「やりきるチカラがない!」そのお悩みに実は影響している『実行機能』とは?

やるべきことができない、目標をクリアできない、そんなお子さんの様子に「このままで大丈夫?」と不安になっているお母さんもいらっしゃるかもしれません。

ですが、実は、子どもの脳を育てる関わり方をしてあげると、そんな状態から卒業させてあげることができます。

今回は、中学で発達科学コミュニケーションに出会った男子の「やりきるチカラ」が育った、我が家のストーリーをご紹介します。

今、目の前のトラブルに頭を抱えているお母さんへ。発達障害の凸凹があっても、こんな成長を手渡してあげられますよ!そんな子どもたちの可能性を伸ばしてあげられるママが増えるといいなと思い、この記事をお届けします。

ママの「未来への不安」は時として焦りや怒りにかわり誤った対応に陥りやすい…だから、その不安を手放すきっかけにしてもらえると幸いです。

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我が家の息子(現在高3)は、ADHD・自閉症スペクトラム・学習障害の困りごとをミックスで持ち合わせる発達障害グレーキッズです。小学校以降はADHDの特性が強く出るようになりました。

興味のないことは一切やらないタイプ。宿題?課題?そんなのお構いなし!だからいろんな提出物が全然出せない子でした。

その上、不器用さもあるから、美術とか家庭科とかで作品をつくらせると…なかなか驚きのクオリティで仕上がってしまい、本人もますますやる気がなくなってしまう…そんな悪循環に陥っていました。

ところが、そんな息子が、今回家庭科の刺繍の課題をやりきって提出していたのです。しかもただやるだけではありません。こんな成長を見せてくれたのです!


◆1)クオリティにこだわる

以前だったら「とりあえず」出せばなんだっていい…というタイプでした。出せればラッキーでしたし、出さないこともしょっちゅうでした。

ですが、今回は「どのデザインにしようかなー」と自分でしっかり考えて、下書きが難しいと思ったら妹にアウトソーシングして、自分が思い描く作品に近づけてつくる努力をするようになりました!

「ここはこの色にしたい」「縫い方はどうしたらいいかな?」なんて考えていました。

◆2)諦めない

イラストが得意な妹に下書きを発注したおかげで、かなり難易度の高い下絵が完成しました。

ですが「無理ー」とか「こんなんできないし」などと言わずに、「何とか仕上げてみる!」と決めて仕上げるための作戦会議を私に持ちかけてきました。

◆3)飽きずに継続する

大量の刺繍に飽きることなく、最後まで黙々と縫い続けました。もともと飽きっぽい発達障害ADHD傾向が強めの我が家の息子が、嫌にならずにやり切る姿に成長を感じました。

息子と笑いながら話したのは「昔のあなただったら面倒になったら通学路に捨ててきてたよね」ということ。(これ、昔は、本当にやってましたから!)

それが今ではゴールを目指して継続することができるようになりました。

◆4)マルチタスク力UP

刺繍の課題の締め切りと、定期考査の期間が、実は重なっていました。これをどちらも諦めず、勉強をしては刺繍をして、刺繍をしては勉強して…切り替えながらどちらもやり遂げていました。

塾の自習室で刺繍をするという前代未聞の光景に塾の先生も笑っていたそうですが。

◆5)期限までに提出!

だんだん締め切りが近づいてきて「これ、間に合うのかな?」と私の方が心配になりました。

ですが息子は、自分で1時間でどれくらい縫えるのか把握しながら「大丈夫!できるから!」と計画を立てて、締め切りまでに仕上げていました。

そして提出締め切り日は採点休みの日でしたが、わざわざ学校に出向いてめんどくさがる様子もなく提出を済ませていました。

「こんなにちゃんとやってるのは、オレとKくんくらいだった」と言っていました。

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家でも、学校でも、
やるべきことができない。目標をクリアできない。やりきることができない。

こんなお課題をを抱えているお子さんに、持たせてあげたいのが「実行機能」というチカラ。

<実行機能とは?>

モノゴトを最後までやりとげるためにはさまざまなチカラの連携が必要です。

たとえば

・目標を定めスイッチを入れる「意志」というチカラ

・情報をあつめ段取りを立てる「計画立案」のチカラ

・行動を始め・続け・終わらせる「継続&切り替え」のチカラ
注意力や感情コントロール力も継続や切り替えには大切になりますね!

・もっといい方法はないか、もっと効率的にやる方法はないか、と振り返り改善する」チカラ

こんな複数のチカラの連携、つまり司令システムを「実行機能」とよびます。お子さんは、実行機能の中でどの要素が苦手でしょうか?

我が家の息子は基本的にどれも苦手でした。

凸凹のある子たちは、こんな司令をコントロールする脳の成長が、部分的にスローだから、やり遂げることが困難になってしまう子も多いのです。

だけど、そのチカラ、ママの手で伸ばしてあげることができます。

それが、親子のコミュニケーション

なぜ会話なのか?なぜコミュニケーションなのか?なぜ凸凹キッズが発達するのか?

その本当の意味をこちらの記事でご紹介しています。ぜひ併せてチェックしてみてくださいね。

執筆者:清水畑 亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

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