給食が嫌で学校に行きたくない小学生の娘。不登校を防ぐために、我が家が実践した環境調整と繊細な心に寄り添い方を紹介します。
1.給食が嫌で学校に行きたくない子は、意外と多い!
「家では普通に食べられるのに、学校の給食になると食べられない…」
そんな悩みを抱える小学生は意外と多く、親としてもどう対応していいか迷いますよね。
無理に食べさせても逆効果で、給食の時間が近づくとお腹が痛くなったり、気分が悪くなったり。ついには「学校に行きたくない」と言い出す子も…。
実際、給食がきっかけで登校しぶりや不登校につながるケースも少なくありません。

2.我が家の繊細な娘も、小学校の給食が食べれませんでした…
小学校3年生の頃のうちの娘の担任の先生は、少し厳しめで声の大きな先生でした。
教室の雰囲気はピリピリ、先生の顔色をうかがう毎日…。
その緊張感に耐えられず、もともと少食だった娘は、給食がまったく喉を通らなくなってしまったのです。
水さえ飲み込めない。給食の時間が近づくと腹痛、頭痛…。
ついには「行きたくない」「怖い」と言って、不登校状態になってしまいました。
娘は今まで少食ではありながらも、食事を食べれなくなることは一切ありませんでした。
「もしかして、食べられない原因は給食そのものじゃなくて、“環境”かも?」そう気づいたのが、改善への第一歩でした。

3.なぜ給食が“最大の敵”になるのか?繊細な子どもの脳のメカニズム
繊細で心配しやすい子や、不安が強い子の頭の中では「自分を守ろう!」という反応がとても強く働くようになっています。
ですので、少しでも不安なことがあると「失敗したくない」「怒られたくない」と思って、体や心がびっくりするほど敏感に反応してしまうのです。
例えば、給食をちょっと減らしてもらっても、「残したらダメかな」と思ってしまったり、「また残すの?」って言われるのが怖くて、自分から「残します」と言えなかったり…。
周りの人の目が気になって、自分の気持ちを言えなくなることもあります。
反対に、安心してリラックスできているときはどうでしょうか?
「今日は何食べようかな~」「あのお店行きたいな~」なんてワクワクしていると、お腹もすいてきて、ごはんもおいしく感じますよね?
これは、体の中で「副交感神経」というリラックスモードのスイッチが入っているからなんです。
でも、「緊張してドキドキしているとき」はどうでしょう?想像してみてください。
自分が今、ライオンに追いかけられているとしたら…どうなりますか?
きっと呼吸が速くなって、心臓もドキドキ。体がこわばって、思うように動けないかもしれません。
実は、教室の空気がピリピリしていて、先生がいつ怒るかわからないような状況は、子どもにとっては「ライオンに追いかけられている」のと同じようなものなのです。
このとき体の中では「交感神経」という、緊張モードのスイッチが入っていて、給食なんて食べる余裕がない状態になってしまいます。
だからこそ、そういう子には「安心していいよ」と思える安全な場所や関わり方が必要なのです。
ライオン(=怖い先生や緊張する教室)を遠ざけて、リラックスできる環境を作ってあげること。
それができれば、少しずつ食べられるようになったり、「がんばってみよう」という気持ちが出てきたりするはずです。

4.環境調整で「絶対安心」をつくったら…食べられた!
給食を食べられるようになるために、私たち親子が取り組んだのが環境の調整です。
◆ 別室での給食対応
先生にお願いして、教室とは別の静かな部屋を借りました。
まずは「無理して食べなくてもOK」。残してもいいし、水だけでもいい。
とにかく「リラックスできる場所」であることを大切にしました。
◆「絶対安心」を伝える
不安が強い子は「大丈夫だよ」と言うだけでは信じられません。
具体的に、学校と約束してほしいことを娘から聞き出し、担任の先生と共有しました。
・誰も部屋をのぞかない
・「残します」と言わなくても良い
・残しても怒られない
この「保証された安心」があることで、娘の表情は明らかに変わっていきました。
環境を整えて、劇的にすぐ変化が見られたわけではありません食べられるようなったわけではありません。
ステップ1:部屋に慣れるだけで終わり。でもそれでOK!
ステップ2:スープを一口飲めた!
ステップ3:一皿分食べられた!
スモールステップで課題にトライしていき、こまめに肯定的な言葉をかけていくようにしました。
食べれない日もありましたが、一切プレッシャーはかけませんでした。
5. 「給食が嫌」がもたらす登校しぶりや不登校。家庭でできることとは?
もし、あなたのお子さんが「給食が嫌」と感じているなら、無理をさせず、まずは原因を一緒に探ることが大切です。
✓担任の雰囲気は?
✓メニューに強い苦手はないか?
✓周囲の目や、完食プレッシャーはないか?
子どもが安心して「嫌だ」と言える関係性が何よりの土台になります。
その上で、学校に協力を仰ぎながら少しずつ「安心できる給食の形」を作っていけば、結果はついてきます。
「給食が嫌で学校に行けない」ことは、わがままでも、甘えでもありません。
子どもが出している大切なSOSのサインです。
そのサインを見逃さず、環境を整えて「安心」を届けることが、子どもが自信を取り戻す第一歩になります。
「食べられない」から「一口食べてみようかな」
「学校に行きたくない」から「ちょっとだけ行ってみようかな」
そんな気持ちを引き出すのは、親の焦りではなく「見守る安心感」かもしれません。
あなたのお子さんも、きっと大丈夫です!