小学2年生の息子が外の世界で強い不安から激しい癇癪を起こす様子と、その理由が脳の危険信号だと理解し、寄り添うことで少しずつ成長していく日々の実体験を綴ります。
1.不登校の息子が、やっと外の世界と繋がれたと感じた矢先の出来事
家では落ち着いて過ごせるのに、外に出ると突然不安が強くなるー。
「やっと良くなってきたと思ったのに、また逆戻り?」
そんなふうに感じて、戸惑っていませんか?
まさに、うちの息子もそうでした。
自閉スペクトラム症(ASD)の息子は、不登校になった当初、自宅でも癇癪がひどく、暴れたりすることもありました。
でも、発達科学コミュニケーション(発コミュ)をすべて受講し終える頃には、家で落ち着いて過ごせるようになり、少しずつフリースペースにも行けるようになっていました。
ようやく「外の世界とつながれた」と感じていたある日のこと、突然癇癪を起こしたのです。

「この癇癪、どう対応すればいいの?」と迷ったときに。
泣く・怒る・暴れる…
実は、癇癪には理由があります。
関わり方を少し変えることで、
落ち着いて過ごせる時間が増え、
ママの気持ちもラクになっていきます。
2.突然の大泣きと激しい癇癪
その日、時間通りにフリースペースに迎えに行くと、息子が部屋の隅で泣いていました。
支援員さんに話を聞くと、さっきまで一緒に遊んでいた友達がたった1〜2分早く帰っただけで、急に表情が曇ったとのことでした。
車に戻ると、息子は大声で泣き出し
「車の中でゲームをさせろ!」
「家に帰りたくない!」
「お前が迎えに来るのが遅いからいけないんだ!」
と気持ちをぶつけてきました。
ここ最近、感情の波が落ち着いてきたと喜んでいた矢先。
その反動のような激しい癇癪に、私は胸がぎゅっと締め付けられました。

3.ASDの脳が感じていた『危険信号』
でもその時、ASDの脳の特性のことが頭に浮かびました。
ASDの子どもは、脳の中にある「扁桃体(へんとうたい)」という部分が敏感に反応しやすいと言われています。
扁桃体は危険や不安を察知するセンサーのような働きをしています。
この扁桃体が強く反応すると、本人にとっては「とても怖いことが起きた」と感じることがあります。
つまり、周りから見れば「ほんの数分友達が早く帰っただけ」でも、息子にとっては「安心できる存在がいなくなった」という大きな変化だったのかもしれません。
その瞬間、脳が危険信号を出してしまったのだと気づきました。
だから私は「どうにか落ち着かせなきゃ」「大丈夫だよ」と言いたい気持ちをぐっと抑え、「子どもの気持ちを否定せず寄り添う」対応をすることにしました。
車から降りたがらず「ゲームをさせろー!」と叫ぶ息子に、
「そっか、ゲームがしたいんだね。」
と気持ちをそのまま受け止めたうえで、
「じゃあゲームを30分したらお家に入ろうか。5分前に声をかけるね」
と約束し、安心できる時間をつくることに集中しました。

4.理由がわかるだけで、感情的にならずに向き合える
最初は30分の予定が、息子はそのまま1時間以上ゲームをしてしまい、外はすっかり真っ暗に。
正直、私は焦りやイライラもありました。
家事もあるし、帰りたい気持ちももちろんありました。
それでも…
「これはわがままじゃない脳の危険信号。」
「不安を処理するために必要な時間なんだ」
と、思うことで感情的にならずに冷静に受け止めることができたのです。
すると息子は満足したのか、自分でゲームをやめて落ち着いた状態で家に入ることができたのです。
「ちゃんと自分で切り替えられた」
そんな姿を見て、息子の中に『立ち直る力』が、少しずつですがしっかり育っていることを実感しました。

5.外に出られるようになったからこそ起きた変化
この出来事を通して、私は強く思いました。
外の世界に出られるようになるということは、その分、感じる刺激や不安も増えるということ。
でもそれは、決して後戻りではなく、息子が世界を広げようとしている証拠なんだと気づきました。
守られた安心の中から一歩外に出るには、子どもにとって勇気とエネルギーが必要です。
「外の世界に出たからこそ起きた癇癪」
それは、成長の証であり、心が頑張っているサイン。
親としては揺れる瞬間もあるけれど、「今ここで泣けるほど頑張っているんだ」そう思えるようになりました。
だからこそ、焦らず、比べず、息子のペースに寄り添いながら進んでいきたい。
一歩進んで、また立ち止まって、時には戻る日があっても、そのすべてが前に進む途中なんだと、今では心から思います。

毎日の癇癪に、どう対応すればいいのか迷っているママへ。
癇癪には理由があり、
関わり方を少し変えることで、
落ち着いて過ごせる時間は増えていきます。
執筆者:おかもと ひろ
発達科学コミュニケーション トレーナー





