昨日の地震で、不安な時間を過ごされた方もいらっしゃるかもしれません。突然の地震のあと、子どもが泣き続けたり、「また地震が来る?」と怖がったりして戸惑っていませんか。この記事では、2024年の能登半島地震で実際に被災した私の体験をもとに、不安の強い子どもが少しでも安心を取り戻せるよう、家庭で実践して効果を感じた関わり方をご紹介します。少しでも不安な時間が和らぐヒントになれば幸いです。
昨日、熊本県で発生した地震により、不安な時間を過ごされている皆さまへ、心よりお見舞い申し上げます。
大きな揺れを経験すると、大人でも落ち着かない日が続きます。
特に不安が強いお子さんは、小さな揺れや物音にも敏感になったり、「また地震が来るかもしれない」と眠れなくなったりすることがあります。
この記事は、私が2024年の能登半島地震で被災した経験をもとに書いたものです。
今まさに不安な時間を過ごしている親子に、少しでも安心につながるヒントを届けられたらと思い、改めてご紹介します。
1.2024年1月1日、能登半島地震で被災した我が家
2024年1月1日、穏やかなお正月を私たち家族は家で過ごしていました。
16時6分、自宅にあるスマホ5台とテレビから大音量でけたたましく鳴る警報音。
「緊急地震速報です!強い揺れに警戒してください!」「地震です!地震です!」
警報音が鳴ってしばらくすると、下から突き上げるような立っていられないほどの大きな揺れが襲いました。
学校で避難訓練を受けている子どもたちは自分から机の下に避難しました。
私は大きな本棚を押さえ、夫はしゃがみ込んでいました。
引き出しは開き、棚の上から物が落ち、床の上には物が散乱しました。
北陸は普段から地震が多いですが、いつもの地震とは違うと直感し1回目の地震がおさまって直ぐ、スマホだけ持って家の外に飛び出しました。
外には地震で驚いたご近所さんが出てきていました。
真冬の北陸でコートなしでは寒すぎて家族のコートを取りに入ろうか悩んでいると
「地震です!大津波警報です!」と、2回目の地震が起きました。
この時が能登で最大震度7を記録した大地震でした。
車も電信柱も街路樹も横に揺れたのが見えたくらい揺れました。
家の外で家族でしゃがんで地震がおさまるのを待ちましたが、とても長い時間揺れていたように思いました。
この時、大地震を2回経験し、不安の強い発達障害グレーゾーンの娘は過呼吸を起こしていました。
私はただ娘を抱きしめることしかできませんでした。
このような状況で、ただでさえ母子分離不安で母子登校をするくらい不安の強い私の娘は、状況を理解できず、ただただ余震と津波警報に怯え固まって動けなくなってしまっていました。
何度も鳴る大音量の警戒音
何度も揺れる余震
いつどうなるのかわからない状況
子どもたちは、常に心ここにあらずで、
- ご飯も食べない
- トイレも一人じゃ行けない
- 夜も怖くて寝れない
という不安な日々を過ごしました。
「子どものために落ち着いて行動しなければ!」と夫婦で気を張り詰めてはいましたが、正直私も主人も怖くて怖くて仕方がありませんでした。
- 余震が続く中、このまま自宅にいるのか避難するのか
- 避難するなら別に暮らしている祖父母も一緒に連れて行きたい
- 祖父母と連絡が取れない
- 家族別行動で避難所で集合するか
など、短時間で決断しなければいけないことがたくさんありました。
震源地からは約100km離れていたため、幸い我が家はそこまでの被害はありませんでしたが、それでもとても怖い思いをしました。

2.被災したり、災害があった時、子どもにとってストレスとなるもの
突然の地震や津波などに被災すると、親も子どももパニック寸前でこれからの事なんて誰にもわからない状況になります。
地震や津波のような非日常は子どもにとって、ストレスが大きくなる原因となります。
- 予測不能なこと
- 安心安全が失われる
- 生活が大きく変化する
- テレビやネットニュースから聞きなれない言葉や不安を煽るような文字を見る
子どもは『いつもと違う』ことが不安の元になり、特に不安が強い特性を持っているお子さんはとても強いストレスを感じてしまいます。

3.地震が怖くて泣いている子どもに親ができること
こんな時、私たち親はどのように子どもに対応したらいいのでしょうか?
情報を多く取り入れないように映像や音などの刺激になるものを消すことは、不安の強い子にとっては、とても重要な配慮です。
しかし、私が被災して一番感じたことは、いかに親自身も不安な状況で『子どもに安心を与える』ことができるかということ。
余震で不安を感じて寝ることができなかった1月1日の翌日の朝、私に一通のメールが届きました。
そのメールは、発達科学コミュニケーション(発コミュ)マスタートレーナーのいたがきひまりさんから送られてきたものでした。
そのメールには
ただ抱きしめてください。
ただ手を握ってください。
ただ目を見つめてあげてください。
そして「あなたを絶対守る」と伝えてあげてください。
と書いてありました。
どれだけ、この言葉が心強かったか…今でもよく覚えています。
地震が怖くて泣いている子どもたちに、何もしてあげられないと無力さを感じていましたが、
何もできなくても、とにかくスキンシップをとり、一緒にいてあげることで子どもたちは少しずつ口数が増えて、安心を取り戻していきました。

4.急な地震でも子どもの不安が軽減できる方法
私のメンタルはいたがきひまりさんのメルマガのおかげで充電満タンになりました!
地震の直後は、不安がすぐになくならなくても大丈夫です。
怖かった経験は、誰の心にも残ります。
だからこそ、「安心できる時間」を少しずつ積み重ねていくことが大切だと、私は被災を通して実感しました。
実際に被災して、私が実践して効果のあった『子どもの不安を軽減する方法』をご紹介します。
◆わからないままが怖い!誤魔化さないで事実を伝える
娘:津波と大きな地震が次来たらどうなる?ママ死なないでね。津波も地震も怖い。
私:「大津波警報5mと出てるよね。これの意味はこうなんだよ。」と地域のハザードマップや危険度マップの建物全壊率を検索して見ながら説明しました。
小学校高学年になると不安を煽らないようにと嘘をつくより、事実を伝えた方が次の行動にうつせました。
子どもが調べようと思えばスマホで調べられるので、私が嘘をついて関係がギクシャクするより事実を伝えた方が安心材料になりました。
◆テレビは地震以外にする
必要以上に見せないことは効果ありました。
地震の実体験と視覚情報が多過ぎると、娘は一時的に過呼吸になっていましたが、テレビを消したことで少し落ち着きました。
しかし小6の次女は動画アプリから地震や津波の映像を見てしまいます。
避難所の情報や道路情報などを知りたいという娘なりの思いがあっての行動だったので、頭ごなしにやめさせずにひたすら話を聞きました。
否定はせずにひたすら肯定!をとにかく意識しました。
◆防災リュックの見直し
本来なら防災リュックは事前に用意するものだとは思いますが、現実に被災してから娘と一緒に防災リュックの中身を見直して詰め直しました。
何が必要なのか、外は寒いから〇〇必要、でもこんなに沢山は持っていけない…
「玄関に防災リュックある方がいいね」「じゃあ普段から車に積んでおくのは?」
と、色んな意見を出してくれ真剣に考えてくれました。
◆普段の日常と同じことをする
大きな余震が続いていた時は緊張感が高く難しかったですが、体に感じる余震が少なくなってきた頃には効果絶大でした。
- 寝るときはいつものぬいぐるみと寝る
- 寝る前のルーティン(歯磨き→今日の楽しかったことベスト3→添い寝)
- いつもの肌触りが大好きなパジャマを触る
- YouTubeを見る
- みんなでご飯を食べる など
『いつもと一緒』が不安を軽減するのに効果抜群でした。

能登半島地震から2年以上が経過した今では、子どもたちの地震への恐怖も少しずつ落ち着いてきました。
それでも、大きな災害を経験した記憶は、簡単になくなるものではありません。
だからこそ、「怖かったね」「ママ(パパ)はここにいるよ」と安心を積み重ねる時間が、子どもの心の回復につながっていくのだと思います。
今回の地震で不安な時間を過ごされている皆さまが、一日も早く安心して過ごせる日常を取り戻せますよう、心より願っています。
\“どう関わればいいか迷う”ママへ/
「待つ?手伝う?」と悩みやすい場面での関わり方を
不安が強い子が「自分でやる」を少しずつ増やしていく
視点と具体的な声かけにまとめました。
執筆者:田中さくら
発達科学コミュニケーション リサーチャー



