別室登校中の子どもから教室復帰を目指す子どもになるには小さな目標クリアが効果的!

 

別室登校から教室復帰を果たすまでの我が子の体験談をお伝えします。今、「教室に戻れるかな?」「授業に出なくて良いの?」と不安に思っているママが、この記事を読むと希望を持って行動することができるはずです。是非、最後まで読んでみてくださいね。
 
 

1.別室登校、どんな場合に利用するの?

 

 
 
 「別室登校」とは、登校した子どもが自分のクラスではなく別の部屋で過ごすことです。何らかの理由があり教室に入れない子に、学校での居場所や学習の場を提供する目的があります。
 
 
自分の子どもが別室登校になったら、ママは「いつ教室に戻れるの?」「このままでいいのだろうか」と、色々不安になりますよね。
 
 
クラスの子と笑い合う姿を見たい、と思うこともあるでしょう。
 
 
ここでは、別室登校から教室に復帰するまで、どんなことに気をつけてどう過ごせば良いのか、我が子の別室登校での体験をもとに、そのポイントをお伝えします!
 
 
まず、別室登校の役割についてお話します。別室登校には、主に3つの役割があります。
 
 
◆①子どもの気持ちを和らげる
 
 
集団に対しての不安が強く、教室に入りづらい子の気持ちを和らげる場として使われます。うちの息子もこのタイプでした。
 
 
息子は繊細で不安を感じやすく、小2の冬、学校に行くことができなくなりました。
何とか登校できても、教室が怖くてクラスに入れない
そんな時に利用していたのが別室登校です。
 
 
教室に入れない子の中には、うちの子のように、漠然とした不安はあるものの、その理由が自分でもよく分からないタイプもいます。
 
 
「どうしてみんなの中に入れないのだろう」と、子ども自身悩んでいる場合も。
 
 
そんな中、別室であっても学校に行けるということは、子どもの罪悪感や自責の気持ちを和らげてくれます。また、それが自信につながることもあるでしょう。
 
 
◆②一時的な避難場所
 
 
別室登校は、教室に居づらくなってしまった子が一時避難できる場所としても使われます。
 
 
・クラスメイトが指導されているところを見るのが辛い
・友だち関係で悩んでいる
・感覚過敏により、教室のガヤガヤした雰囲気が苦手
・勉強についていけない
 
 
など、様々な理由から教室が辛い場所になっている場合があります。
そんな時、逃げ場があることは安心につながります。
 
 
別室は、長期欠席になることを防ぐための「一時避難場所」としての役割があるのです。
 
 
◆③教室復帰へのステップ
 
 
別室登校は、不登校などで長期欠席していた子どもが登校を再開した際に、教室復帰するまでのステップとして使われることもあります。
 
 
長期欠席していた子どもが、いきなりクラスに戻って集団の中で過ごすというのは、かなりハードルが高いものです。
 
 
そんな時は、まずは別室から学校の雰囲気に慣れ、徐々に滞在時間を長くしていく段階を踏むことが必要です。
 
 
別室登校では、子どもの遅刻や早退にも柔軟に対応してくれるので、登校への負担も軽減されるでしょう。長期欠席からの復帰のステップとしても、別室登校が有効なのです。
 
 

 

2.デメリットも知っておきましょう

 
 
不安があったり、集団が苦手な子にとって、安心できる居場所として存在する別室登校ですが、そこにはデメリットもあります。
 
 
別室登校の3つのデメリットをお伝えします。
 
 
◆①学習が遅れる

教室での授業を受けない分、どうしても学習の遅れが出てきます。

 
 
別室では、担当の先生が教科担任ではない場合が多く、基本的には自習での学習となるので、教科書の新しい単元を学ぶことが難しいのです。
 
 
うちの子も、別室登校のときは、自宅で教科書の内容を確認していました。
 
 
◆②人目が気になり罪悪感を感じる
 
 
他の子は教室で過ごすのに、自分だけ別室にいることを、うしろめたく思ってしまうことがあります。
 
 
周りの目が気になり、他の生徒と顔を合わせづらくなってしまう場合も。他の子と比べがちなタイプの子に多いです。
 
 
◆③別室登校で満足してしまう
 
 
逆に、別室登校の居心地の良さから、ずっとこのままでいいや、と感じてしまうタイプもいます。自分のペースで過ごせるため、集団行動より楽なのです。
 
 
「教室に戻らなくていいや」と感じてしまうと、別室登校が長引く要因にもなります。
 
 

 

3.別室登校の先にあるのは、教室復帰か。不登校か。

 
 
メリット・デメリットある別室登校ですが、小中学校の不登校児童数が年々増加していることに伴い、別室登校の児童も増加傾向にあります。
 
 
息子が別室登校をしていた際、利用していたのは相談室でした。
 
 
息子や先生に話を聞いたり、私が送迎時に確認するだけでも、この相談室を定期的に利用する子は、1年間で10名を超えていたのが現状です。
 
 
日本中の小学校で同じような状況だと考えると、年間に約20万人もの子どもが、定期的に別室登校を利用している計算になります。
 
 
これは、小学校の各クラスに1人は別室登校をしている(していた)子がいるという数字です。
そこから短期間で教室復帰ができる子どもは約3割ほど。
 
 
それ以外の子は、別室登校が長期化する傾向があり、中には不登校へと進んでしまう場合もあります。教室に戻ることだけが重要ではありませんが、別室登校の先が
 
 
・クラスで友達と過ごせる
 
・不登校になってしまう
 
 
のどちらかに進んでいくのだとしたら、やはり子どもには安心して教室に行けるようになって欲しいですよね。
 
 
別室登校の期間中に、ママがどのような対応をして、子ども自身がどう過ごすかが、その後の進む道を大きく左右します。
 
 
では、どのような対応が最短での教室復帰につながるのでしょう。息子の教室復帰において、私が気をつけたポイントをお伝えします。
 
 
 
 

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4.教室復帰へのカギは、ママの見守る姿勢とスモールステップ!

 
 
教室でも別室でも、まずは子どもが安心して登校できて、落ち着いて過ごせていることが大切ですね。
 
 
その上で、子どもの様子を見ながら段階的に教室復帰を目指していくことが必要です。別室登校卒業のカギとなるポイントをお伝えします。
 
 
ポイントは、小さな目標を持つことです!
これは子どもの状態をよく見て、負担にならない程度の目標であることが大切です。
 
 
例えば、「今週はこの本を読み終わろう」とか、「今日は別室のここをきれいにしよう」など、本人が安心して取り組める目標を一緒に考えます。
 
 
ここで大事なことは、別室登校中に学校で取り組める目標であること、少し頑張れば達成できる目標であること、です。
 
 
たとえそれが、直接勉強に関わるようなことでなくてもいい、というのもポイントです。
 
 
うちの子の場合、別室登校を始めた頃から「毎日ポケモンのキャラクターをひとつずつ作る!」と決めて、紙やペンを使ってポケモンの立体作品を作ることを、毎日の日課にしていました。
 
 
これも立派な目標です。
 
 
毎日ひとつずつ増えていくポケモンのキャラクターは、息子の達成感と自信にもつながっていきました。
 
 
このような形で小さな目標達成を繰り返し、別室登校での過ごし方に少しずつ慣れてきたら、今度は段階的に、教室に向けた目標へとステップアップしていきましょう。
 
 
「今日は教室の前で先生におはようだけ言ってみよう」や、「教室に絵の具を取りに行こう」など、できることから少しずつ、クラスとのつながりが持てる方向へ誘導していきます。
 
 
そこから、少し教室に顔を出せるようになってきたら朝の会だけ参加してみたり、給食から参加してみたり。
 
 
学校での子どもの状態やクラスの様子に合わせて、無理のない目標を設定してください。
 
 
うちの子の場合も、この方法で段階を追って教室で過ごす時間を増やしていきました。目標を達成できなくても大丈夫です!できた所までをしっかり認めて、また少しずつ進んでいけば良いのです。
 
 
この小さな目標達成の積み重ねが、少しずつ自信を回復させていきます。自信が回復して、気持ちが前向きになってくると、初めて「教室に行ってみようかな」と心が動いてくるのです。
 
 
この時期は、ママは帰宅後の子どもの様子をよく観察し、目標が負担になっていないか、疲れ過ぎたり無気力になっていないか、よく見極めることが大切です。
 
 
子どもは学校でたくさんのエネルギーを使ってきているので、家ではゆっくり話を聞いて、心と体を休める時間にしてあげてくださいね。
 
 
子どもを心配する気持ちや焦る気持ちもあると思いますが、一歩一歩のスモールステップが教室への一番の近道となります。
 
 
急がば回れ、の気持ちで、お子さんの教室復帰までの道のりを見守ってあげてくださいね。
 
 



 
 
執筆者:長谷川 まこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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