分離不安の見られるお子さんにとって学校は、自分のペースで進めない上に新しいことに触れる機会も多く、どうしても受ける刺激が強く疲れてしまうことがあります。子どもは頑張っている!その姿を見失わないように心に留めておくべきことを確認しましょう。
1.息子の気持ちを無視し続けるとこんなことになりました…。
私の息子は小さい頃からとにかくお母さんにべったりでした。
保育園の登園時にバイバイをする時、他の子がママと笑顔でハイタッチをするのを横目に、うちの子だけはいつも「ママーー!」と泣き叫び無理やり先生に引き離されていました。
正直私は、こんなわが子を見ていると小学校に入学するのがとっても怖かったです。
保育園なら先生に引き渡すことが出来るけど、小学校はそうもいかない。
絶対「ママと一緒がいい!」って言うだろう…。
校門で泣かれたらどうしよう。
学校行きたくないって言われたらどうしよう。
本当に不安でいっぱいでした。
学校行きたくない!
ママと離れたくない!
と言われるのが怖かったです。
当時は息子の不安な気持ちを考える余裕もなく、自分の不安な気持ちでいっぱいでした。
その結果、息子にきつくあたり、
「もう小学生になるんだから!ひとりで学校に行きなさい!」
と、入学前から半強制的に息子にそう言い聞かせていました。
入学式の前日まで手を繋いで一緒に保育園に行っていたのに、入学式の日からいきなり手を離される。
きっと不安だっただろう、と今ならわかります。
だけどあの時は、自分のことでいっぱいいっぱいで、そこまで分かってあげることができませんでした。
そして息子は頑張って…頑張って…だけど不安な毎日で。
その結果、
・登校しぶり
・母子登校
・不登校
・家庭内暴力
へと繋がってしまいました。
2.小学校へ入ると「新しい」の連続
幼稚園や保育園では、お母さんと子どもが当たり前に手を繋いで一緒に登園していましたが、小学校へ入学してしまうとあたかも「ひとりで行く」ことが当たり前のようになっています。
つい数日前まで、お母さんと一緒に手を繋いで歩いていたのに小学生になると必然的にお母さんから離されてしまうんです。
それだけでなく、入学すると新しいことの連続!
・新しい教室
・新しいお友達
・新しい先生
・新しい学習
・新しい給食
・新しい掃除
・新しい学童
・新しい通学路
・新しいランドセル
子どもたちは毎日、毎日、数えきれないほどの「新しい」に出会っているんです。
この新しい環境に子どもが望んで身を置きたいと思っていたらいいのですが、慣れ親しんだ保育園や幼稚園、その先生達と離れたくないと思っている子どもも多いと思います。
特に、分離不安の強い子どもは繊細な部分が多く人より不安を感じやすい特性があるので、新しい環境に期待を抱くより強い不安を感じている子どもの方が多いかもしれません。
なので新しい環境にポイっと投げ込まれても「やっぱりママがいい」とママに依存しがちになってしまいます。
実際に、小学生の約8割は母子分離不安とも言われているのが現状です。
はじめは校門でなかなかお母さんと離れられないなぁ、と思っていたのが…。
下駄箱まで一緒に行くようになり、
下駄箱でも離れられなくなり、
無理矢理先生に引き取られたり、
それでもダメになり、
最終的にお母さんも一緒に教室まで行く。
そのような経過を辿ってしまうのが分離不安なんです。
3.どんなわが子も認めて肯定する
では、分離不安の兆しが見て取れた時、お母さんはどうしたらいいのでしょうか?
刺激を受けやすく不安が強いお子さんにとって学校へ行くのはとてもしんどいため、
「学校行きたくない…」と思っているお子さんもいるでしょう。
もし休み明けや学校のある日にお子さんが「学校行きたくない…」と言ってきたら、
「頑張りなさい!」と強く背中を押すのではなく、
「そっか、学校行きたくないんだね」
「どっちを選んでもいいんだよ」
と、伝えてあげてください。
そして、ママはあなたの味方だよ!ということもしっかり伝えてあげてください。
大切なのは、子どものありのままの存在を肯定してあげることです。
だから「学校に行っても行かなくても、ママはいつも〇〇ちゃんまたは〇〇くんが好きだからね」と声をかけてあげて欲しいと思います。
きっとお母さんも不安で、学校へ行けるかなぁ。できたら学校に行って欲しいなぁ。
と葛藤してしまう気持ちもよくわかります。
しかし、決めるのは子ども自身なんです。
答えをすぐに求めるのではなく、しっかりと時間をとって子どもが決める!という習慣を身に付けられるようになるといいですよね。
「学校に行っても行かなくても ママはいつも〇〇ちゃんまたは〇〇くんが好きだからね」と不安が強いお子さんにはこんな声かけをしてみてください。
ありのままの自分を認めてもらったら、少しずつ次への行動意欲が湧いてくるはずです。