新学期「学校行きたくない」と言われたら?親と子でちがう「行きたくない」の意味

笑顔の親子
新学期、頑張って学校へ行っていた子どもから「学校行きたくない」と言われたら?親にとっては突然でも、子どもにとっては「今日まで」の積み重ねかもしれません。「行きたくない」の意味の違いを知り、まず何をすればいいのかをお伝えします。
 
 

1.新学期「学校行きたくない」と言われたら、どうする?

 
 
夏休みが終わって、新学期がスタート。
 
 
朝はなかなか起きられない。
 
 
支度にも時間がかかる。
 
 
それでも、なんとか学校には行っている。
 
 
「新学期だし、疲れているのかな」
「もう少ししたら慣れるかな」
 
 
そんなふうに思っていたところに、「学校、行きたくない」と言われたら、どうしますか?
 
 
「え、どうしたの?」
「何かあったの?」
「休ませた方がいいのかな?」
 
 
いろいろなことが頭をよぎります。
 
 
これまでも頑張って行けていたからこそ、
 
「今まで行けていたのに、どうして?」
「ここで休ませたら、この先行けなくなるんじゃない?」
「でも、無理やり行かせるのも違う気がする……」
 
と、どうしたらいいのか分からなくなってしまいます。
 
 
私も、息子が初めて「行きたくない」と言ったとき、同じでした。
 
 
そして、今振り返ると、ここに親子の大きなギャップがあったことが分かりました。
 
 
学校行きたくないと座り込む男の子
 
 

2.初めて「行きたくない」と言われたとき、私もあたふたしました

 
 
私の息子は、幼児の頃から行きしぶりがあり、不登園も経験しました
 
 
小学生になった今では、楽しく元気に過ごせる日が増えています 。
 
 
そんな息子が、初めて「行きたくない」と言ったのは、年少の秋でした。
 
 
「幼稚園、行きたくない」
 
 
そう言われたとき、私はまず理由を知りたいと思いました。
 
 
「なんで行きたくないの?」
「嫌なことがあるの?」
 
 
でも、息子は「ママがいい」としか言いませんでした。
 
 
「ママがいい」なら一緒に行くよ。
 
 
しかし、幼稚園に着いても息子の表情はこわばったままで活動にもほとんど参加できませんでした。
 
 
「ママがいい」と言うので一緒に過ごす時間を増やしました。
 
 
しかし、困りごとは増える一方。
 
 
お風呂やご飯にすごく時間がかかる。
 
 
一緒に遊んでいても思い通りにならないとすぐに泣いたり怒ったりする
 
 
これまでできていた着替えや、自分でご飯を食べることもできなくなっていきました
 
 
「あれ?どうしちゃったんだろう」
 
 
あんなによく笑っていたのに、いつも不安そうで怒ってばかり
 
 
できていたことまでできなくなっている。
 
 
私は、息子のことが知りたくて仕方がありませんでした。
 
 
「この子は何を考えているんだろう」
「この子の中で何が起こっているんだろう」
 
 
でも、何が原因なのかも分からない。
 
 
どうすればいいのかも分からない。
 
 
どんなふうに接すればいいのかも分からない。
 
 
そうしているうちに、子育てそのものに自信がなくなっていきました
 
 
不安で顔を覆っている女性
 
 

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3.親と子でちがう「行きたくない」の意味

 
 
今振り返ってみると、私は息子の「行きたくない」を、息子とは違う意味で受け取っていたのだと思います。
 
 
私にとっては、「行きたくない」と言われたところがスタートでした。
 
 
だから、「何があったんだろう?」「どうしたら行けるようになるんだろう?」と考えました。
 
 
でも、子どもにとっては、そこがスタートではないのかもしれません。
 
 
「行きたくない」と言葉にするまでに
 
嫌だな
疲れたな
ちょっとしんどいな
 
そう思うことがあっても、頑張って行っていたのかもしれない。
 
 
園で120%の力で頑張っていても、私にはいつも通りに見えていただけなのかもしれません。
 
 
  • 朝、支度に時間がかかる。
  • 帰ってくると疲れている。
  • ちょっとしたことで怒る。

 

 

そんな変化があったとしても、「新学期だからかな」「疲れているのかな」と、私はそこまで深刻には考えていませんでした。

 

 

そしてある日、息子が「行きたくない」と初めて言った。

 

 

私にとっては、そこが問題の始まりでした。

 

 

でも息子にとっては、そこまでに積み重なってきたものがあって、ようやく言葉になったのかもしれません。

 

 

つまり、親にとっては「今日、行きたくない」という話でも、子どもにとっては「今日まで、しんどかった」という話だったのかもしれません。

 

 

ここに、親子の大きなギャップがあります。

 

 

子どもの「心のバッテリー」がかなり減って、動けなくなってしまった状態です。

 

 

充電が切れたスマホに「なんで動かないの?」と理由を聞いても動かないのと同じで、このときに必要なのは原因を探ることではなく、まず充電することです。

 

 

もちろん、「行きたくない」と言ったからといって、必ず限界まで頑張っていたとは限りません。

 

 

でも、「どうして急に?」「今まで行けていたのに」 と考える前に、「この子の中で、何が起きていたんだろう?」と考えてみる。

 

 

それだけでも、「行きたくない」という言葉の受け取り方は変わってくると思います。

 
 
気づきと人形
 
 

4.「行きたくない」と言われたら、まず何もしない

 
 
「学校行きたくない」
 
そう言われたら、お母さんは何とかしようとします。
 
 
理由を聞く。
励ます。
説得する。
行ける方法を探す。
 
 
「大丈夫だよ」
「学校に行ったら楽しいよ」
「みんな待ってるよ」
 
 
でも、ここで一度立ち止まってみてほしいのです。
 
 
「行きたくない」と言われたら、まず何もしない。
 
 
ここでいう「何もしない」は、子どもを放っておくということではありません
 
 
行かせるために何かをするのを、いったん止めるということです。
 
 
すぐに理由を聞き出さなくてもいい。
 
 
すぐに解決策を探さなくてもいい。
 
 
「休ませる?行かせる?」と、答えを急がなくてもいい。
 
 
「何もしなかったら、このままずっと行けなくなるのでは……」と不安になるかもしれません。
 
 
でも、心のエネルギーがかなり減っているときに「頑張って行こう」と押し出してしまうと、さらに苦しくなり回復に時間がかかってしまうことがあります。
 
 
まずは立ち止まることが、実は一番の近道になります。
 
 
第一に、「そっか」「行きたくないんだね」と、子どもの言葉を受け取る。
 
 
もし子どもが話し始めたら、途中で解決しようとせず、全力でその話に耳を傾ける
 
 
「学校で○○が嫌だった」
「疲れた」
「先生が…」
「友達が…」
 
そんな話が出てきても、「じゃあ先生に言ってみよう」「それならこうすればいいよ」と、すぐになんとかしようとしなくて大丈夫です。
 
 
「そうだったんだ」「それは嫌だったね」と聞く。
 
 
子どもが「行きたくない」と言ったその瞬間は、「どうしたら行ける?」ではなく、「この子の中で、何が起きているんだろう?」と立ち止まってみる。
 
 
それが、子どもの本当の困りごとを知るための第一歩になります。
 
 
学校に行きたくないと抱きつく男の子
 
 

5.「行きたくない」と言える親子でいるために

 
 
私は、息子の不登園を経験して、「学校に行けること」だけを目標にしたくない、と思うようになりました。
 
 
これから先も、子どもが成長するにつれて困ることはきっとあります。
 
 
  • 友達とケンカをした
  • 先生に怒られた
  • 勉強が分からない
  • 疲れてしまった

 

 

そんなときに、「ママに話してみよう」と思える子でいてほしい。

 

 

そう思っています。

 

 

息子が不登園になった頃、私は息子の気持ちを知りたくて、何度も「なんで行きたくないの?」「何が嫌なの?」と聞いていました。

 

 

でも、返ってくるのは「ママがいい」という言葉ばかり。

 

 

今振り返ると、子どもが気持ちを話すためには、まず、「話しても大丈夫」と思える安心感が大切だったのだと思います。

 

 

しばらく休んで、親子のコミュニケーションを整えていくと、息子はまたよく笑う子に戻り、たくさん話をしてくれるようになりました。

 

 

学校生活でも、バッテリーが少なくなってきたなと感じるときは、遅刻したり休んだりしながら、無理しすぎないようにしています。

 

 

「行きたくない」と言われたとき、お母さんにとっては「今日、行きたくない」という話に見えます。

 

 

でも子どもにとっては、「今日まで、しんどかった」という話かもしれません。

 

 

このギャップを知っているだけで、次に「行きたくない」と言われたときの受け取り方は変わります。

 

 

「どうして急に?」ではなく、「ここまで、よく頑張ってきたんだね」と。

 

 

その積み重ねが、「困ったときは、お母さんに話してみよう」思える親子関係につながっていきます。

 

 

「行きたくない」と言わないことがゴールではありません。

 

 

「行きたくない」と言えること。

「つらい」と言えること。

「助けて」と言えること。

 

 

そして、そんなことを話しても大丈夫だと思えること。

 

 

そんな親子関係こそが、子どもがこれから先の人生で困ったときにも、一人で抱え込まずにしなやかに生きていくための、一番の土台になるのだと思います。

 
 
笑顔でハグする親子
 
 

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執筆者:渡辺 さくら
発達科学コミュニケーション アンバサダー
 
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