ママ以外の大人に警戒心が強い母子分離不安の子どもたち。しかし学校に行ったら、ママはいません。そんな時に母子分離不安っ子の救世主になってくれるのが学校の先生です。学校の先生のことを頼ることができるようになれば、ママがいない学校でも母子分離不安の子どもは安心して過ごすことができるようになります。この記事では、学校の先生とお子さんが信頼関係を築くために私が実践した秘策をご紹介します!
1.ママ以外の大人に警戒心が強い母子分離不安の子どもたち
私には母子分離不安症と診断された息子がいます。
母子分離不安が現れたのは、体調不良がきっかけでした。
息子は、この時期を境に、突然ママへの執着がひどくなり
・ママがいないと安心できない
・ママがいうことが絶対
・ママと離れることができない
という状況になってしまいました。
特に困っていたのが、ママ以外の大人に対して警戒心が強くなったこと。
これまで全く警戒していなかった、パパや義父母に対しても警戒心を持つようになり、ママがいないときに一緒にお留守番ができなくなってしまいました。
こんな状況でしたが、唯一の救いだったのが保育園の先生に警戒心を持たなかったことでした。
息子は生後6ヶ月から保育園に通っていたこともあり、息子は保育園の先生に対して安心感を持っていたようでした。
また、先生方も息子の不安が強い特性を理解してくださっていたので、私自身も信頼して預けることができていました。
息子は、登園時に私と離れる時は必ず泣くものの、離れたら先生に受け入れてもらうことで、保育園では安心して過ごすことができているようでした。
2.母子分離不安の子どもが大人を信頼するための重要なポイント
分離不安の症状が落ち着いてきた頃、息子はある日こんなことを私に教えてくれました。
「ママと先生(保育園)とばーばは『具合が悪い』と言えるから大丈夫だったんだよ!」
「今は、パパとじーじとと〇〇ちゃんのママには『具合が悪い』って言える」
息子は信頼できる大人と信頼できない大人を
「具合が悪いと言える人」と「具合が悪いと言えない人」
このように区別していたのです。
具合が悪いこと、自分の不安に思っていることを伝えられる人は信頼できる人。
具合が悪いこと、自分が不安に思っていることを伝えられない人は信頼できない人。
「なるほどな…。」と感じました。
誰だって、信頼している人には、自分の弱みを人に見せることができますが、信頼できない人には自分の弱みを見せることはできませんよね。
母子分離不安の子どもは、単に「ママがいい!」と駄々をこねて周りの大人を警戒しているのではなく、周りの大人に対しても様子をうかがい、自分が心を開ける安全な相手を探しているのかもしれません。
このことをきっかけに、私は息子が「具合が悪いです!」と言える信頼できる人を周りにたくさん作ってあげようと心に決めたのです。
3.母子分離不安の子どもが信頼できる人は、ママが信頼している人
母子分離不安の息子と周りの大人たちの関係を観察してきましたが…
息子が不安を感じる人は、私自身が信頼をしていない人、息子を預けることに対して不安を感じている人
息子が安心感を持てる人、信頼出来る人は共通して、私自身が信頼している人だということがわかりました。
息子が私以外で一番安心感を持っていた保育園の先生と実母は、私が子育てにおいて一番信頼している相手でした。
母子分離不安の子どもは、ママの不安や感情に影響されやすい傾向があります。
私たちの脳の中にはミラーニューロンという神経細胞があるのをご存じでしょうか?
ミラーニューロンは共感細胞、モノマネ細胞とも呼ばれています。
誰かがあくびをするのを見ると、自分もあくびが出る。
疲れた人を見ると、自分も疲れる。
ミラーニューロンはこのような感情の伝染を引き起こします。
母子分離不安の子どもは常にママと一緒にいるため、ミラーニューロンの働きによって、ママの言動や表情、感情を敏感に感じとっています。
ママが信頼していない相手には、子どもも警戒心を強く持ってしまうため、信頼することができないでしょう。
しかし、ミラーニューロンはいいことにも作用します。
ママが信頼している相手に対しては、自然と子どもも心を開くことができるはずです。
母子分離不安の子どもがママ以外の大人と信頼関係を築くためには、ママ自身がその人との信頼関係を築くことが重要なのです。
4.学校の先生を頼ることができるようになるために私が実践した秘策をご紹介
小学校入学は、息子にとって、信頼できる保育園の先生とお別れをして、新しい環境で新しい人たちとの関係を築いていかなければいけない大きな大きなハードルでした。
息子が入学という大きな節目を乗り越えるためには、学校に信頼できる大人が必要!
そう思った私は、息子が学校の先生を頼ることができるようになるために、ある秘策を実行にうつしました。
前述したように「ママ自身がまずは先生との信頼関係を築いていくことが、母子分離不安の子どもにとっては重要!」と考えた私は
先生と仲良くなるために、クラス役員に立候補することにしたのです!
私の息子が通っている学校では、クラス役員は担任の先生と保護者の連絡役になるため、比較的多く先生とお会いできる機会があります。
当時は、コロナ禍ということもあり役員をしていなかったら年に1.2回しか学校に行く機会もなかったと思いますが、役員をすることで先生とお話する機会も多くあり、すぐに先生と仲良くなることができました!
また、役員になると、担任の先生以外の先生との関わりも多く持つことができました。
特別支援教室の先生、養護の先生、教頭先生、校長先生…。
これまで全く知らなかった先生の名前や特徴などを知ることができましたし、担任の先生以外とも信頼関係を持つことができたため、先生方が気がけて息子に声をかけてくださるようになりました。
ママが先生たちと仲がいいと、子どもも自然と先生と仲良しになっていきました。
おかげ様で、息子は入学してすぐに担任の先生はもちろん、その他数名の先生にも「具合が悪い」と言えるようになりました。
あれから1年が経ちましたが、今では…
クラスに入りたくない時は特別支援教室の先生。
縄跳びを教えてほしい時は、校長先生。
遊び相手がいない時は、教頭先生。
など、それぞれの先生に息子なりに役割を付けて、関係性を深めていっているようです。
息子が先生との信頼関係を築いていくために、勇気を持って役員に立候補をして本当によかったと思っています。
クラス役員になることは、学校に行く機会も多くなるし、保護者の代表となるわけですから、ワーママや小さなお子さんがいらっしゃる方には、それなりの負担があると思います。
クラス役員にならなくても、学校を知りたい!先生のことを知りたい!という気持ちがあれば、また別の方法で学校や先生との信頼関係を深めることもできると思います。
ここでお伝えしたいのは、子どもが先生との信頼関係を築くためには、まずはママから一歩先生に歩みよっていくことが大切であるということ。
ぜひ、あなたなりの方法で学校や先生との信頼関係を深めていってほしいと思います。