「買って!」「欲しい!」が止まらない子ども。その背景には、わがままではなく不安や安心不足が隠れていることがあります。不安が強い子の脳の仕組みと、物への執着が少しずつ落ち着いていったわが家の関わり方をお伝えします。
1.「買って!」が止まらない子どもに困っていませんか?
お店へ行くたびに、
「これ欲しい!」
「買って!」
「絶対いる!」
買わないと怒る。
泣く。
切り替えられない。
やっと買ったと思っても、また次を欲しがる。
そんな姿を見ると、
「物を与えすぎたのかな?」
「我慢が足りないのかな?」
「わがままになっているのかも」
と感じてしまうことがありますよね。
もちろん、「欲しい」という気持ちはどの子にもあります。
ですが、不安が強い子どもの場合は、“ただ欲しいだけ”ではないことがあります。
実はその背景に、「安心したい」という気持ちが隠れていることがあるのです。

2.「買って!」の裏に隠れていた息子の不安
当時8歳だった息子も、不安が強い子でした。
学校への行き渋りがあり、
- 失敗への不安
- 予定変更への不安
- 人との関わりへの不安
などを強く感じていました。
不安が強い子は、自分でも気づかないうちに安心できるものを求めることがあります。
そんな息子は、欲しい物への執着も強かったんです。
「これ欲しい!」
「絶対必要!」
「今じゃないと嫌!」
と強く訴えることもありました。
当時の私は、「わがままになっている」「我慢を覚えないと」と思っていました。
しかし、よく観察してみると、不安が強くなっている時ほど、“安心できるもの”への執着が強いことに気づいたんです。
学校で頑張った日。
不安が強かった日。
疲れている日。
そんな時ほど、好きな物に強く向かっていました。
私は、“ただのわがまま”として見るだけではなく、「今、不安が強いのかな?」 という視点を持つようになりました。
すると、息子への関わり方も少しずつ変わっていったのです。

3.なぜ買っても満たされないの?不安が強い子の脳の仕組み
不安が強い子どもは、
- 先の見えないこと
- 予定変更
- お友達関係
- 刺激の多い環境
などに強いストレスを感じやすい傾向があります。
すると脳は、「安心できるもの」を探そうとします。
例えば、
- お気に入りのおもちゃ
- ゲーム やYouTube
- 決まった食べ物
- 同じ服
などに強く執着することがあります。
これは単なる贅沢やわがままではなく、自分の安心を保つための拠り所になっている場合もあるのです。
大人でも不安な時に、
- スマホを何度も見る
- 甘いものを食べる
- 好きな動画を見る
ことがありますよね。
子どもも同じように、自分なりの方法で安心を確保しようとしていることがあるのです。
また、不安が強い子の場合、欲しかった物を買ってもらっても、またすぐ次を欲しがることがあります。
それは「物そのもの」が欲しいのではなく、「安心感」「満たされた感覚」を求めているからかもしれません。
欲しい物を手に入れたり楽しい体験をしたりすると、脳内でドーパミンが分泌され、一時的な安心感や満足感を得られるためです。
しかし、不安の根本が解消されていないと、その安心感は長続きしません。
すると再び、「買って!」「あれが欲しい!」となりやすくなるのです。
つまり、“物欲が強い”ように見えても、実際には“不安を埋めようとしている行動”であることも少なくありません。

4.安心が増えると「買って!」は変わっていく
物欲が強いと、「我慢させなきゃ」と思ってしまいますよね。
もちろん、ルールや線引きは大切です。
ですが、不安が強い子どもの場合、「禁止」だけではさらに不安が強くなることもあります。
大切なのは、
- なぜそこまで欲しがるのか
- 何に安心しているのか
- 今どれくらい不安が強いのか
を見ていくことです。
そして、
- 安心できる時間を増やす
- 気持ちを言葉にする
- 親子でホッとできる時間を作る
そんな「安心の土台」を増やしていくことが大切です。
安心の土台が育っていくと、物やゲームだけに頼らなくても気持ちを安定させられるようになっていく子もいます。

5.息子の「買って!」が減ったきっかけ
不安が強い息子の「買って!」が減っていったのは、物を買う回数を減らしたからだけではありませんでした。
私が意識したのは、「褒める」よりも「認める」を増やすことでした。
以前の私は、「できたね」 「頑張ったね」と結果に注目することが多かったのですが、
「学校の準備できてるね」
「不安だったけど話してくれたね」
「今日も頑張っているね」
というように、できた・できないではなく、その子自身を認める言葉を増やしていきました。
他にも、肯定にはさまざまな形があります。
その中でも息子に特に効果的だったのは、
- 興味関心を示す
- 驚く、喜ぶ
- スキンシップ
でした。
例えば、ゲームの話をしてきた時も、「またゲームの話?」ではなく、「へぇ!そんなことができるようになったんだね」と興味を持って聞いてみる。
息子が作った作品には、「すごいね」だけではなく、「ここをこんな風に考えたんだ!」と驚いたり、一緒に喜んだりする。
また、寝る前に足をマッサージしたり、朝はハイタッチで送り出したりとスキンシップも意識しました。
すると息子は以前より表情が柔らかくなり、自分から話をしてくれることが増えていったんです。
もちろん、それだけで物欲がなくなったわけではありません。
ですが振り返ると、物で安心を埋めようとしていた部分が、私との関わりの中で少しずつ満たされていったように感じています。
子どもが欲しがる時、私たちはつい「買うか、買わないか」に意識が向きがちです。
ですが、その奥には、「安心したい」「認めてほしい」「ホッとしたい」という気持ちが隠れていることがあります。
「買って!」の言葉の裏側にある気持ちに目を向けることで、子どもとの関わり方が変わり、親子の安心も少しずつ増えていくかもしれません。

\“どう関わればいいか迷う”ママへ/
「待つ?手伝う?」と悩みやすい場面での関わり方を
不安が強い子が「自分でやる」を少しずつ増やしていく
視点と具体的な声かけにまとめました。
執筆者:たるみ あや
発達科学コミュニケーション アンバサダー




