ギフテッド男子が感情的になりやすいのは、脳の発達の「非同期性」によるものです。しかし、適切な方法で感情と向き合い、コントロールする力を育てることで、感情に振り回されずに生きていくことができます。
1.ギフテッド男子が感情的になりやすい理由
①非同期発達の影響
ギフテッド男子には、知的な能力の発達が早い一方で、感情面や社会性が追いついていないことで「アンバランスさ」が生じ、感情をコントロールが難しくなります。
頭ではわかっているのに、気持ちがついていきません。
非同期発達について、詳しくはこちら▼
②感受性の強さ
ギフテッド男子は、環境や他者の言動に対して敏感で、小さなことにも強く反応します。これを過度激動といいます。
感受性が強いため、些細なことにも「感情の爆発」が起こります。
過度激動については、こちら▼
特性を知ることが高IQギフテッド子育てを楽にする!過度 激動って、なんだろう?
③自己理解の欠如
ギフテッドは、感情が大きすぎて、自分でもコントロールすることが難しく、コントロールできない、そんな自分自身に「なぜこんなに怒ってしまうのか」「なぜ悲しいのか」が分からず、余計に混乱してしまうことがあります。
また、頭では、感情的になってはいけないとわかっているからこそ、感情をコントロールできない自分はダメだと自己否定してしまうことがあります。
そして、感情的になっている時は、自分が感情的になっていることにも気がつけない時もあります。
④社会的誤解
周囲から「頭がいいのにわがままだ!」と誤解されることで、自己否定感や孤立感を強める場合もあります。
自己否定感が強いことにより、さらに、ちょっとした一言を否定的に捉えて、感情が爆発しやすくなります。
2.「あの子暴れるから・・・。」避けられていた子が優しさがダダ漏れになりました!
息子は小学校低学年の頃、登校班で一緒の子達に避けられていました。
なぜなら、嫌なことがあると怒りを爆発させることがあったからです。
登校中に石を蹴っている事を注意されてもいうこと聞かない。そのことに、年上の子達が怒り、息子のランドセルを掴む。
すると、息子が怒り出し、暴れる・・・・。
石を蹴ってしまう息子が悪いのですが、ランドセルを掴まれてしまい、嫌がると暴れる子と認定されてしまいました。
そして、周りから、そういう目で見られるようになると息子の問題行動は増えていきました。
ニコニコしていた子がイライラしていることが増えていきました。
このままでは、まずい!
私は、息子が感情コントロールできるように取り組みを始めました。
その時、「怒らないで」と注意したり、「何か言われても気にしない」とアドバイスするだけでは根本的な解決には至らず、息子も「どうして僕はこんなに怒ってしまうの?」と苦しんでるようでした。
けれども、そもそも、怒る原因があるのだから、それを我慢するのではなく、怒る原因を言葉で伝えられるようにして根本から解決しようと対応を開始しました。
すると、息子が怒ることが劇的に減っていき、笑顔でいることが増えました。
初めは、家では笑顔が出るのに、学校では硬い顔をしていました。
けれども、少しずつ学校でも笑顔でいる時間が増えていきました。
そして、今では、息子の周りには友達がいて、学校の先生から、息子くんの優しさがダダ漏れです!とメールが届くまでになりました。
3.「怒りのループ」は脳に悪影響
その怒りを怒りの発散で解決することに頼ると、それが習慣化してしまうのです。
怒りが習慣化すると脳に悪影響を及ぼします。
怒りが頻繁になると、脳は「怒りのループ」を作りやすくなり、より些細なことで怒りやすくなり、結果としてストレス耐性が低下する原因になります。
そして、怒りっぽい性格だと、友達や家族との信頼関係が壊れやすくなります(T . T)
ギフテッド男子にとって、他者からの理解と支援は非常に重要です。
それを失うことは彼らの成長に深刻な影響を与えます。
また、怒りの爆発の後、「自分はなんでこうなってしまうんだろう」と自己否定を繰り返すようになります。
これが自信喪失や自己評価の低下を引き起こします。
なので、ギフテッド(2E)男子の「怒りグセ」には、すぐに対応してくださいね^^
4.怒ってばかりだった息子の笑顔を取り戻すためにしたたった一つのこと
私が息子の笑顔を取り戻すためにやったことは、怒りで気持ちを表現するのではなく、本心を伝えられるようになることです。
本心を言葉にできるようになると、感情に振り回されることが減り、笑顔が増えます^^
なぜなら、怒りは、本当の感情を隠す「表面の感情」
に過ぎません。
その裏側には、以下のような本心が隠れています。
①悲しみや不安
「分かってほしい」「認めてほしい」という気持ち。
伝えたいのに伝わらない時、その気持ちは怒りへと変わります。
イヤイヤ期の子がそうですよね。
言葉で伝えられるようになって、伝えたいのに、伝わらないことで怒りを爆発させる。
②自己否定感
「自分はダメだ」「また失敗した」と思う気持ち。
できない自分を知られそうで怖いという気持ちを隠すためにあえて怒るという表現をしています。
例えば、お母さんが〇〇したせいだと相手のせいにして、できない自分を隠しています。
③助けを求めるサイン
「どうしたらいいか分からない」「助けてほしい」という気持ち。
助けてほしい気持ちをうまく表現できずにうまく行かないと不機嫌になる。
言葉にしてくれたら、助けてあげられるし、わかってあげられるのに・・・。ママも辛いですよね。
けど、子ども自身も伝えられずに辛いんです。
ギフテッド男子は感受性が豊かであるため、これらの気持ちを強く抱きやすく、怒りが爆発してしまうのです。
だけど、本心を言葉で伝えられるようになると、怒りで表現する必要がなくなり、そもそも、怒る必要性がなくなります。
穏やかに過ごせる時間が増え、笑顔の時間が増えていきます。
執筆者:発達科学コミュニケーショントレーナー 神山彰子
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