熱血先生が苦手な母子分離不安の子どもが小学校生活を安心して過ごすためにできるコト

学校が苦手な母子分離不安のお子さんの中には、「先生の態度や表情を敏感に感じ取って苦しくなってしまう」というお子さんが多くいらっしゃいます。2学期は学校行事が1番多いシーズン。先生達は行事に追われ表情や態度がピリピリしています。その様子をいち早く感じ取ってしまう母子分離不安の子どもたちのためにできることを考えてみましょう。
 
 

1.母子分離不安の子どもが小学校の先生で苦手なタイプ

 
 
母子分離不安のお子さんが登校時に母親から離れられずにいる時、学校の担任の先生はどの様な対応をとられますか?
 
 
校門で笑顔でお出迎え!
「〇〇さん、おはよう!先生、待ってたよ!お母さんに甘えてないで、先生と遊ぼうよ!」と満面の笑みで元気に声をかけてくれる熱血タイプの先生ではないですか?
 
 
子どものことを大切に考えてくれて、いつも気にかけてくれて、愛想がいい熱血タイプの先生は、親にとっては好印象で安心できる存在ですよね。
 
 
しかし、この熱血タイプの先生。
 
 
不安が強い母子分離不安の子どもにとっては、ちょっと苦手なタイプなんです。
 
 
 
 

2.なぜ母子分離不安の子どもは熱血先生が苦手なのか?

 
 
熱血先生は、子どもたちとの信頼関係を築くため、初めから全力で子どもと関わろうとします。
 
 
自分の気持ちを全面的に出して、愛情を表現してくれるいい先生なのですが…
 
 
実は、その「圧」や「距離感」が苦手だと感じてしまう母子分離不安の子どもも多いのではないでしょうか?
 
 
不安や警戒心が強い母子分離不安の子どもは、大人に対して心を開くまでに時間がかかります。
 
 
熱血先生がもしお子さんの特性に気づいていなかったとしたら、きっと初めから距離を詰めてくることでしょう。
 
 
また熱血先生には
 
 
✔️子どもが自分の気持ちを伝えようとしたタイミングで、先生の意見を上から被せてくる
 
✔️子どもの気持ちをわかった風である
 
✔️自信がみなぎっていて、余計なことを良かれと思ってやってくる
 
 
こんなイタイ面もあったりします。
 
 
まだ信頼関係が築けていない状況でこのような経験が重なったら、人間関係においてもネガティブな記憶を残しやすい母子分離不安の子どもは、先生に苦手意識を持ってしまうかもしれませんね。
 
 
 
 

3.熱血先生だった私が反省していること

 
 
私は20年間、教職に携わってきました。
 
 
経験の浅い頃は、私自身もバリバリの熱血先生で、自分の熱い情熱を全面的に子どもたちにぶつけるちょっとイタイ先生だったと思います。
 
 
「子どもが好き」という情熱だけで全力で駆け抜けた担任時代でした。
 
 
もちろん、熱血先生が大好きな子どもたちにとっては、人気の先生だったと思います。
 
 
天気のいい日は、必ず全員を誘って外へ!鬼ごっこを全力で楽しみ、常に前向きな声かけで子どもたちを励ましていました。
 
 
その時は、これこそが理想の先生の形だと思っていましたし、自分が全力で子どもたちと関わっていることに自信を持っていたのです。
 
 
現在は保護者支援や子どもの心のカウンセリングに携わっていますが、今、過去の自分を振り返ると、反省すべき点がたくさんあったと思うのです。
 
 
果たして、あの頃の私はクラス全員の子どもたちと向き合えていたのか?
 
 
答えはNOです。
 
 
きっと熱血でいつも前向きな声かけしかしない先生と一緒にいることで、心が疲れた子どももいたでしょう。
 
 
ゆっくりと一人で本を読みたい子どもの気持ちをわかってあげられたか?
 
大きな声を苦手とする子への声かけを配慮してあげられていたか?
 
集団が苦手な子に個別の配慮をすることができていたか?
 
 
反省するときりがありません。
 
 
 

4.母子分離不安の子どもが小学校の先生と信頼関係を築くために、母親ができるコト

 
 
若い世代の先生たちは「子どもたちのために」と情熱を持って教職につかれたばかりの方が多いかと思います。
 
 
情熱があることはとてもいいことです。
思いも情熱もない先生たちも残念ながら多くいますから。
 
 
もしお子さんの小学校の担任が熱血先生で、お子さんがちょっと苦手に感じているようであれば…
この記事を参考に、熱血先生との信頼関係を築いていってほしいと思います。
 
 
 

◆母子分離不安であることを必ず伝える

 
 
前述したように、残念ながら小学校の先生でも「母子分離不安」という不安障害があることを知らない先生もいらっしゃいます。
 
 
お子さんの母子分離不安の状況が甘えではないことを、しっかり先生にお話しておきましょう。
 
 
分離不安症の診断が出ていたり、カウンセリングや病院に通われていてアセスメント(どのように分離不安に対して対応していくことがよいのか)が表記されている書類があるのであれば、必ず見せてご説明するようにしてください。
 
 
ないようであれば、こちらの記事を参考に母子分離不安について説明されてくださいね。
 
 
熱血先生だからこそ、わからないことは必死で調べて、子どものために全力で対応してくださると思いますよ!
 
 
 

◆先生への感謝の気持ちを言葉にする

 
 
熱血に関わってくれている先生を認め、親が感謝の気持ちをしっかりと表しましょう。
 
 
母親が感謝の気持ちを表すことは、先生に対して肯定の言葉かけにもなりますし、もっと重要なのは、子どもにとっても先生の行動を肯定的に捉えるきっかけになります。
 
 
子どもとの関係も先生との関係も 「受け入れて、肯定する」
 
 
このコミュニケーションの基本が先生との関係を良好に保つための秘訣です。
 
 
母子分離不安を理解してくれた熱血先生はきっとお子さんにとって最高のサポーターとなってくれるはずです。
 
 
まずは勇気を出して!ママから先生にアプローチをしてみましょう。
 
 
 
 
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