1.5月の変化は重大なサイン⁉
5月に入り、新しい環境でがんばってきたお子さんに変化はありませんか?
5月病という言葉があるぐらい、この時期の環境の変化は、大人でもいろいろな不調を訴える人が多いですよね。
ましてや、発達障害やグレーゾーンの子どもや繊細タイプの HSC(Highly Sensitive Child:ひといちばい敏感な子)といった気質を持つ子どもにとっては、不安や感覚の過敏さが増大し、疲れが出やすい時期です。
例えば、
・すぐに「疲れた」という
・朝起きられない
・お腹が痛い、不眠、食欲不振など体の不調を訴える
・ネガティブな発言が増える
・イライラしている、落着きがない
実はこれは、現在中2の娘が小5で登校しぶりを始めたころの様子なのです。
皆さんのお子さんにもこんな様子はありませんか?
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2.順調に見えた娘は、登校しぶりから不登校に
娘には、自閉症スペクトラム(ASD)と不注意優勢型の注意欠如・多動性障害(ADHD)傾向があります。
娘が不登校になってから行なった検査でわかりました。
娘は小学1年生から遠距離の電車通学でしたが、特に登校しぶりをしたり、体調を崩すこともなく、先生や他のお母さんからも「すごいね」と言ってもらい、このことは娘にとっての自慢でした。
娘は、おとなしくマイペースでしたが、考え方は楽観的でポジティブ。
いつも明るく笑顔が絶えない子どもでした。
また5年生になった当初は、中学受験を考え自ら塾にも通いはじめ、ダンスの教室でも選抜クラスに上るなど、意気揚々で新年度を迎えたところでした。
そんな娘が登校しぶりを始めた当初は、家は出るものの「お腹が痛い」と言って途中の駅から折り返してくることが多くなっていました。
それが、だんだんと「お腹が痛い」「しんどい」と言って朝になってもベッドから出られなくなってきたのです。
しかし、乗るはずだった電車の時間が過ぎると
「ほんとは行きたかった。どうして起こしてくれなかったの」と言う。
また
「あの時間の電車に乗りたかった。あの電車に乗る。あの電車に乗せて。」と無理なことを言っては泣くようになっていました。
これらはまさに、娘からのSOSだったのです。
しかし、当時の私は、「子どもには学校に行ってほしい」「休み癖がついたら困る」という思いから、とにかく子どもを学校に行かせることだけを考えていました。
また、娘が高学年になり、せっかく自分の時間が持てるようになったのに…という私の気持ちもありました。
担任からも、「とりあえず連れて来て下さい」と言われていました。
そして、遅刻しながらも、週に2〜3日登校するうちに1学期が終わりました。
2学期になると、だんだんと学校に行けない日が増えていきました。
それでも、私は娘を学校まで送っていったり、朝起きられない娘のために学校の近くのホテルに一緒に泊まったりして、できるだけ学校に行かせようとしていました。
しかし、そんなことを続けるうちに、娘の不眠はひどくなりひとりで眠れなくなりました。
そして、眠れない娘は眠ろうとする私を起こすため、私も毎日寝不足で日中は朦朧とすることが多くなりました。
少し娘と離れる時間を取ろうとしても、娘は赤ちゃん返りをしたように四六時中私から離れず、ネガティブな発言を繰り返しました。
時には「もう生きていたくない、今までの人生が楽しかったから、私の人生は10年でいい。」とまで言うようになっていました。
そして、スマホを手放せなくなり、ゲームとYouTubeに明け暮れるようになりました。
変わり果てていく娘の姿に、この子は本当は学校に行きたくないのに、行かなければならないと思っている、それが体に現れてきているのではないか?と思い始めました。
3.女子の発達障害は気づかれにくい
娘の登校しぶりの原因は発達障害でした。
発達障害は生まれつきの脳機能の発達の偏りによるものです。
生まれつきのものなのに、なぜ娘はこの年齢までわからなかったのか?
女子の場合、幼少期や学童期には、発達障害があることに気づかれないケースが多いのです。
娘の特性は、ASDと不注意優勢型のADHDです。
ADHDの特徴である、多動・衝動性は幼少期や児童期の男子によく見られるものです。
授業中にじっとしていられない、よくケンカをする、感情が爆発する、といったことがあげられますが、このような症状によって発達障害を抱えていることに周囲も気づきやすいのです。
女子の場合も多動・衝動性がないわけではありませんが、その程度は軽く男子ほどは目立ちません。
また、筋力も男子ほどではないため、暴力的な行為があっても大きなトラブルに発展することはまれです。
ASDについても同様のことが言えます。
そもそもASDの比率は男子にくらべ女子の比率が低いのです。
ASDには、コミュニケーションがうまくとれない、人との関わりが苦手といった特徴がありますが、ADHDと同様に、女子は比較的症状が軽度で男子のように目立つ問題を起こすことは少ないのです。
そのため小さい間は「おとなしい女の子」として扱われていることが珍しくありません。
その背景として、女子は男子よりも周囲に合わせていくという力が強いということがあります。
本来は、コミュニケーションがうまくとれない、人との関わりが苦手なのですが、女子の場合は周囲に合わせようとし、必死に頑張ってしまうのです。
しかし、葛藤を抱えて悩んでいるのに自分の気持ちを表現するのが苦手なために、周囲にはなかなか気づいてもらえません。
このような状態で、年齢があがるにつれ徐々に学校に通うのがつらくなっているのですが、思春期になると追い打ちをかけて人間関係が複雑化します。
空気を読み、同調を求められるようになり、それはやがて過剰なストレスになります。
人と同じことができず仲間外れになるなどのトラウマを生む場合もあります。
このような理由から、どうしても女子の発達障害は見逃されやすく、身体症状や不登校、うつ症状といった二次障害を起こしはじめて顕在化することが多いのです。
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4.娘の元気を取り戻せ!全肯定対応作戦
発達障害があるとわかってから私は、娘の言動は全て肯定し、やりたいことには徹底的に付き合うことにしました。
どんなことを言っても
「そうだね。」「そう思うんだね。」と娘の気持ちを肯定することにしました。
例えば、乗り過ごしてしまった電車に乗りたいと言った場合、以前は「なぜそんな無茶なことを言うの?時間を巻き戻せというの?」と責めるように答えていましたが、「乗りたかったんだね。」と気持ちを受け止めるようにしました。
娘も自分の感情が受け入れられたと思うと、乗れるはずもない電車に乗りたいということは少なくなっていきました。
また、好きなこと、娘がやりたいということには出来る限り、一緒にやることにしました。
娘はクレーンゲームでぬいぐるみを取るのが好きだったので連日ゲームセンターに通いました。
次に娘は、クレーンゲームで取ったぬいぐるみの家を作りたいと言ったので、段ボールに一緒にペンキを塗ったり、100均のシートやテープを貼ってぬいぐりみ達の集合住宅を作りました。
家が完成すると、ぬいぐるみたちと思う存分に「ごっこ遊び」をしました。
そんなある日娘は
「学校の文化祭には頑張って行くから、それからは休ませてほしい」と言いました。
そして、言葉どおり2日間きちんと文化祭に参加しました。
それまでの娘は「(行かなくてはいけないと思っているけれど)行けない。」
だったのが、ここからは、
「(自分の意志で)行かない。」に変わったように感じました。
ふりかえってみれば、娘は、ここで始めて自分に気持ちを言葉で伝えられたのだと思います。
それから約1カ月間家で自由に過ごしたあと、娘は自ら地元のフリースクールに通い始めました。
そして、6年生はフリースクールと学校のWスクールで小学校を卒業し、中学校は自分で選んだオルタナティブスクールに進学しました。
今では不登校時代にYouTubeで出会ったK-popにはまり、韓国語を習ったり、同じ趣味の友人とカフェめぐりやダンスを習ったりと充実した生活を送っています。
私が発達科学コミュニケーション(発コミュ)に出会ったのはそのあとでした。
もし最初に娘のSOSに最初に気付いていたら、もしその時に私に発コミュの知識があれば、娘も私もあんなに苦しむことはなかったのではないかと思います。
少なくとも、娘が「もう生きていたくない。」という言葉を口にすることはなかったのでしょう。
しかし、発コミュで学ぶことで、娘の困りごとの解消だけでなく、強みを活かして今までできなかったことができるようになりました。
娘の持つASDには、一つのことに集中しすぎる、決まったパターンにこだわるというものがあります。
これらは日常生活には支障をきたすことが多いのですが、この特性を逆に活かすことにより、苦手な部屋の片付けができるようになりました。
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ひとつ苦手なことが克服できれば、それらは自信につながり、連鎖的にできることが増えていきます。
発達障害は発見が遅れても、二次障害を起こしても、お母さんが発達障害について理解し、子どもの特性にあった対応をすれば子どもの脳は必ず伸びます。
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執筆者:西田加奈子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)