「もう一年生なのに…」一人で登校できない娘に悩んでいた私
小学一年生になり、学校へ行くときに「ママがいい!」と離れられず、一人で登校できない子はいませんか?
「もう一年生なのに、どうして一人で行けないの?」
「いつまで付き添えばいいんだろう」
そんなふうに心配になることもあると思います。
けれど、「ママがいい」という言葉は、ただの甘えではなく、登校することに強い不安を感じている登校不安のサインかもしれません。
私の娘も、幼稚園の頃から「ママがいい」と言い、私と離れられないことがありました。
幼稚園へ行くのを嫌がり、園のバスまで裸足のまま抱っこして連れて行き、泣いている娘を無理やり先生に引き渡したこともあります。

「小学生になれば、自然と一人で行けるようになるだろう」
私はそう思っていました。
けれど、小学校へ入学してからまもなく毎日学校まで付き添うことになりました。
最初は校門までだった付き添いが、下駄箱、教室前へと少しずつ長くなり、ついには「ママがいい」と教室の前で泣く娘を先生に引き渡すようになりました。
「お腹が痛い」
「頭が痛い」
と言って学校を休むこともあり、当時の私は「本当かな?学校へ行きたくないから言っているだけじゃないの?」と仮病を疑っていました。
なぜ学校へ行きたくないのか聞いても、娘から返ってくるのは「ママがいい」という言葉だけ。
先生からは、
「離れるときだけですよ。学校では元気にしています。心配しないで連れてきてください」
と言われていました。
学校へ行けば過ごせている。だけど、毎朝こんなに嫌がる娘を無理に連れて行っていいのだろうか。私は何が正解なのかわからず、迷い続けていました。
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なぜ小学一年生は一人で登校できなくなることがあるの?
小学一年生の娘が一人で登校できなかった背景には、学校へ行くことへの強い不安がありました。娘は登校前になると不安がどんどん膨らみ、体が動かなくなっていたのです。
娘の登校不安が強くなる背景には、少学一年生ならではの学校生活も関係していました。
授業、給食、宿題、行事、友達との関わり、先生とのやり取りなど、幼稚園や保育園までとは大きく違う環境の中で過ごします。
一年を通して、
「次は何をするんだろう」
「ちゃんとできるかな」
「先生に注意されないかな」
と、この先の見通しを持ちにくい場面にもたくさん出会います。
特に不安を感じやすい子は、この先どうなるのか見通しが持てない場面で、不安が強くなることがあります。
娘も、
・先生に注意されたらどうしよう
・またうまくできなかったらどうしよう
・授業で当てられて答えられなかったらどうしよう
・苦手な給食を残していいのかな
・みんなと違ったらどうしよう

と、過去にうまくいかなかった経験を思い出したり、これから起こることを想像したりして、不安をどんどん膨らませていたのです。
不安が大きくなると、脳の中で危険を察知する働きをもつ扁桃体が強く反応します。
すると、頭では「学校へ行かなきゃ」と思っていても、体が動かなくなることがあります。
つまり、
「ママがいい」
「お腹が痛い」
という姿は、わがままや嘘ではなく、自分ではどうしたらいいかわからないほど不安が大きくなっているサインだったのです。
そして、小学一年生で一人で登校できない子に必要なのは、無理に一人で行かせることでも、不安をすべてなくしてあげることでもありません。
大切なのは、不安があっても、自分で考え、選び、動ける力を育てていくことです。
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一人で登校できない子の「自分で動ける力」を育てる3つの関わり方
小学一年生で一人で登校できない子どもに大切なのは、不安をなくすことではありません。
不安があっても、自分で考え、選び、動ける力を育てることです。
そのために私は、娘を「どうやったら学校へ行かせられるか」と考えるのではなく、娘自身が「どうするか」を考えて動けるように、関わり方を変えていきました。
我が家で実践した3つの関わり方を紹介します。
不安はカウンセラーモードで受け止める
カウンセラーモードとは、保留→理解→共感の順番で会話をすることです。
大切なのは、娘の不安をすぐに否定しないことです。
たとえば子どもから、「ママがいい!」と言われたとき。
「ずっと一緒にはいられないよ」
「一年生なんだから行かないと」
「学校へ行けば大丈夫でしょ」
と言いたくなるかもしれません。
私も以前はそうでした。そこで、まず自分の言いたいことを一旦保留します。
そして、
「そっか。ママがいいって思うんだね」
と、子どもの気持ちをそのまま受け止めます。
さらに、
「ママと一緒だと安心するのかな」
「ママと一緒にいたいよね」
「ママも〇〇ちゃんのこと大好きだよ」
と共感します。
子どもは自分の気持ちを受け止めてもらうことで、「ママにわかってもらえた」と感じやすくなります。
安心して話せるようになると、
「先生に怒られたら嫌なんだ」
「今日の給食が心配」
「授業で当てられるのが怖い」
など、「ママがいい」の奥にある本当の不安を少しずつ言葉にできるようになります。
自分が何に不安を感じているのかに気づくことが、自分で考えるための最初の一歩になります。

どうするかの選択肢を渡し、自分で選ばせる
次に大切にしたのは、親がすべて決めるのではなく、娘自身に「どうするか」を選んでもらうことでした。
「どうしたら行けそう?」と聞くのではなく
「歩いて行く?車で行く?」
「今日は教室の前まで一緒に行く?下駄箱までにする?」
「校門まで一緒に行く?学校の角まで行ってみる?」
と、子どもが答えやすい選択肢を渡します。ここで大切なのは、親が望んでいる答えに誘導することではありません。
たとえば親は「歩いて一人で行ってほしい」と思っていても、子どもが「今日は車で行く」と決めたなら、その選択を認めます。
「そっか、今日は車で行くって決めたんだね」
と、自分で決めたことを肯定します。
「ママに言われたから学校へ行った」ではなく、
「不安はあるけれど、自分でどうするか決めた」
という経験を増やしていくためです。
自分で選ぶ経験を重ねることで、少しずつ「自分はどうしたい?」と考える力が育っていきます。
自分で動けた成功体験を記憶に残す
3つ目は、結果だけではなく、自分で決めて動けたことを認めることです。
一人で学校へ行けなかったとしてもかまいません。
「今日は自分で決めて下駄箱まで行けたね」
「教室の前まで自分で歩けたね」
「今日は歩いて行くって自分で決めたね」
「車から自分で降りられたね」
と、その日にできた小さな一歩を言葉にして伝えます。
以前の私は、「休まず登校できたか」「教室に入れたか」という結果ばかりを見ていました。
しかし大切なのは、そこへ行くまでに子どもが、
考えたこと
選んだこと
実際に動いたこと
に目を向けることでした。
「自分で決めて動けた」という成功体験が記憶に残ると、
「前にもできた」
「今日もできるかもしれない」
という次の行動につながっていきます。
小さくても自分で考え、選び、動いた経験を積み重ねることが、不安があるときにも自分で一歩を踏み出せる力になっていきます
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不安があっても一人で登校できるようになった
小学一年生の頃は、一人で登校することができなかった娘。
毎朝私が学校へ付き添い、教室の前で「ママがいい」と泣いていた時期もありました。
ところが関わり方を変えていく中で、少しずつ娘の行動が変わっていきました。
教室の前で泣かずに離れられるようになり、次は下駄箱で離れられるようになり、さらに学校の角で私と離れられるようになりました。
そして二年生になる前には、一人で登校できるようになりました。
現在小学二年生になった娘は、「ママがいい」と言うことはほとんどありません。
学校への行き渋りも減り、元気に登校できるようになりました。

これは、娘から不安がすべてなくなったからではありません。
不安を感じたときにも、自分で考え、「今日はどうするか」を選び、自分から動けるようになったからです。
今でも、ときどき「今日は学校まで車で送ってほしい」と言う日があります。
そして学校へ着くと、自分から車を降り、後ろを振り返ることもなく校舎へ走っていきます。
以前の私は、「一人で登校できるようにしなければ」と、登校できることそのものをゴールにしていました。
発達科学コミュニケーションを学んでからは、目指すところが変わりました。大切なのは、一人で登校させることではありません。
不安があるときにも、自分で考え、自分で選び、自分から一歩を踏み出せること。
ママの関わり方を少し変え、小さな「自分でできた」を積み重ねることで、子どもは少しずつ自分で動けるようになっていきます。
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小学一年生で一人で登校できない子によくある質問(Q &A)
一人で登校できないのは、甘えではなく強い不安が影響していることがあります。
小学一年生は初めての経験が多く、学校生活の見通しを持ちにくいため、不安が強くなりやすい時期です。「ママがいい」「お腹が痛い」などの言葉も、登校不安のサインとして表れている場合があります。
まずは無理に離そうとせず、子どもの不安を受け止めることが大切です。
「ママがいいんだね」「一緒だと安心するのかな」と気持ちを言葉にし、安心して話せる状態をつくります。そのうえで、「歩く?車で行く?」など選択肢を示し、子ども自身がどうするかを選べるようにします。
付き添うこと自体が、一人で登校できなくなる原因とは限りません。
大切なのは、付き添う・付き添わないではなく、その中で子どもが自分で考え、選び、動く経験を増やすことです。下駄箱まで、校門までなど、その日にできる一歩を子ども自身が選べるようにしていきます。
<執筆者>
発達科学コミュニケーションアンバサダー
澤村祐依





