叱っても聞かないのは“やる気”の問題ではなく、脳が安心を失っているサイン。暴言・無気力な子どもの脳を整える方法をお伝えします。
叱っても変わらないのは“やる気がない”からじゃない
「言っても聞かない」「何度注意しても同じことを繰り返す」
そんなとき、「この子、やる気がないのかな」と感じていませんか?
実は、やる気の問題ではなく、脳の“安心スイッチ”が切れているだけかもしれません。
「安心」がないと、脳は動けなくなる
人の脳は、安心しているときにこそ力を発揮しますが、怒られたり、責められたりすることで「危険」と判断すると、脳は“防衛モード”に入り、考える機能が一時停止します。
この状態では、
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言葉が届かない
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指示が頭に入らない
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行動が止まる
という反応が起きます。
「何回言っても変わらない」は、実は脳が安全を失っているサインなんです。
子どもの脳に「安心」を届ける3つのコツ
脳が安心すると、考える力が戻り、自分で行動しようとします。
そのためのポイントは、次の3つです。
否定ではなく“共感”から始める
「また忘れたの?」「いい加減にして」ではなく、「そうだったんだね」「難しかったんだね」と、まず受け止めること。脳が「味方だ」と感じると、防衛反応が止まります。
声のトーンを下げる
イライラしているときほど、声を落ち着かせて話す。声の高さを下げるだけで、脳波が安定しやすくなり、子どもも落ち着きを取り戻します。聴覚が敏感なお子さんには特に意識してみましょう。
“できたこと”を見つけて伝える
叱るより、「ここはできてたね」と肯定する。脳は、できた瞬間に“快の刺激”を感じて行動を繰り返そうとします。これは、脳科学でいう報酬系の働きです。
脳が整えば、言葉が届くようになる
子どもの脳が安心を感じると、
・聞く力
・考える力
・やる気を引き出す力
が一気に戻ります。
つまり、落ち着きや自発的な行動は、「安心」を積み重ねることでしか育ちません。
ママの一言が、脳を動かすきっかけになる
叱る代わりに、「大丈夫、もう一度やってみよう」そう伝えるだけで、脳のスイッチは切り替わります。その瞬間、子どもの中に「できるかも」が芽生え、行動が変わり始めます。
脳を整えるのは、安心と信頼のコミュニケーション
子どもが変わらないと感じたときこそ、脳の“安全基地”をつくってあげましょう。安心を感じた脳は、必ず動き出します。
そして、その最初のスイッチを押せるのは、そう、世界でたったひとり、ママだけです。
次回は、
「暴言の裏にある“助けて”のサインを読み解く」
をお届けします。