夏休みは、発達障害グレーゾーンの子どもが「イライラ」「暴言」「自己否定」などの二次障害を引き起こしやすい時期です。本記事では、見逃しがちなサインや家庭でできる対策や実際の体験談をご紹介します。
1.夏休みのイライラは「二次障害」のサイン⁈
夏休みに入ってから
・ずっとイライラしている
・些細なことで怒るようになった
・ゲームをやめられず暴言を吐く
・「どうせぼくなんて」と自己否定する
このようなお子さんの様子を心配しているママはいませんか?
それは、発達障害やそのグレーゾーンの子どもが抱える「二次障害」のサインかもしれません。
二次障害とは、発達特性そのものではなく、 その特性によって生活の中で繰り返し否定的な経験をすることで生じる『心のダメージ』などの精神的な症状を指します。
夏休みという長期休暇は、学校というルーティンがなくなる分、 生活リズムが崩れやすく、親子ともにストレスが増大しやすい時期です。
その結果、もともとの特性に加えてイライラ、不安、暴力的な言動などが表れることがあります。

2.二次障害とは?発達障害グレーゾーンの子に起こりやすい心のSOS
発達障害グレーゾーンの子どもは、周囲とのコミュニケーションのズレや感覚の過敏さなどから、さまざまな場面で『生きづらさ』を感じています。
例えば…
・先生や親に叱られることが多い
・友達とトラブルになりやすい
・頑張っても成果が出にくい
これらが続くと、「自分はダメなんだ」と何事にも否定的になってしまいます。
その結果として現れるのが以下のような二次的な症状です。
・不安・緊張が強くなる
・イライラや怒りっぽさ
・暴言・暴力・反抗的な態度
・自己肯定感の低下
・不登校や引きこもり
・睡眠障害、摂食障害
これらは決して親の育て方のせいではなく、子ども自身が感じている見えないストレス の表れです。

3.夏休み「何か様子が違う?」に気づいてあげて!
私にも、小学校2年生の発達障害グレーゾーンの息子がいます。
普段は優しくておだやかな性格なのですが、夏休みに入って1週間ほどたった頃から
・朝からゲームをやめず
・話しかけると「うるさい!」と怒鳴る
・突然「もう死にたい」と呟く
・常にイライラして、家族にあたる
といった、いつもは見られない行動が続きました。
最初は「夏バテかな?」と思ったのですが、実は生活リズムの乱れと刺激過多(ゲーム) によって、彼なりのストレスが蓄積されていたのです。
そこで、以下のような対応を試みました。
・朝のルーティンを決めて毎日同じ時間に起きる
・ゲームは30分まで、それ以上は「一緒に遊ぶ」に切り替える
・1日1回はスキンシップやゆったり過ごす時間を確保
・「ダメ」ではなく、「そう感じたんだね」と気持ちを受け止める
こうした対応を始めてから、少しずつ「うるさい!」が「ママ、一緒にゲームしよう!」そして「ママ、ゲーム終わったら一緒に遊ぼう」に変わっていきました。

4.二次障害を予防するために大切なコト
二次障害は、気づかずに放置すると長期化しやすく、回復にも時間がかかるものです。
しかし、早めに気づいて対応すれば、 家庭で予防や軽減が可能です。
〜二次障害を防ぐ3つのポイント〜
①責めない
「なんでそんなこと言うの!」と怒るより、「そんなに嫌な気持ちだったんだね」と気持ちに寄り添いましょう。
②休ませる
習い事やお出かけなどの予定を詰め込みすぎず、「何もしない日」「ボーッとする時間」も大切です。
③気づく
「このイライラ、いつもと違うかも」と思ったら、二次障害の可能性を疑ってみることが早期対応に繋がります。

5.グレーゾーンは支援が届きにくいからこそ『予防』が大切
発達障害の診断がついていれば、学校や支援機関のサポートが受けやすくなります。
しかし、「グレーゾーン」の子どもたちは、支援の対象外になりがちです。
でも、困りごとは確実に存在しています。
だからこそ、家庭での気づきがとても大切です。
親だけで抱え込まず、 「専門家の力を借りること=失敗」ではありません。
それは子どもと自分自身を守る行動です。
夏休みは、子どもと過ごす時間が増えるからこそ、普段は見えなかった心のサインに気づける貴重な期間です。
「最近、なんか荒れてるな」
「もしかして、うちの子もしんどい?」
そんな風に感じたときこそ、ちょっと立ち止まってみてください。
怒る前に、責める前に、子どもが出している小さなSOSに気づくこと。
それが、 二次障害を防ぐ第一歩になります。
