子どもの癇癪に頭を抱えていませんか?スキンシップには、親子の絆を深めるだけでなく、情緒を安定させ、自立心や社会性を育む大きな効果があります。この記事では、スキンシップがもたらす効果と、発達に特性のある息子を育てる私の実体験を通して感じたことをご紹介します。
1.癇癪に困っていませんか?叱るよりも「触れる」が効くかもしれません
子どもの癇癪への対応がうまく行かず、困り果てているママはいませんか?
特にイヤイヤ期や小学校低学年の子どもたちは、感情をうまく言葉にできずに、すぐに泣いたり怒ったりしてしまうことがあります。
そんな時、大人としては「どうにか落ち着かせたい」と思い、つい叱ったり説得したりしてしまいがちですが、実は子どもの心に直接働きかける“もっと優しくて確実な方法”があるのです。
それが、「スキンシップ」。
ぎゅっと抱きしめたり、頭をなでたり、手をつないだり…。
そんな何気ない触れ合いが、子どもの心を整え、癇癪の回数を減らしてくれることをご存じですか?

2.スキンシップがもたらす4つの効果と「オキシトシン」の力
子どもとのスキンシップには、実は深い効果があるのです。
✔ 親子の愛着関係を深める
✔ ストレスに強く、情緒が安定する
✔ 記憶力や学習意欲が高まる
✔ 他者への思いやりや共感力といった社会性が育まれる
このような効果の裏側にあるのが、「オキシトシン」というホルモンの存在です。
オキシトシンは脳内で分泌される神経伝達物質の一種で、「愛情ホルモン」「絆ホルモン」とも呼ばれています。
人とのつながりや信頼関係、安心感を生み出し、情緒の安定をサポートしてくれる重要な役割を担っています。
そしてこのオキシトシンは、スキンシップによって増加します。
しかも、スキンシップを「受ける側」だけでなく、「与える側」にも分泌されるというのがポイント。
つまり、子どもだけでなく、ママやパパの心も一緒に癒されていくのです。
逆に、スキンシップが不足してオキシトシンが分泌されにくい状態になると、子どもは情緒不安定になりやすく、癇癪や攻撃的な言動が増える傾向があります。
だからこそ、毎日の中で意識的にスキンシップを取り入れていくことが、子どもの心を育む第一歩になるのです。

3.発達に特性のある息子の癇癪を救った“肌の力”
私自身、小学3年生の息子を育てています。
発達に凸凹があり、小さな頃から癇癪や暴言、手が出るといった行動に悩んできました。
小学校に入ってからはさらに状況が悪化し、毎日がバトルのようで、親としてもどう接すればよいか分からず、心が折れそうになっていました。
そんなある日、「心と皮膚はつながっている」という言葉を本で目にしました。
“肌に心地よい刺激が与えられると、心も自然と穏やかになる”という言葉に希望を感じ、私はスキンシップの力を信じてみることにしたのです。
やったことは、ほんのささいなことでした。
・こちょこちょとくすぐって笑わせる
・寝る前にマッサージをする
・ギュッとハグをする
・手をつないで歩く
・頭をなでたり、ほっぺにチューしたりする
・絵本の読み聞かせを習慣にする
これらを毎日の生活の中に自然に取り入れていくうちに、少しずつ息子の様子が変わってきました。
気に入らないことがあっても、すぐに手が出ることは減り、「ガマン」ができるようになってきたのです。
あれだけ爆発的だった癇癪が、少しずつ、けれど確実に穏やかになっていきました。
特に男の子は、男性ホルモンがオキシトシンの働きを抑えてしまうため、オキシトシンの分泌が少ないと言われています。
だからこそ、男の子ほど意識的なスキンシップが大切なのです。

4.忙しいママやパパへ〜スキンシップは“質”が大事〜
しかし「仕事が忙しくて子どもとゆっくり向き合う時間がない…」そんな声も多いかもしれません。
でも、スキンシップは“時間の長さ”よりも、“触れ合いの濃さ”が重要です。
・朝出かける前に「ぎゅっ」とハグ
・お風呂で体を洗いながら「きもちいいね」と声をかける
・絵本を1冊だけでも一緒に読む
・寝る前に頭をなでて「今日もがんばったね」と声をかける
ほんの数秒でも、心のこもったスキンシップは、子どもにとって安心感となり、自分は大切にされているという自己肯定感につながります。
癇癪を減らすだけでなく、愛着・自立心・社会性・学びの意欲をも育てるスキンシップ。
それは特別なものではなく、日常の中の“ちょっとした触れ合い”から生まれます。
スキンシップは、ママやパパ自身の心もあたたかく包み、親子の絆を深めてくれる魔法のような存在です。
今日から、たった数秒でもかまいません。
子どもの頭をなでたり、手をつないだり、抱きしめたりしてみてください。
その小さな一歩が、子どもの未来と心を守る、大きな力になるはずです。
