦できるぐらい給食が好きになる3ステップ
苦手だった給食をおかわりできるぐらいに好きになるために、我が家で行ったことは次の3ステップです。
◆ステップ①事前にメニューのお知らせ
前月の終わり頃に翌月の献立表が配られると思います。
これを毎日、夕食の時間に「明日の給食のメニューは…」と確認することにしました。
最初は私が読み上げていましたが、次第に自分で読むようになりました。
これで「明日の給食は〇〇」とインプットされるので、見通しが立って安心感が生まれます。
その時に、食べたことがないものについては、見た目や使われている素材、味などを伝えるようにしていました。
例えば、酢味噌和え。きゅうりとわかめとタコにソースみたいなものがかかっているよ、 そのソースは甘くてちょっと酸っぱいお味噌なんだって。
といった感じです。
事前にメニューを伝えるだけで、子どもたちの心のハードルがぐっと下がります。
その結果、初めてのメニューでも「少し食べてみようかな」と挑戦しやすくなりますよ!
◆ステップ②食べれなくてもOK!「減らしてほしい」と言える練習を
次に、全て食べられなくてもOKということも事前に伝えておきましょう。
グレーゾーンの子どもの特にASDタイプでこだわりが強い場合には、絶対に食べなければならないと思い込んでしまってそれが達成できず、自信を失ってしまうことがあるかもしれません。
それに好き嫌いは誰にでもあるのではないでしょうか?
私自身、食べ物の好き嫌いが多いため、子どもにはなんでも食べなさい!と指示することはできません。自分ができないですから…
その代わりに「減らしてほしい」「少なくしてほしい」と伝える練習をしてはどうでしょうか?
我が家の息子はスープ系が苦手なため、スープ類の時は具はそのままで汁だけここぐらいまで減らしてくださいと食器の外に指をあててお知らせしているそうです。
指できっちりここまで、というASDタイプのこだわりもこういう時に役に立ちますね!
◆ステップ③食べれた!の成功体験をたくさん記憶させる
最後に、食べられた!の成功体験をたくさん作りましょう!グレーゾーンの子どもの脳にしっかりと記憶させることが大切です。
・減らしたら全部食べることができた!
・食べた事がなかったけど挑戦できた!
などは自信につながります。
我が家の息子は帰宅後、今日の給食は全部食べれた!おかずを増やした!など、どれだけ自分が給食を食べられたのかをアピールしてくれるようになりました。
最初の頃は時間のギリギリまで食べていたけれど、結局食べきれず残して、その後の活動にも遅れながら参加していたようでした。
今では食べるスピードもどんどん速くなっているようで時間の使い方にも余裕が生まれているようです。
いかがでしたか?ご参考になれば嬉しいです。子ども達の給食の時間が少しでも楽しくなると良いですね!
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ASDタイプの子どもの対応についてお伝えしています
執筆者:池乃希子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)