ギフテッド男の子の「困った特徴」には理由がある〜「しょうがない」で終わらせたくなかった私が見つけたこと〜

ギフテッドの男の子に見られる、怒る、頑固、言うことを聞かないなどの「困った特徴」。「ギフテッドだからしょうがない」で終わらせず、たくさんの親子の変化から見えてきた、行動の奥にある理由をお伝えします。

 

1  「ギフテッドだからしょうがない」で、わが子の未来まで諦めたくなかった

 

「この子はギフテッドだから、しょうがない。」

 

 

そう思えば、わが子の「どうして?」に、ひとまず答えを出せるのかもしれません。

 

 

友達とうまくいかないのも。
学校になじめないのも。
すぐ怒るのも。
頑なに自分のやり方を変えないのも。

 

 

「ギフテッドだから、しょうがない。」

 

 

だけど、その言葉で終わらせたら、
この子の未来まで「しょうがない」にしてしまうんじゃないか。

 

 

私は、そこにずっと引っかかっていました。

 

 

実際に、私の個別相談に来られたお母さんから、こんな言葉をいただいたことがあります。

 

 

いつの間にか、
この子はギフテッドだから友達とワイワイ青春時代をすごしてほしい。って願ってはいけないんだ。親の私がそう思うと息子が辛くなってしまう。
と、思っていました。

 

でも、願っていいのかも。と思えました。

 

 

私は、この最後の

「願っていいのかも。」

という言葉が、とても大切だと思っています。

 

 

ギフテッドだから、しょうがない。

そう言って、この子の未来まで小さくしたくない。

 

 

私は、

「ギフテッドだから、こうなる」

で終わるのではなく、

「じゃあ、なぜ今この子はこうなっているんだろう?」

を知りたかったんです。

 

 

 
 

2 私が知りたかったのは、「どうしたら言うことを聞くか」じゃなかった

 

私自身、息子の行動に悩んできました。

 

 

どうして、言うことを聞かないの?

どうして、分かっているはずなのにやらないの?

どうして、そんなに怒るの?

 

どうして、「こうすればいい」と分かることまで、頑なに拒むの?

なんで、ちょっと我慢することができないの?

 

 

けれど、子どもの行動を見れば見るほど、私の中には別の疑問が生まれてきました。

 

 

この子は、なぜ、こんな行動を取るのだろう?

 

 

私が知りたかったのは、

「この子をどうやったら言うことを聞かせられるか」

ではなくなっていきました。

 

 

「なぜ、この子はこうなっているんだろう?」

その謎を解きたくなったんです。





 

 

3 たくさんの親子の「うまくいったとき」と「うまくいかなかったとき」が私に教えてくれたこと

 

これまで、私は、個別相談を通して450人以上のお子さんの悩みに触れてきました。

 

 

そして、発達科学コミュニケーションを実践する中で、受講生親子の関係が変化していく姿も見てきました。

 

 

スッと親子関係が変わり、子どもの行動まで変わっていく親子もいれば、なかなか変化が起きない親子もいる。

 

 

何が違うんだろう?

どんな関わりをしたときに、子どもの反応が変わり始めたのか。

 

 

私はその記録を何度も見返して、うまくいったときには何が共通しているのかを探してきました。

 

 

すると、一見まったく違って見える子どもたちの行動に、ある共通点が見えてきました。

 

 

すぐ怒る子。

ゲームや好きなことから戻れなくなる子。

「無理」「できない」と言って、動かなくなる子。

 

自分のやり方を絶対に変えようとしない子。

失敗しそうなことには、最初から挑戦しようとしない子。

 

 

表面に出ている行動は違います。

 

 

だけど、その奥を見ていくと、

「この子たちは、自分を守ろうとしているのではないか?」

と思える姿が何度も見えてきたんです。





 

 

4 「困った行動」の奥に見えてきたもの

 

ある生徒さんから、こんな報告がありました。

 

 

息子さんが、学童で宿題をしている途中に癇癪を起こし、机を蹴るほどのパニックになりました。

 

 

迎えに行ったときには、もうケロッとしていたそうです。

 

 

家に帰って話を聞くと、

「学童じゃなくて、学校で嫌なことがあったんだ!」

と言う。

 

 

けれど、それ以上聞こうとすると、また怒り始める。

 

 

きっと、今日は疲れているだろう。

そう思ったお母さんは、息子さんに優しく声をかけました。

 

 

「今日は宿題もやらなくていいよ。おやつを食べて、テレビを見て、ゆっくり過ごそうね。」

 

 

ところが、その瞬間。

 

 

息子さんは怒り始めたんです。

「宿題をやらなくていいなんて、僕を苦しめたいのか!」

 

 

そして、泣きながら宿題を始めました。

 

 

お母さんには、意味が分かりません。

 

 

「なんで!?どうしてそうなるの!?ママはそんなこと思ってないよ!」

 

 

その後、息子さんからは、それまでで一番と言っていいほどの暴言が出てきました。

 

 

以前のお母さんだったら、

「なんで、そんなにひねくれているの!」

と怒って、大バトルになっていたかもしれない。

 

 

けれど、この日は違いました。

 

 

言い返したいのを必死にこらえて、息子さんが話し始めるのを待ちました。

 

 

すると、しばらくして、息子さんが言ったんです。

 

 

「宿題をやらなかったら、明日先生に怒られるじゃないか!」

「先生に怒られたら、僕は傷つくんだ!」

「だから宿題をやらなくていいってことは、僕を苦しめたいんだろう!」

 

 

そこで、お母さんは初めて知りました。

 

 

この子は、ひねくれていたんじゃなかった。

 

 

お母さんが普段何気なく言っていた、

「やらなくてもいいけど、明日、先生に怒られるよ〜」

という言葉も、この子はそのまま受け取っていた。

 

 

そして、お母さんは、

「今までは、この子が話し始める前に私が怒ってしまって、最後まで聞けていなかったんだ」

と気づいたそうです。

 

 

この話には、私が子どもたちの「なぜ?」を追い続けてきた理由が詰まっています。

 

 

外から見えていたのは、

癇癪を起こす。
机を蹴る。
暴言を吐く。
宿題をやらない。

という「困った行動」でした。

 

 

だけど、その子の中で起きていたことを聞いてみたら、まったく違う景色が見えてきた。

 

 

「先生に怒られたら、僕は傷つく」

だから、宿題をやらないことも怖い。

 

 

その状態で「今日はやらなくていいよ」と言われたから、お母さんの優しささえ、

「僕を傷つく方へ行かせようとしている」

という意味に受け取っていた。

 

 

表面の行動だけを見ていたら、

「なんでそんなにひねくれているの?」

で終わっていたかもしれません。

 

 

だけど、

「なぜ、この子はこんなに怒っているんだろう?」

と、その奥を見ていくと、

「困らせたい子」とは違う姿が見えてきます。

 

 

私はこれまで、こうした一見すると理解しづらい子どもたちの行動を何度も見てきました。

 

 

怒る。

動かない。

好きなことしかやらない。

 

頑なに自分のやり方を変えない。

「無理」と言って挑戦しない。

 

 

表面に現れる行動は違います。

 

 

けれど、その奥に、

「傷つきたくない」
「失敗したくない」
「否定されたくない」
「自分を守りたい」

という姿が見えることがある。

 

 

私は、こうした自分を守ろうとしている状態と、そこから現れる行動を「防衛モード」と呼ぶことにしました。





 

 

5 「しょうがない」が「じゃあ、どうする?」に変わる

 

癇癪をやめさせたい。

ゲームをやめさせたい。

学校へ行かせたい。

言うことを聞かせたい。

 

 

もちろん、目の前に困りごとがあったら、そう思うと思います。

 

 

私自身、息子が不登校になって、家でゲームばかりしていた頃、

 

「どうしたらゲームをやめさせられるんだろう?」
「どうしたら学校に行かせられるんだろう?」

そんなことばかり考えていました。

 

 

だけど、今振り返ると、その前に知りたかったことがあります。

 

 

「なぜ、この子には今、この行動が必要なんだろう?」

ということです。

 

 

なぜゲームから離れられないのか。

なぜ学校へ行けないのか。

なぜ怒るのか。

なぜ「無理」と言うのか。

 

 

その理由が見えてくると、

「だから、しょうがない」

で終わるのではなく、

「じゃあ、どうしたらできる?」

を親子で一緒に考えられるようになるからです。

 

 

そして、私は、親が子どもと一緒に「なぜ?」を考えてきた経験が、やがて子ども自身の、

「じゃあ、どうしたらできる?」

に変わっていくと思っています。

 

 

できない理由を知るのは、諦めるためじゃない。

 

 

できる方法を見つけるためです。

 

 

できない理由を見つけたとき、

「だから無理」と諦める子になるのか?

 

 

それとも、

「じゃあ、どうしたらできる?」と、その理由をひっくり返す子になるのか?

 

 

私だったら、後者になってほしいって、思うんです。

 

 

ギフテッド、高IQ、2Eの子どもたちは、たくさんのことを考えます。

 

 

だからこそ、その賢さを、

失敗しないため。
傷つかないため。
否定されないため。
できないことから逃げるため。

 

 

自分を守るためだけに使ってほしくない。

 

 

「これ、やってみたい!」

と思ったことに向かって、

「今はできない。じゃあ、どうしたらできる?」

と考えるために使ってほしい。

 

 

やり方を変えてみる。

別の方法を考えてみる。

誰かの力を借りてみる。

 

もう一度やってみる。

 

 

そして、

「こうしたら、やれるはず!」

と、自分で未来へ踏み出せる子になってほしい。

 

 

だから、私は、子どもの困った行動を見たとき、

「どうやってやめさせる?」ではなく、
まず「なぜ?」から始めます。

 

 

その「なぜ?」は、

この子の未来を諦める理由ではなく、
この子が未来を攻略するための最初の手がかりになるからです。









 

6 あなたのお子さんも「困った子」ではないかもしれません

 

すぐ怒る。

何度言っても動かない。

好きなことから戻ってこられない。

「無理」と言って挑戦しない。

自分の考えを絶対に曲げない。

 

 

もし、

「なんでこの子はこうなの?」

と感じているなら、

行動を直す前に、その奥で何が起きているのかを一度見てみてください。

 

 

次の記事では、

「防衛モードとは、具体的にどんな状態なのか?」

 

 

そして、

なぜ同じ“自分を守る”でも、怒る子・動けなくなる子・好きなことから戻れなくなる子がいるのか

をお話しします。

 

 

もしかしたら読んでいる途中で、

「え、これ……うちの子のことじゃない?」

と思うかもしれませんよ。

 

 

→ 次の記事:賢いのに、なぜ? ギフテッド男子に起きる「防衛モード」とは?





 

 
執筆者:神山彰子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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