毎朝の行き渋りにイライラしてしまい、「もう限界…」と感じていませんか? そんな苦しさを抱えるママへ。行き渋りが繰り返される理由と、親のイライラが強くなる背景を整理しながら、少し心を軽くする考え方のヒントをお伝えします。
1.毎朝の行き渋りにイライラしてしまい、「もう限界…」と感じていませんか?
毎日の行き渋り対応、本当にお疲れ様です。
「また今日も行けないの?」
「昨日は行くって言ってたのに…」
朝になるたびに始まる行き渋り。
優しく声をかけても動かない。
急かせば泣く。
待っていても時間だけが過ぎていく。
気づけば、「いい加減にして!」と怒ってしまい、あとから自己嫌悪になる…。
行き渋り対応は、 子どもだけの問題ではありません。
毎日向き合う親の心も、 少しずつ削られていくものです。
特に朝は、 仕事、家事、兄弟対応、時間のプレッシャーが重なります。
まるで頭の中で、いくつものアラームが同時に鳴っているような状態…。
だからこそ、イライラしてしまうのは、「愛情が足りないから」ではありません。
それだけ毎日、必死に向き合っているということでもあるのです。
そして、行き渋り対応で苦しくなるのは、子どもの行動だけが理由ではありません。
「学校へ行かせなければ」
「このままで大丈夫なの?」
そんな親自身の不安が重なり、苦しさを大きくしていることもあるのです。

2.私もいまだに行き渋り対応する日々
実は我が家も、「もう大丈夫かな」と思ったあとに、 また行き渋ることがあります。
少し落ち着いたと思ったら、 新学期、行事、疲れ、気温差…。
不安が強い息子は、ほんの小さなきっかけで、急に動けなくなる日があるんです。
だから私は、「一度よくなったらといって、もう大丈夫」と思わなくなりました。
行き渋りを、完全に消すものとして見ると、親は苦しくなりやすい。
しかし、「波がありながら回復していくもの」と捉えると、見える景色が少し変わります。
実際、子どもの状態は一直線ではありません。
三歩進んで二歩下がる。
昨日できたことが、今日はできない。
脳も心も、 階段というより波のように回復していくことがあります。
ですから、戻ったように見える日があっても、それだけで「全部ダメになった」訳ではありません。

3.なぜ、行き渋りは繰り返される?
ここで考えたいのが、「子どもは本当に行きたくないだけなのか?」という視点です。
もちろん、学校に苦手さがある場合もあります。
しかし、実際には、行きたい気持ちはあるのに動けない子も少なくありません。
頭では、行かなきゃと分かっている。
だけど体が動かない。
「甘えているだけでは?」
「行きたくない理由を作っているだけでは?」
そう感じてしまうこともあるかもしれません。
しかし、不安が強い子どもの場合は、甘えではなく脳が危険を感じて動けなくなっているケースもあります。
不安が強い子は、脳が「危険かもしれない」と判断すると、考える力や行動する力よりも、自分を守る反応が優先されやすくなります。
そのため、周囲から見ると「行きたくないだけ」に見えても、本人の中では精一杯頑張っていることも少なくありません。
すると、朝の支度ひとつでも負荷になる。
- 制服を見るだけで苦しくなる。
- 玄関で固まる。
- 涙が出てくる。
親からすると、「昨日は行けたのに」「週末は元気だったのに」と感じるかもしれません。
ですが、子どもの不安の大きさや心の余力は毎日同じではありません。
その日の体調や疲れ、人間関係への不安などが重なることで、昨日できたことが今日は難しくなることもあるのです。
だからこそ、繰り返される行き渋りは単なるわがままではなく、その時の子どもからの「SOS」のサインとして現れている場合があるのです。

4.行き渋り対応にはママの感情がカギ
実は、行き渋り対応でとても大切なのが、親の感情の状態です。
ここで誤解したくないのは、「イライラしてはいけない」という話ではありません。
人なので、 疲れればイライラします。
むしろ問題なのは、ママ自身が限界なのに、「ちゃんとしなきゃ」「冷静でいなきゃ」と自分を追い込み続けることです。
また、ママがイライラするのは、子どもに腹が立つからだけではありません。
- 「学校へ行けないかもしれない」
- 「このまま不登校になったらどうしよう」
- 「仕事に間に合わない」
- 「周りにどう思われるだろう」
そんな不安が積み重なることで、怒りという形で表に出ることがあります。
親の脳が焦りでいっぱいになると、子どもの不安にも引っ張られやすくなります。
すると、
「早くして!」
↓
子ども不安アップ
↓
さらに動けない
↓
親もっと焦る
というループが起こりやすいんです。
だからこそ、まず必要なのは、子どもを動かすことより、親の焦りを少し下げること。
実は、子どもだけでなく親の脳も同じです。
時間のプレッシャーや将来への不安が強くなると、親の脳も危険モードになり、冷静に考える力が下がります。
実際、うちの子も表情が暗く涙目になっている時があります。
そんな時は、励ましても背中を押しても動けません。
脳が不安でいっぱいになり、行動する力が出せない状態だからです。
だから私は、そういう時は無理に動かそうとせず、お休みを提案することがあります。
そして後から、「なにか気になることはある?」と聞きながら、一緒に不安を整理するようにしています。
もちろん、毎回すぐ答えが見つかるわけではありません。
子どもをアクセルで動かそうとするより、何がブレーキになっているのかを見る方が、結果的に行動への近道になることがあります。

5.行き渋り、こう考えるとママも少し楽になれる
行き渋り対応をしていると、どうしても親は、「今日行けたか」に意識が向きます。
行き渋りは、「行く・行かない」だけで見ると、親子とも苦しくなりやすい。
「安心を回復していく途中」という視点を持つと、見えるものが変わることがあります。
私自身、 行き渋り対応で苦しくなった時は、こんなふうに考えるようにしています。
①少し時間や距離を置く
お互い感情が高ぶっている時は、一度離れることで落ち着くことができ、子どもも自分で行くことを決めることがあります。
②子どもの人生にとって「今日のたった一日」だと思う
「今日行けなかった」だけで、人生すべてが決まるわけではありません。
③「今は回復途中なんだ」と考える
後退ではなく、波を繰り返しながら整っていく途中かもしれません。
④「学校へ行く」だけをゴールにしない
- 安心して眠れた
- 気持ちを話せた
- 笑顔が見えた
- 制服に着替えることができた
- 玄関まで行けた
- 学校の話を少しできた
そんな小さな変化も前進です。
なるべくできたことに注目するように意識しています。
⑤一人で頑張らなくていいと思う
私自身も、主人や学校の先生、保育所等訪問支援の先生たちの力を借りています。
行き渋り対応は、ママ一人で抱え込むものではありません。
もちろん、毎日そう思えるわけではありません。
「もう無理…」と思う日もある。
それでも、苦しみながら向き合っている時点で、ママは十分頑張っています。
そして最後に、ママ自身がご機嫌でいられる時間を、毎日の中に少しでも作っておくことも、とても大切です。
ほんの小さなことでも、心が少し緩む時間は、行き渋り対応で張りつめた心を回復させてくれます。
行き渋り対応は、子どもを支えるだけでなく、親自身の心を守ることも大切です。
イライラする日があっても大丈夫。
完璧な対応を目指さなくていい。
頼れる人や場所を増やしながら、親子で少しずつ進んでいけたらいいのだと思います。

「このまま不登校になったら…」
「いつまで続くんだろう…」
そんな不安を抱えているママへ。
登校しぶりは、
少しずつ流れを変えていくことができます。
執筆者:たるみ あや
発達科学コミュニケーション アンバサダー




