YouTubeを見始めるとなかなかやめられない!特に時計が読めない子だとなおさらですよね。ASDの子どもはなぜこんなにもYoutubeをやめられないのか?困ったママが簡単に実践できる声かけを解説します。
1.ASDの子どもがYouTubeをやめられない…親ができることとは?
子どもがYouTubeを見始めたら、なかなか終えることができなくて悩んでいませんか?
特に自閉スペクトラム症(ASD)などの発達障害の子どもは脳の特性もあり、なかなかYouTubeをやめられませんよね。
さらに、まだ時計を読めない小さなお子さんに、どうやって時間の管理をしたら良いかわからないとお悩みのママもいらっしゃるのではないでしょうか?
そんなママに、ASDの子どもがスムーズにYouTubeを終わらせてくれる対応方法をお伝えします!
2.「あと5分で終わりにしよう」時計が読めない息子への苦悩
我が家のASDの3歳の息子は、上の子の影響でYouTubeもゲームも大好きです。
YouTubeは次から次に動画が再生されて魅力的で、大人でも一度見始めるとなかなか終えることができません。
切り替える力が未発達な子どもならなおさらです。
我が家の子どもも終わり方がいつも大変でした!
時計が読めないため 「あと5分で終わりにしようね」と声掛けしても 「やだ!」というばかり。
5分経ってもやめないので、無理やり取り上げて 「終わりだよ!」と言うと
「まだ見たい!」と泣いたり癇癪を起こしたりしていました。
毎日こんなことの繰り返しで、それならYouTubeを見せたくない・・・
でも子どもは上の子が見ているからYouTubeを見たいと言う…
どのように対応したら良いかわからず、困ってしまいました。
3.ASDの子どもならではの理由がある!YouTubeをやめられないのはなぜ?
ASDのお子さんは、脳の特性から切り替えが苦手で、一度始めるとやめられない傾向にあります。
◼️「切り替えが下手」という主な原因
・見通しを立てるのが苦手
見通しを立てるのが苦手な子どもは、これから先にどんなことが起こるか予測したり、想像したりすることができないため、
自分がどう行動しなければいけないかわからないのです。
動画を見始めると、やめどきがわからなかったりします。
・こだわりが強い
途中でやめることができなかったり、予定を変更できない。
同じ行動や興味関心を繰り返し続けたいと思うことから、なかなかYouTubeをやめられなくなってしまいます。
・感情のコントロールが苦手
自分の感情を表現できない、言葉でうまく伝えられない、自分の気持ちを説明できない。
怒りをコントロールする脳の部位が未発達なために、怒りを抑制することができません。
「やめなさい!」と無理やりやめさせると、怒ったり泣いたりするのはそういった原因があります。
このような理由からASDの子どもたちは、ママから「時間だからやめようね」 と言われても、
「まだ見たい!」とYouTubeをなかなか「やめる」と言う行動にうつせなかったり、癇癪を起してしまうと考えられます。
そして、これらの特性は自分の力ではなかなかコントロールが難しいことがあります。
親や周囲の人は強く叱らず、まず気持ちを理解をしてあげたいですね。
4.これで上手くいく!YouTubeをスムーズにやめことができる3つの対応
ではASDの子たちにはどのような声掛けが良いのでしょうか?
大切なのは終わり方よりも『始めかたが肝心』ということです。
子どもがYouTubeを見始める前の声かけにポイントが3つあります。
①回数で予告
「どの動画が見たい?3本選んでね」と見る動画を決めて
「3本見たらお終いね」などと 予定を立ててあげると、気持ちの整理もしやすくなります。
時計が読めなくても数ならわかるという子もいるのではないでしょうか。
②時間で予告
動画を見始める前に「3時になったらやめようね」などと時間で言ってあげます。
親が時間で見通しを立ててあげることが大事です。
突然やめようと言われるより、心の準備ができるため落ち着いてやめることができます。
【時間の予告のヒント】
時間で予告する場合はどのくらい前からの予告がその子に適切かを知ることが大事です。
子どもたちにとってはYouTubeをやめるということは、一大決心なのです。
「あと5分ね」「10分ね」と言うのは大人の都合にすぎません。
なかなか5、10分でやめることができない子には、何分前に予告をしてあげた方が良いか実験してみると良いでしょう。
「30分前」「1時間前」・・・と時間の予告が24時間前に必要なんて子も中にはいます。
大人の都合ではなくその子に合わせた予告が大事なのです。
【時間が読めない子への予告のヒント】
3歳の息子は時計がまだ読めないので、時計の数字のところにシールを貼ってあげています。
「長い針が6に来たらお終いね」と予告することで、時間を読めなくても、「針が数字のところに来たら時間」と判断できます。
時間が気になる息子は予告の時間になる前にも何度もチラチラと時計を確認します。
ただ「長い針、短い針」をまだ理解していない子には、長い針に色をつけてあげるとよりわかりやすいですね。
本当に時間を守らせたい時に、我が家は「アラーム」を活用しています。
視覚で時計を見せる「時計にシール」、聴覚で「アラーム」を活用することで、「確かに時間だな」と理解してくれて、
あまりぐずることなく、スムーズに次の行動にうつすことができています。
ほかにも砂時計を使うことも有効です。
自分の目で「この砂が落ちたら終わりか」ということが見てわかります。
砂がなくなったら・・・ということを理解できれば、納得してやめることができるのではないでしょうか。
③YouTubeの後の楽しいことをあらかじめ伝える
予告に加えて、
「YouTubeを見終わったら、一緒にパズルをしよう!」
「YouTubeを見終わったら、おやつを食べよう!」
などと、その後に楽しみがあるという予告をすると、その後の見通しが持てるため、次の行動にうつりやすくなります。
その後に楽しみがあると、大人でも嬉しいですよね。
このようにしてYouTubeをすんなりやめたれたら必ず「よくやめられたね!」とたっぷり褒めてあげましょう!
そうすると「できた」という成功体験により自信が生まれます。
YouTubeをやめられたことで褒められたら、次回の予告もきっと守ってくれるでしょう。
執筆者: 豊泉 えま
発達科学コミュニケーション リサーチャー