「しばらく様子を見ましょう」
病院でも、学校でも、相談先でも、
こんなふうに言われることがありますよね。
たしかに、
時間が解決してくれるものもあります。
思春期だから。
環境が変わったばかりだから。
疲れが出ているだけかもしれないから。
そう思って、
ママも一生懸命、見守ろうとする。
けれど私は、
ここに大事な分かれ道があると思っています。
それは、
黙って見守っていい状態と、
黙って見守るだけでは危ない状態がある
ということです。
病気に例えると、わかりやすいかもしれません。
体力がある人なら、
少し休むだけで自然に回復することもあります。
薬を飲んでも、治療を受けても、
体が受け取る力があるから、
回復に向かいやすい。
けれど、
体力が落ちきっている時に、
「自然に治るかもしれないから」と何もしなかったら。
回復するどころか、
どんどん悪くなってしまうことがあります。
子どもの心も同じです。
自己効力感という
「心の体力」がある状態なら、
待つ。
任せる。
距離を置く。
それで、自分で立て直せるでしょう。
けれど、
「どうせ自分はできない」
「何をやっても無理」
「ママに言われると責められている気がする」
そんな状態まで自己効力感が落ちている時に、
ただ見守るだけでは、
子どもは回復どころか
より劣等感が強まっていくことがあります。
たとえ本人が、
「ほっといて」
「口出ししないで」
と言ったとしても、
本当に必要なのは、
何もしないことではありません。
必要なのは、
戦略的な見守りです。
勉強しなさいと言わない。
無理に話を聞き出さない。
正論で説得しない。
けれど、
小さなできたを拾う。
好きなことを否定しない。
今できている行動を言葉にする。
責めずに、脳が動き出す声をかける。
つまり、
戦略的に正しく肯定して
子どもの自己効力感を高める関わりをするのです。
体力が落ちている患者さんに、
いきなり強い治療をしても負担になることがあるように、
自己効力感が落ちている子に、
いきなり励ましや正論を届けても、
受け取れないことがあります。
だから最初に育てるのは、
やる気ではありません。
「自分にもできるかもしれない」
という感覚です。
ここが戻ってくると、
ママがこれまで一生懸命してきた励ましも、
少しずつ届くようになります。
「大丈夫だよ」
「やってみよう」
「ここまでできたね」
そんな言葉が、
評価やプレッシャーではなく、
力に変わっていく。
だから、
見守るとは、
何もしないことではありません。
ママが迷わず、
今の我が子に合わせて肯定できるようになること。
それが、発達科学コミュニケーションで育てていく
「戦略的な見守り」です。
わが子が動かない時ほど、
ママは不安になります。
けれど、
その時こそ見るのは、
勉強量でも、スマホ時間でも、反抗的な言葉でもなく、
この子の心の体力=自己効力感が、
今どれくらいあるのか。
そこを見られるようになると、
対応一つひとつに迷わなくなります。
信念を持って、
肯定を続けられるようになります。
そして、
ママの関わりが変わると、
子どもは力を取り戻し
自分から動き出せるようになります^^


